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長野県内NEWS

2017年11月20日 (月)

富士見町で捕獲された雌のニホンジカの放射性セシウム濃度値が基準値超えした件

----- 追記)翌年2018年も同じ山で基準値超えした野生シカが1件みつかりました。 2018年八ヶ岳編笠山で捕獲された野生鹿肉の放射性物質濃度基準値超えについて

-----

富士見町で捕獲された雌のニホンジカの放射性セシウム濃度値が基準値超えした件


平成29年11月18日付け 信濃毎日新聞の発表によると、

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20171118/KT171117FTI090028000.php

「県林務部は17日、諏訪郡富士見町で捕獲された雌のニホンジカ1頭の肉を調べた結果、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウム137を156ベクレル(1キログラム当たり)検出したと発表した。」

長野県林務部に、測定結果詳細を問い合わせを行った。

その結果は下記の通りであった。

<長野県林務部 TEL 0262-35-7273>

測定日 2017/11/16
Cs-137 : 156 Bq/kg
Cs-134 : ND < 3.25Bq/kg

<解析>
放射性セシウム137と放射性セシウム134の濃度比率から、放射性物質の由来を推定することが可能である。(*1)
今回の放射性セシウムの由来が、1964年にピークを迎えた大気圏核実験由来なのか、2011年3月15日に大気に放出された福島第一原発事故由来なのかを解析した。

□ もし、Cs-137が全て、福島原発事故由来だと仮定すると

 Cs-134/Cs-137の比率は、2017年11月16日時点で、 0.124 である。 (*1)
 よって、
 Cs-134の推定濃度値は、156 × 0.124 = 19.3 Bq/kg となる。

 一方、長野県林務部が発表した、Cs-134濃度は、不検出であり、その検出下限値は、3.25Bq/kgであった。

 以上から、検出された放射性セシウム137は、大半が、大気圏核実験 (もしくは、1986年チェルノブイリ原発事故 *4) 由来である可能性が高い。

□ より正確な配分比率(大気圏核実験由来/福島第一原発由来)はどうか?

 検出下限値は、3.25Bq/kg であったので、この濃度が、
 福島第一原発事故由来のCs-134が含まれていたが、ぎりぎり検出されなかった、
 と仮定する。

 Cs-137 = 3.25 / 0.124 = 26.2 Bq/kg

 以上から、検出された、放射性セシウム137の濃度 156 Bq/kgの内、
 最大で、 26.2Bq/kgまで
 が、福島第一原発事故由来である可能性がある。

 よって、

<結論>

(1)検出された放射性セシウム137の濃度 156Bq/kgの内、福島第一原発事故由来は、最大でも 1/6 である。
 残りの、5/6以上、すなわち 130Bq/kg 以上は、1964年にピークを迎えた当時の大気圏核実験(もしくは、1986年チェルノブイリ原発事故 *4)由来であると推定される。



<考察>

過去の野生シカ肉の値で、長野県内で100Bq/kgを超えた事例は、
・合算 140 Bq/kg, H24年6月27日 軽井沢町 
だけでした。
他は、殆どが一桁の濃度であり、多くても、
・大桑村:16(H27年3月8日)
・売木村:21.5(H26年9月28日)
といった値でした。
今回、八ヶ岳山系の富士見町で、大気圏核実験由来の放射性セシウム137のみで、 100Bq/kgを越す値が検出された事実は、初めての出来事です。 野生のシカがどのような生態(移動範囲、食料の種類や採り方)(*5)であるのか、 更に調査が必要と思われます。

