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FAQ よくある質問

2014年10月17日 (金)

[放射能] Q どのような食材に気を付けるべきか?

[放射能]
Q どのような食材が汚染されているのか?
  
  どのような食材に気を付けるべきか?

A 日本全国の各自治体が食品に含まれる放射性物質(放射性セシウム)濃度を計測した結果をまとめた、厚生労働省のダイジェストが公開されています。ただし、膨大な量のデータであり、これらを普段から目を通すことは困難です。ボランティア活動の中には、これらのデータに目を通して発信して下さっているメールマガジンや、約3ヶ月毎に高い値を示した食材の産地と最大値のみをまとめて公開して下さっているブログが存在します。

また、分かりやすくまとめた書籍が有ります。


今回はそれらをご紹介します。

■元のデータはこちらです。
厚生労働省 報道発表資料

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/index.html

■書籍

ちだい 著

食べる?-食品セシウム測定データ745

http://amzn.to/1gjAzRo

手っ取り早いのは、やはり書籍ですよね。全国各地の自治体が食品放射能測定器を使って計測した結果を当時は、日報ダイジェストとして厚生労働省が「毎日」公表速報していました。この本は、その厚生労働省のデータを使って気を付けるべき食材を一覧にしています。やはり基本的な確認をする上で、書籍になっている点はありがたいことです。

■データベース

パーソナルコンピュータをお持ちの方は、是非一度、以下の3つのURLを訪れて、いろいろと思いついた食材などを検索してみてください。

[1]食品中の放射性物質検査データ
http://www.radioactivity-db.info/

[2]三重大学 奥村研究室
https://oku.edu.mie-u.ac.jp/food/

[3]みんなのデータサイト:
http://www.minnanods.net/

[1]は、最新データも含めて整備されています。
[2]は、H26.3.31までのデータで終了しました。更新を既に終えています。

でも、[2]は、非常に検索が早く、またスマホからも気軽に使えます。
更に、不検出と、検出、>100 Bq/kgなどの、放射能値を使った絞り込みが簡単にできる点がなんとも便利でお奨めです。
基本的にどんな食材がどのくらいの値を過去出していたのかをざっと見るにはとても貴重なデータベースです。

[3]みんなのデータサイト

市民測定所のデータベース

震災後、食品放射能を計測するために市民測定所が全国に急速に立ち上がりました。自発的に計測を始めた食材の測定結果を一つのデータベースにまとめる作業が完了し、使いやすく更新がなされ続けています。
厚生労働省のデータは、基本的に地方自治体のデータの転載であり、地方自治体が検出下限値を何処まで追い込むのかは、スクリーニングのルール(25Bq/kg以上を検出する検査体制で、検出されたらゲルマニウム半導体検出器で精査すること。)に沿えば良しとする自治体もあれば、1Bq/kg相当まで測定し、検出されれば公表する姿勢を貫く自治体も有ります。

その点、市民測定所の測定は、計測時間をかけて出来る限り低い値まで検出下限値を下げて計測したり、季節毎、実際に食卓に載る旬な食材に注目するなど、生活に密着した消費者目線の食材(検体)の選択や調理方法による変化を調べたりした測定値が盛りだくさんです。

ぜひこちらも注目してみてください。

■メールマガジン:


「マダムトモコの厚労日報ダイジェスト」

http://setagaya-kodomomamoru.jimdo.com/マダムトモコの-厚労省日報ダイジェスト/

簡易URL

http://bit.ly/1HpG6ow

■BLOG

・高い値を示した食材の産地と最大値のみをまとめて公開しているブログ:

「「たけのこ幼稚園*放射線測定室」のブログ」

http://ameblo.jp/takenoko-kids/entry-11937543004.html

参考)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/csijnewsletter_026_hori_20140818.pdf
『市民研通信』第26号 通巻172号 2014年8月
「4年目のごはんのはなし」堀ともこ(世田谷こども守る会)
※厚生労働省報道発表の全データを見つづけた担当者が語る汚染食材留意点のまとめ8ページ。必見。

[記事履歴]

2016-4-28 記事のレイアウトを変更。書籍の項目を追記。

2013年12月24日 (火)