(補足)
長野県下で、野生シカの放射性セシウム濃度が基準値越えした事例は今回は2例目だった。参考まで、前回の軽井沢での検出事例について、同様に放射性セシウム134/137比率から、由来を解析した。
-----
(*2) より、
平成24(2012)年6月17日
軽井沢町
ニホンジカ(オス)
Cs-134 : 55Bq/kg
Cs-137 : 87Bq/kg
合算 140Bq/kg
-----
<解析>
2012年6月17日時点での、放射性セシウム134/放射性セシウム137比は、
134Cs / 137Cs = 0.6745
検出された放射性セシウム137の濃度から、推定される放射性セシウム134の濃度は、
87 ×  0.6745 = 58.7 Bq/kg

以上から、
軽井沢町で捕獲され、平成24(2012)年6月17日に放射能計測されたニホンジカ(オス)の放射性セシウムの由来は、ほぼ100パーセント(厳密には96%)が、福島第一原発事故由来であると推定される。

■続報(2017-11-21)
Amikasayama
信濃毎日新聞 2017.11.21,第30面
「一方、富士見町は20日の町議会全員協議会で、セシウムが国の基準値を超えたニホンジカは八ヶ岳連峰南端の編笠山(2524メートル)で捕獲されたと明らかにした。」
=====
(解析 つづき 11/23)
・目的:近隣他県の事例を調査。
群馬県 基準値超え計測事例
H26(2014).11.27 Cs-134/Cs-137=29.7/153
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/s_chosa/pdf/150325_gunma.pdf
・Cs-134/Cs-137比理論値(*1)
2014.11.27
Cs-134/Cs-137=0.3140

・計算
29.7/0.314= 94.6 Bq/kg
153-94.6= 58.4 Bq/kg

・結論
群馬県片品村でH26(2014)に捕獲されたニホンジカは、福島第一原発事故由来 以外 の放射性セシウム137が、60Bq/kg検出されている。

=====
<参考>
(*1)http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html
放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率

(*2)
長野県
野生獣肉からの放射性物質の検査結果について 更新日:2017年11月13日


http://www.pref.nagano.lg.jp/yasei/sangyo/ringyo/choju/hoshasei.html

(*3)
【信州放射能ラボ メールマガジン Volume-005, 2015-10-16発行】
■放射能 news (2015.10.16 信州放射能ラボ)

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2015/10/news20151016-c3.html

(*4)1986年チェルノブイリ原発事故 (2017.11.22追記)
放射性セシウム134が検出された場合、その半減期が2年であることから、福島原発事故由来の成分がどの程度含まれているのかを推定することが可能である(*1)。しかし、検出された放射性物質が放射性セシウム137のみの場合、日本で検出される可能性が高い原因は、主に1964年の大気圏核実験由来であると推定される。一方で、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故由来の放射性セシウム137は、日本でも認められているが検出された量は、相対的に1964年の大気圏核実験由来の放射性セシウム137の量よりも少ない。
詳しくは、弊社ブログ記事:
「311前の土壌のCs137濃度」
を参照ください。 このグラフの中で、 1986年以降に顕著なピークは認められない。
(*5)論文
ニホンジカの食害による森林被害の実態と防除技術の開発
小山、岡田、山内@長野県林業総合センター(2010)
http://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/seika/kenkyu/ikurin/documents/iku-24-1.pdf
(以上)

2013年11月26日 (火)

長野県がキノコの放射能検査結果を公表しない理由

厚生労働省は、各地自治体が計測した食品の放射能測定結果をダイジェストにして毎日発表している。
食品放射能基準値を超えた食品は、そのダイジェストの最初に「基準値越え」として表示されている。

例えば、直近の
第773報は以下の通りだった。 平成25年11月22日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000030212.html
※ 基準値超過(6件)

   No.725 群馬県産ワカサギ(Cs:120 Bq/kg)
   No.2417 山梨県産チャナメツムタケ(Cs:230 Bq/kg)
   No.2420 長野県産ハナイグチ(Cs:230 Bq/kg)
   No.2421 長野県産チャナメツムタケ(Cs:2900 Bq/kg)
   No.2424 長野県産ムラサキシメジ(Cs:120 Bq/kg)
   No.2425 長野県産ムキタケ(Cs:350 Bq/kg)