[解説] 土壌の放射性セシウムの濃度測定結果の見方

土壌の放射性セシウムの濃度測定結果の見方

ゲルマニウム半導体検出器を用いて土壌の放射性セシウム濃度を調べ、放射性セシウムが検出された場合の補足説明です。

まず、放射性セシウムは、自然には存在しません。人工物です。
ですので、放射性セシウムが検出された場合、原子力爆弾か原子力発電所事故などの「原子核反応」由来です。

2011年3月、東京電力福島第一原子力発電所から、広島原爆の168倍相当、重量にして4.7kg相当の放射性セシウム137がメルトダウンした原子力発電所の炉心から大気環境に放出されました。

同時に放射性セシウム134が放出されたことで、放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率は、福島第一原発事故由来の放射性セシウムかどうかを判定する「指紋」替わりになることが判っています。
放射性セシウム134の半減期と放射性セシウム137の半減期は異なるため、放射能測定をした日付毎にこの比率の理論値が異なります。

放射性セシウム137は、福島第一原発事故以前にも、1960年代初頭の大気圏核実験による影響が依然として日本全国に色濃く残っています。

ですので、放射性セシウム137と、放射性セシウム134の濃度に注目すると、次のようなことが判ります。

以下、放射性セシウム134をCs-134で略記します。
同様に、放射性セシウム137をCs-137で略記します。

1.Cs-134とCs-137の両方が検出されて、理論通りの比率であれば、殆ど全てが東京電力福島第一原発事故由来であると考えられる。

2.Cs-134とCs-137の両方が検出されて、理論値よりも、Cs-137が多い場合、大気圏核実験由来 + 東京電力福島第一原発事故 の混合状態である場合も考えられる。

3.Cs-137が出た場合であっても、所定の比率のCs-134が検出されなければ、検出されたCs-137は、大半が大気圏核実験由来である可能性が高い。

■応用事例 その1
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/01/post-779d.html

この土壌の事例は、上記の1.に相当します。
「土壌は、大気圏核実験(1960年代)より後に、平坦にするために山を崩した土であるとの情報」
があり、ほぼ全てが福島第一原発事故由来であろうとする、この推測が正しいことが補強されます。

[参照]
放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html

311前の土壌のCs137濃度
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/03/311.html

2013年8月28日 (水)

大地に降下した放射性セシウム起因のベクレルからシーベルトへの変換式

Q:
大地に降下した放射性セシウム起因のベクレルからシーベルトへの変換式:
[ 27.6KBq/m^2 で、0.1μSvh上昇 ](注1)
は、その後のCs-134やCs-137の減衰を考慮すると現時点での関係式はどうになりますか?

A:
Bq→μSv/h は、アイソトープ手帳にもある
1cm線量当量率定数 [(μSv/h)/(MBq・m^2)]
Cs-137 : 0.0927
Cs-134 : 0.249
で決まります。

Cs合算での1cm線量当量率定数は、
1:1ならば、
0.0927*1/2 + 0.249*1/2=0.17

現在、この比率は、0.4639ですので、(注2)
1:0.46ならば
0.0927*1/1.46 + 0.249*0.5/1.46=0.142

0.17/0.142=1.20
20%くらいです。

だから、式を補正するとすれば、
[ 27.6KBq/m^2 で、0.1μSv/h上昇 ]
1.20補正して

[ 33.2KBq/m^2 で、0.1μSv/h上昇 ]

でしょうか。

関連記事:
(注1)
放射性セシウム 425 Bq/kg の土壌汚染で空間線量率は、0.1μSv/h上昇する。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/05/425-bqkg-svh-81.html
(注2)
放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html

正確には、2011.3.15に、Cs-137 : Cs-134を1:1と仮定すると、
本日(2013.8.28)は、1 : 0.4639
http://www.kani.com/ycrms/CalcCsWeb/calcDay.html


(記事修正履歴)
2013.9.4 Cs-134/Cs-137比を約0.5ではなく0.4639(2013.8.28時点)で計算。

2013年6月27日 (木)

井戸水の核種一覧表の見方

井戸水の核種一覧表の見方

まず、弊社blog記事:
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/08/post-ca76.html
に記載しました通り、

右から3列目、測定下限値(Bq/kg)と、
右から5列目の放射能(Bq/kg)を観較べてください。
放射能 > 測定下限値
である場合は、その核種に注目してください。
「放射能値が、測定下限値よりも大きい場合は注目する。」

放射能 < 測定下限値
の場合は、無視してください。
装置としては、検出されなかった「不検出」という判断となります。

例えば、

放射能 > 測定下限値

に該当する核種は、
Pb-214
Bi-214
K-40
が有ります。

K-40(カリウム40)は、天然に存在します。農作物の養分3要素、窒素、リン酸、カリの「カリ」に相当し土壌に存在します。測定精度の問題もありますが、井戸水からも常に検出されています。