この測定結果の報告の元となる報告を長野県のHPに探してみた。
しかし、以下の理由で「今は公表していない」とのことだ。

検査の中で、基準値を超えない結果も出ており、
 公表することにより安全であるかのように県民の方が誤解し、
 野生きのこを採取する恐れがある

放射性セシウム濃度が、キログラムあたり、2900ベクレルを超えるキノコが野生キノコに存在することを公表し、野生キノコの採取を控えるように警告する事は、大切な事と考える。

この秋、群馬県の みなかみ町(採取禁止区域)で採取されたキノコが、同じく群馬県から日光方面に続く国道沿いの「道の駅」に持ち込まれて販売され、基準値超えのキノコとして検出された。

何故、禁止区域から採取したのか。どのようなルートで、道の駅で販売されたのか。しかも、その道の駅は、「販売している食品の放射能検査を行っています。」とホームページできちんと提示していた。そのようなお客の立場に立った姿勢で食品の放射能汚染に留意して営業している店舗でさえも、こうした事故を引き起こしてしまうのが現状である。

こうした「事故」が起きないようにするためにどうするか。

まずは、基準値超えのキノコが検出されたならば、直ちに公開すること。
県民に基準値超えの汚染キノコが出ていることを知らせること。
それこそが、放射性物質に汚染された食品による内部被ばくから、県民の身を守るために必要な施策ではないだろうか。

また、このところ長野県は、「おもてなし県」を宣言し、知事自ら広告塔となってTVでCMを打っている。高濃度汚染キノコの測定結果を公表する姿勢は、県外から来る観光客に対して、「安心な食品を扱っている姿勢」を見せる絶好のチャンスでは無いだろうか。

「基準値超えのキノコが検出されたならば、直ちに公開する姿勢」こそが、観光に訪れるお客様を心からおもてなしする姿勢の現れであると思う。

関係者に再考を強く願う。


R-DAN 佐久放射能測定室のBLOGより

■ 長野県への質問

http://www3.hp-ez.com/hp/r-dan/page13

2013年10月17日   厚生労働省から発表されている長野県の野生キノコのデータが長野県では公表されていないことについて、長野県にお聞きしました。

以下が長野県では公表されていないデータ(基準値超え3点含む)です。

長野県 南牧村 山林 非流通品 農産物 ハナイグチ 野生 長野県環境保全研究所 >  Ge H25.10.4採取 H25.10.10 検査 Cs-134<3.22        Cs-137 15.7q/kg > 合計16Bq/kg
長野県 南牧村 山林 非流通品 農産物 ハナイグチ 野生 長野県環境保全研究所 >  GeH25.10.4採取 H25.10.10検査  Cs-134 5.19Bq/kg Cs-137 16.1Bq/kg 合計 > 21Bq/kg
長野県 南牧村 山林 非流通品 農産物 ハナイグチ 野生 長野県環境保全研究所 >  GeH25.10.4採取 H25.10.10検査  Cs-134 2.95Bq/kg Cs-137 9.92Bq/kg 合計13Bq/kg
長野県 軽井沢町 山林 非流通品 農産物 ハナイグチ 野生 長野県環境保全研究所 Ge  H25.10.8採取 H25.10.11検査 Cs-134 126Bq/kg Cs-137 301Bq/kg  合計 > 430Bq/kg
長野県 御代田町 山林 非流通品 農産物 ショウゲンジ 野生 長野県環境保全研究所 Ge H25.10.8採取 H25.10.11検査 Cs-134 182Bq/kg Cs-137 563Bq/kg  合計 > 750Bq/kg
長野県 佐久市 山林 非流通品 農産物 チャナメツムタケ 野生 長野県環境保全研究所 Ge H25.10.8採取 H25.10.11 検査  Cs-134 517Bq/kg  Cs-137 1153Bq/kg  合 > 計1700Bq/kg 
(厚生労働省ホームページより抜粋)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11135000-Shokuhinanzenbu-Kanshianzenka/0000026124.pdf

■ 長野県からの回答

「長野県林務部信州の木振興課の  と申します。
特用林産物に関する放射性物質のモニタリング検査を担当していますので、  様 からのご質問にお答えいたします。

県のホームページに掲載したとおり、既に自粛を要請している市町村についても、 追跡調査を実施していますが、その検査結果は、本年度の野生きのこに係る全ての 検査が終了した後に公表することとしています。

このことについては、自粛を要請している市町村における検査の中で、基準値を超えない結果も出ており、公表することにより安全であるかのように県民の方が誤解し、野生きのこを採取する恐れがある等、混乱することも予想されるので、自粛要請している市町村の検査結果については即時に公表することを控えることといたしました。

また、検査終了後の公表日につきましては、野生きのこの発生が確実に終わる12月末に予定しています。

今後も、自粛を要請した市町村については、採取、出荷及び摂取の自粛について、周知の徹底を図り、県民の安全の確保を図って参りますので、これからもご理解とご協力をお願いいたします。
以上、ご質問にお答えいたしましたが、特用林産物に係ることで何かわからないこと がございましたら、以下へお問い合わせください。」

*******************************************
長野県林務部 信州の木振興課 経営普及係
担当 
〒380-8570
長野市大字南長野字幅下692-2
TEL 026-235-
FAX 026-235-
Email ringyo@pref.nagano.lg.jp
******************************************* 

追記 (2013.12.10)
本日、長野県HPにて公表されました。
平成25年度県内産きのこの放射性物質測定結果

追記 (2013.12.18)
本日、信濃毎日新聞の記事(33面)となりました。
「佐久のキノコ 基準値の29倍 佐久地方14検体でセシウム」
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/kinoko20131218.jpg

追記 (2013.12.20)
当初、「12月末」公表の予定としていた県の発表は、12月10日に県ホームページにて行われました。関係者のご尽力に感謝申しあげます。
来年度は、ぜひ厚生労働省への報告と同時に、県HP、新聞記事への同時掲載となるように願っております。

■まとめ
佐久からのキノコからCs:2900Bq/kg検出の件。
経過報告

○判明日 採取:平成25.11.17 、結果判明:H25.11.21
長野県環境保全研究所

○第一報 厚生労働省 平成25年11月22日 第773号
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000030212.html
No.2421 長野県産チャナメツムタケ(Cs:2900 Bq/kg)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11135000-Shokuhinanzenbu-Kanshianzenka/0000030755.pdf
ページ:76 of 84

○第二報 長野県HP 2013年12月10日
http://www.pref.nagano.lg.jp/ringyo/kurashi/shobo/genshiryoku/hoshasen/hoshase/h25kinoko.html

○第三報告 信濃毎日新聞 2013年12月18日

詳細
長野県がキノコの放射能検査結果を公表しない理由
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/11/post-a012.html

2013年9月18日 (水)

長野県上田市で脱水汚泥からから280Bq/kgの放射性ヨウ素131が出た

■要望書

長野県と上田市に提出した要望書
平成25年9月13日
下水汚泥から検出された放射性ヨウ素131に関する要望

① 放射性ヨウ素131が汚泥から検出された場合、その由来について県としてのコメントを測定結果の公表と同時に発表してください。

② 放射性ヨウ素131を治療に使っている放射線科がある病院がどこの終末処理場の管内にあるか、あらかじめリストアップして現状把握し、更に最新情報を更新し続けてください。

③ メガ(ギガ)ベクレル単位のヨウ素131を治療に用いている利用実績を調べ、汚泥から検出された放射性ヨウ素131が医療用だと考えられる場合は、県としてのコメントを公式に発表してください