Pb-214(鉛214)と、Bi-214(ビスマス214)は、ウラン系列に属し、ラドンガス由来と推定されます。
いわゆる「ラドン温泉」などで有名な地域では比較的高濃度に検出されます。
天候などにも因るので、今後の変動を見守っていきたいと想います。

2013年4月15日 (月)

Cs-137は、土壌から農作物へどの程度移るのか

土壌の放射性セシウムの濃度を計測した後、次に問題になるのは、土中の放射性セシウムが農作物にどの程度移るのか、です。

土壌の放射性物質が、その土壌で作られた農作物にどの程度移行するのかを表す指数を「移行係数」と呼びます。

農作物中の放射性物質濃度[Bq/kg]

= [移行係数]x 土壌の放射性物質濃度[Bq/kg]

※土壌は乾燥土壌です。湿った土で計測した値は、乾燥後更に高い値になります。

農林水産省は、ホームページにて、既存の論文の値を整理して一覧表にしています。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/110527.html

葉菜類 ホウレンソウ、カラシナ、キャベツ、ハクサイ、レタス
果菜類 カボチャ、キュウリ、メロン、トマト
果実的野菜 イチゴ
マメ類 ソラマメ
鱗茎類 タマネギ、ネギ
根菜類 ダイコン、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ
詳しくは、下記pdfをご覧下さい。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/pdf/110527-01.pdf

2012年8月 8日 (水)

核種一覧表の見方

 

 

( 核種一覧表の参考表を開く → お問合せください。 )

[お知らせ]
ゲルマニウム半導体検出器を使った放射能測定を申込み頂いたお客様(法人・事業主様、一般家庭向け、いずれも)に、光子エネルギースペクトルと核種一覧表をお送りしています。
(Q4:測定結果はどのようなかたちで報告してもらえますか?)

もし、お客様がMicrosoft Excelファイルを開くPC環境をお持ちでしたら、核種一覧表の元ファイル(.xls)をお送りします。注文時に予めご指示ください。

■はじめに
 アイメジャー信州放射能ラボでは、可能な限り測定結果に関する子細技術情報を公開する基本姿勢をもっております。特に高額なゲルマニウム半導体検出器をご利用頂いたお客様には、スペクトルデータや核種一覧表など、測定装置が自動的に出力する書式をそのままお客様にもお届けしています。
 しかし、核種一覧表は時に、注目していた放射性セシウムや放射性ヨウ素だけでなく、今まで見聞きしなかった核種をも検出する時もございます。弊社ではそのような場合でも、「自分で測って、自分で判断する」姿勢のお客様を支援すべく、情報を積極的にお伝えして行きます。
 そのために、公開情報につきましてきめ細かな解説を充実していく所存です。不明な点ございましたら、お気軽にお問い合せください。
また、公式ホームページの「良くあるご質問」にもぜひ一度目をお通ししてみてください。
FAQ 良くあるご質問
https://www.imeasure.jp/qa.html

 

■核種一覧表の見方

 

・一番右から2列目の[生成反応]の列でまず大きく分類されています。
【特性X線】【トリウム系列】【ウラン系列】【天然】などがございます。
・右から3列目、測定下限値(Bq/kg)と、右から5列目の放射能(Bq/kg)を観較べてください。

 

   放射能 > 測定下限値

 

である場合は、その核種に注目してください。
・もし、放射能 < 測定下限値 である場合は、確定した検出とは判断できません。

 

■生成反応(核種一覧の右から二列目)による分類

 

【特性X線】<装置の特性です>
核種:Pb-X
ゲルマニウム半導体検出器の装置にて、地面や宇宙からセンサに入る放射線(ガンマ線)からセンサを遮蔽するために、鉛の厚板でセンサを囲い遮蔽します。
この鉛に、検体から出たガンマ線が当たった場合、鉛から「特性X線」が出ます。
装置の構造由来です。

 

【トリウム系列】<天然由来です>
核種:Ac-228、Ra-224、Pb-212、Tl-208、 Bi-212
トリウム(Th-232)由来の核種です。%1)

 

【ウラン系列】<天然由来です>
核種:Ra-226、Pb-214、Bi-214
ウラン(U-238)由来の核種です。%2)
ラドン温泉のガスRn-222は、このウラン系列の一部です。