(趣旨)
放射性ヨウ素131の半減期は8日であるのに、南部終末処理場(上田市下之条)の下水汚泥から放射性ヨウ素131が検出されたのはなぜでしょうか?
http://www.city.ueda.nagano.jp/hp/sys/20110520181634601.html
http://www.shinmai.co.jp/eastjapan_quake/2013/09/post-3254.php
(以下 省略) 要望書全文はこちらをご覧下さい。R-DAN佐久放射能測定室 ブログ記事

■回答書 上田市 (平成25年9月18日)

■回答書 長野県 (平成25年10月10日)

 

文書番号 25環政号外
回答日付 平成25年10月10日
件名   「下水汚泥から検出された放射性ヨウ素131に関する要望」について

  下水汚泥から検出された放射性ヨウ素は、現状では、排出者を特定することが困難であり、検出された場合に県から由来をコメントすることも困難であると考えております。
  また、放射性ヨウ素を取扱う病院のリストアップ等についてもご要望いただきましたが、放射性ヨウ素が検出された原因が特定できない以上、その必要性や有効 性に疑問があるため、県として実施する予定はありません。なお、病院に対しては、例年行っている医療法第25条に基づく立入検査等の機会を捉え、放射性物 質の管理に当たって適正を期すよう指導してまいります。
 一方、放射性ヨウ素が検出されたことにより、県民の中に不安や疑問を抱く方がいることにも十分考慮しなければなりません。
  放射性ヨウ素は、降下物や水道水、食品等からは検出されていないこと、また、福島第一原子力発電所周辺や他県での観測結果等から総合的に判断すると、原発 事故により放出されたものではないと考えられますので、そうしたことを県民に周知し、安心していただくよう努めてまいります。

参考:R-DAN

2013年5月27日 (月)

平成25年5月19日の信濃毎日新聞の記事について長野県に質問を出しました

Q:平成25年5月19日の信濃毎日新聞の記事の件
[アイメジャー信州放射能ラボ]

記事には以下の記載がありました。

見出し:原発事故による「風評被害」一区切り 反転うかがう県産牛

【長野県内には汚染した稲わらは流通していない。県の肉牛の全頭検査でも、2頭から基準値以下のセシウムを検出したが原発事故との関連は不明で、計1万5千頭以上が「不検出だ」】

新聞社に確認したところ、「原発事故との関連は不明」の判断は、「県への取材結果に基づいています。」とのことでした。(*2)

平成24年9月12日の新聞記事では、「同部(県農政部)は6月に実施した検査で、同じ公共牧場で採取した牧草から同28ベクレルのセシウムを検出しており、2頭が食べた牧草にセシウムがたまっていたとみている。」と報告されています。(*5)

以上から、「牧草にたまっていたセシウムは、原発事故との関連はあるか。」が確認事項となります。

まず、該当牛の確認です。
これは、平成24年7月12日に検出された2頭の牛肉のことだと思われます。(*1)
間違いないでしょうか。

また、この牛の放射性物質の濃度は以下の通りでした。
放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率は以下の通りです。

精密検査実施日  個体識別番号  品種       Cs-134     Cs-137   飼育地
24年7月12日   1010681296 黒毛和種  11(<3.7)   16(<4.1)  長野市

24年7月11日   1035897016 黒毛和種  15(<3.6)   24(<3.7)  長野市

福島第一原発事故由来の放射性セシウムなのか、大気圏核実験由来の放射性セシウムなのかは、放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率に注目することで、およその推定ができつつあると判断しています。(*3)

(1)7月12日の汚染牛は、牛肉のトレーサビリティー記録から、食肉処分前に公共牧場での飼育が確認されていること。(*4)

(2)放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率から、福島第一原発から放出された放射性物質であると推定されること。(*3)

(3)県の追跡調査により、公共牧場の牧草から38 28Bq/kgの放射性セシウムが検出されたこと。(*5)

以上から、「2頭から基準値以下のセシウムを検出したが原発事故との関連は不明」なのではなく、「2頭から基準値以下のセシウムを検出したが原発事故に由来する。」と理解しておりますが、県の判断はいかがでしょうか。

以上

(*1)
http://www.pref.nagano.lg.jp/nousei/tikusan/housyasei/seimitukensa.htm

(*2)信濃毎日新聞からの回答
---

メールをいただきました。弊紙をご愛読いただき、 ありがとうございます。
お問い合わせを頂いた19日付の県産牛の記事です が、県への取材結果に基づいています。
弊 紙では昨年7月13日付の記事で、長野市で飼育 されていた県産肉牛2頭からセシウム(国の基準値 以下)が検出されたことを報道しました。その続報 として、県の調査でこの2頭が長野市内の公共牧場 で放牧中に牧草を食べており、牧草からセシウムが 検出されたことを伝えました。
そのセシウムが自然界に由来するのか、原発事故と 関係するのか、などは特定されておらず不明です。
信濃毎日新聞編集応答室
---

(*3) http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html

(*4) http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/07/post-7107.html

(*5) http://www.shinmai.co.jp/eastjapan_quake/2012/09/post-2442.php
「同部は6月に実施した検査で、同じ公共牧場で採取した牧草から同28ベクレルのセシウムを検出しており、2頭が食べた牧草にセシウムがたまっていたとみている。」

(修正履歴)
2013.6.11 公共牧場の牧草から38 28Bq/kgの放射性セシウム

2013年3月 8日 (金)

朝日新聞 2013.3.6 長野県版に一ノ瀬代表のインタビュー記事が掲載されました。

朝日新聞 2013.3.6 長野県版に一ノ瀬代表のインタビュー記事が掲載されました。

朝日新聞2013.3.6(第2長野地方面)第26面

「きょういく長野」の欄にアイメジャー信州放射能ラボ 一ノ瀬修一代表へのインタビュー記事が掲載されました。

記事は、今年度から中学校の理科で、放射線の学習が約30年ぶりに復活したことを受けて、ほぼ1面に渡って放射線教育に取り組む先生方を取材した様子が記事として掲載されています。

その中で、アイメジャー信州放射能ラボの一ノ瀬代表へのインタビュー記事として掲載されてた内容は以下の通りです。

農作物や加工食品の放射能検査を業務とする「アイメジャー信州放射能ラボ」(塩尻市)の一ノ瀬修一代表は、中学の理科の先生たちのグループや県内外の高校、地域の集まりなどで講師を務めることが多い。
講習では、測定機器の現物を見せ、実際に食品の放射能を測ることによって、目に見えない物の特性を知ってもらう。

学校現場での教育に求めることは、「自分の身を守るためにはどうしたらいいか、という点に尽きる」と指摘する。

「むやみに恐れる必要はないが、100%安心と無関心になるのもどうか。入ってきた情報を自分でそしゃくして取り込む『情報リテラシー』が重要で、自分なりに判断する力を持てないと身を守れない。だから、理科の学習というよりも、自発的な動機づけをもとに知りたいことを学んでいく総合的な学習に近い。そう意識づけてほしい」
と、学校現場に期待する。

2012年7月13日 (金)

肉牛の放射性物質全頭検査に係る精密検査結果

肉牛の放射性物質全頭検査に係る精密検査結果
http://www.pref.nagano.lg.jp/nousei/tikusan/housyasei/seimitukensa.htm
7月12日 長野県園芸畜産課
○精密検査の結果
精密検査実施日 個体識別番号 品種 Cs-134 Cs-137 飼育地
24年7月12日 1010681296 黒毛和種 11(<3.7) 16(<4.1) 長野市
24年7月11日 1035897016 黒毛和種 15(<3.6) 24(<3.7) 長野市


【その後】(H24.7.27追記)

トレーサビリティー情報を当日見たときには、殆ど情報が掲載されていなかった。(出生と、肉にした場所のみ)、先ほど改めて見たら情報が増えていました。
独立行政法人 家畜改良センター

https://www.id.nlbc.go.jp/top.html
個体識別番号

1035897016
発表時よりも、情報が増えている。
H23.3.11以降は長野県 記載有る場所では、戸隠牧場。

1010681296
こちらも同様。
H23.3.11以降は長野県 記載有る場所では、戸隠牧場。
※トップページ:

https://www.id.nlbc.go.jp/top.html

から検索をかけないとうまく動作しないときがあります。


【その後2】(H24.9.13追記)

記事 2012年9月12日掲載

肉牛から7月検出のセシウム 長野の牧草が原因の可能性

県産肉牛の全頭検査で7月、長野市で飼育されていた2頭の牛の肉から最大で1キログラム当たり39ベクレルの放射性セシウムを検出したことについて、食肉 処理の直前に放牧されていた同市内の公共牧場の牧草が原因だった可能性が高いことが11日、県農政部の調査で分かった。同部は6月に実施した検査で、同じ 公共牧場で採取した牧草から同28ベクレルのセシウムを検出しており、2頭が食べた牧草にセシウムがたまっていたとみている。

2012年6月19日 (火)

長野県内の汚染モニター 新聞記事より

長野県内の放射性物質の汚染状況について逐次掲載します。

情報源:信濃毎日新聞

発信方法:dropboxのpublicフォルダに置いた .xlsファイル。

場所:
https://dl.dropbox.com/u/37232669/_drbx_public_iSHL_/blog_used/cs137_cs134_i131_nagano_pref.xls

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/nagano_cs.jpg

(平成24年 11月25日現在、11月15日分のメモまで入力済みです。全ての新聞記事のデータを入力出来ていませんので悪しからず。)

■追記:
(2012.11.25)
I-131が検出された場所(I-131濃度)(新聞報道年月日)
N:佐久平環境衛生センター(47)(H24.6.9)
A5:犀川安曇野流域下水道終末処理場(36)(H24.9.22)
I:長野市清掃センター(44)(H24.11.13)



2カ所不可解な結果がある。

[1]放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率が理論値に合わないばかりでなく、逆転している。
H24.6.2
333(Cs-134:178/Cs-137:155)
上田市上田終末処理場
Cs-134/Cs-137=114.8%, 理論値6/1にて68,4%(CalcCs.exe)逆転している。Geだが、Cs-134は別の核種(Ac-228)を誤認識している可能性高い。(%1)

[2]I-131が検出されている。
H24.6.9
I-131:47, Cs-134:88, Cs-137:88
測定者:東京都内の測定機関。
放射性ヨウ素131の半減期は8日。測定日(6/8)にて、H21.3.15から451日経過(%2)。

・補足情報
横浜のA氏より関連情報を頂きました。リンクを貼っておきます。
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/water/pdf/sokuteikekka_20110829.pdf
平成23年8月29日 長崎市上下水道局
「今回検出された脱水汚泥中の放射性ヨウ素については、有識者の意見等を参考にすると、放射性セシウムが検出されていないことから、福島第1原発事故の影響によるものではなく、医療目的に使用した放射性ヨウ素が患者の方から排出されたことが原因ではないかと考えております。」


%1)ゲルマの落とし穴
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/06/post-89aa.html
%2) セシウム減衰量計算機
http://www.kani.com/ycrms/CalcCs/

2012年6月 1日 (金)

シイタケにおける 放射性セシウム 134と137の存在比

<< 放射性物質検査結果 >>
○主体:長野県
○検査所:長野県環境保全研究所(長野市)
○検体:長野県小川村で5/9, 5/16に採取した原木シイタケ
○結果:原木シイタケ(小川村):Cs-134 3.2, Cs-137 10 Bq/kg
○出典:2012.5.19信濃毎日新聞

(ichinose memo:)

この、Cs-137の濃度 10Bq/kgに対して、ゲルマニウムで、Cs-134が3.2であったという事実は、検証すべき結果だ。

放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率

からわかるとおり、2012-5-17に検査したと仮定すると、
http://www.kani.com/ycrms/CalcCs/ より
Cs-137:Cs-134= 1:0.693 となる。
よって、 10 Bq/kg : 6.93 Bq/kgとなる。
しかし、測定結果は、3.2 Bq/kgだった。
・・
Cs-134は半減期が2年であり、チェルノブイリや、1960年代の大気圏核実験の影響で残留しているとしても、検出は不可能だ。
従って、Cs-134:3.2Bq/kgは福島由来であると推定される。
逆算すると、Cs-137(福島由来推定値)= 3.2/0.693= 4.6 Bq/kg
以上から、10 - 4.6 Bq/kg = 5.4 Bq/kg が由来不明となるため、これが、311以前からの影響分であると推定される。

・・
<推定>
311以前の土壌の放射能濃度より、畑での放射性セシウム137の全国15カ所平均値が、6.4Bq/kg(2010)である(%1)。シイタケなどのキノコ類は、ほぼこの土壌の放射性セシウム濃度値を反映しているのでは、という推定が成り立つ。

■関連記事

%1)311前の土壌のCs137濃度

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/03/311.html

塩尻市で4/18日採取したハウス栽培の原木シイタケからCs-137のみキログラムあたり 2.7ベクレル検出
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/cat23105664/index.html

2012年4月21日 (土)

焼却灰に含まれる放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率を検証する

報道される焼却灰の放射性セシウムの濃度について Cs−134とCs−137の比率をチェックしてみました。

脱水汚泥、焼却灰他の放射能測定について
東部浄化センター 長野市大豆島4330

日付, Cs-134, Cs-137 [Bq/kg]
2011.5.19,947,1040
2011.7.20,280,360
2011.8.31,250,240
2011.9.28,121,145
2011.10.5,94,130
2011.10.12,88,100
2011.10.26,63,91
2011.11.7,51,60
2011.11.14,67,91
2011.11.25,77,93
2011.12.13,70,91
2012.1.4,69,88
2012.1.16,<50,61
2012.3.19,71,83
測定値出典:
http://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/gesisetu/23277.html

計算値:

放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html

追記:
2012-10-9 最新情報 Update

http://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/gesisetu/61644.html

塩尻市で4/18日採取したハウス栽培の原木シイタケからCs-137のみキログラムあたり 2.7ベクレル検出

<< 放射性物質検査結果 >>
○主体:長野県林務部
○検査所:長野県環境保全研究所(長野市)
○検体:塩尻市で4/18日採取したハウス栽培の原木シイタケ
○結果:原木シイタケ(塩尻市):Cs-134 ND, Cs-137 2.7 Bq/kg
[規格基準:< 50Bq/kg(乳児)、< 100 Bq/kg(他),食品放射性セシウム合算値,H24.4.1~]
○出典:2012.4.21信濃毎日新聞33面

(ichinose memo:)

この、Cs-137の濃度 2.7Bq/kgに対して、ゲルマニウムで、Cs-134が検出されなかったという事実は、検証すべき結果だ。

放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率

からわかるとおり、2012-4-18採取、4-19に検査したと仮定すると、
http://www.kani.com/ycrms/CalcCs/ より
Cs-137:Cs-134= 1:0.7088 となる。
よって、 2.7 Bq/kg : 1.89 Bq/kgとなる。
これは、ゲルマニウムで十分検出できる量だ。
しかし、NDだった。
つまり、長野県の検査結果が正しいと仮定すると、このキノコに入っている放射性セシウム137は、東京電力福島第一原子力発電所以外から「も」来ている、と推定される。

{記事修正履歴}
・2012-6-1

正2.7 Bq/kg : 1.89 Bq/kg

誤2.7g/kg : 1.89g/kg