 

【天然】
核種:K-40
地球創世期から存在する放射性物質です。

 

【陽電子対消滅】
核種:?0

 

これは、「陽電子対消滅」という現象の際に発生する511keVガンマ線です。
この世から電子が消滅する際に電子質量に相当するエネルギー(e=mc^2)が、光(ガンマ線)となって放出されます。(%3)
ちなみに、医療機関で使用するPET(陽電子放射断層撮影)は、F-18という核種を使い、この511keVガンマ線により画像化しています。

 

【その他】
・土壌中に、以下の核種が検出されることがございます。由来は現在調査中です。

Cd-109 88.0 keV → Bi-X 87.3 keV (Pb-X同様に、Biから放出されるX線と推定します。(%4)

 

・同じくごく微量(1Bq/kg前後)ですが土壌中に、以下の核種が検出されることがございます。由来は現在調査中です。

 


Y-88

 

【重複表示される核種】
・測定装置によって重複表示される核種に以下が有ります。

 

光子エネルギー:重複表示された核種→正しいと推定される核種

 

242.0keV :Ra-224(241.0keV)→Pb-214

 

338.0keV :Cs-136(340.5keV)→Ac-228

 

463.0keV :Te-129(460.0keV)→Ac-228

 

511.0keV :Sr-85(514keV)→?0  電子対消滅

 

768.0keV :Nb-95(766.0keV)→Bi-214

 

965.0keV :Ac-228(969.0keV)→Ac-228

 

※これらの重複核種は、光子エネルギースペクトルが互いに近傍にある核種です。

 

 

測定装置は、一意的に核種を決定できないために、2種類の核種を提示し、核種判定を使用者に委ねています。上記の右側(→の右)に有る核種が正しい核種であると弊社では推定しております。

【誤判定される核種】
88.0 keV : Cd-109 → Bi-X (87.3 keV)
(Pb-X同様に、Biから放出されるX線と推定します。(%4))

 

141.0 keV : Mo-99 → Ge-75m (139.68 keV) ※装置由来。

 

141.0 keV : Tc-99 → Ge-75m (139.68 keV) ※装置由来。
563.0 keV:Cs-134 → Ac-228 ( Cs-134 NDの場合に限る)

 

796.0 keV:Cs-134 → Ac-228 ( Cs-134 NDの場合に限る)
詳細は、
放射性セシウム134の光子エネルギースペクトル をご覧下さい。

 

【判定ソフトウェアが核種判定しない核種】

※最新データは一覧表をご覧ください。(→お問合せください。)

光子エネルギー[keV]:核種/放出割合 [%]
77.11 keV : Bi-X (Kα1, 77.108 keV) ※土壌などBi-214がある場合。(%4)

 

87.34 keV : Bi-X (Kβ1, 87.343 keV)※土壌などBi-214がある場合。(%4)

 

89.9 keV : Th-231

 

92.80 keV : Th-234/5.4 (※ウラン系列。土壌などで、Bi-214も出る。)(%4)

 

99.51 keV : Ac-228/1.26

 

129.1 keV : Ac-228/2.42

 

143.8 keV : U-235/11.1 (※アクチニウム系列)

 

328.0 keV  : Ac-228 /2.95

 

 

 

409.5 keV : Ac-228 /1.92

 

477.6 keV : Be-7

 

727.3keV : Bi-212  /6.58(※)

 

830.4 keV : Ac-228 /0.54

 

934.1keV : Bi-214 /3.03

 

※最新ソフトウェアにて核種対応致しました。(2013-4-12)

 

以上

%1)トリウム系列、ウラン系列について詳細は、

 

 

http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/main_pdf_series_6.html
の75,77ページをご覧下さい。

 

%2)iSHL実験報告:空気に漂うラドン222を捕らえる
トリウム系列のラドンガス由来の核種、Pb-214、Bi-214の話題です。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/07/ishl-433e.html

 

%3)電子対消滅
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/06/post-f28b.html

%4)No.7 ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/lib/No7-5.pdf


参考)
放射性セシウム134の光子エネルギースペクトル

 

 

土壌放射能測定 605keVに出ないのに796keVに出るCs-134とは?
644keVに現れる不明な核種 Bi-214のシングルエスケープ
796keVでCs-134を定量するNaIシンチは、Ac-228(795keV)の影響を受ける。
ゲルマの落とし穴 その3 Co-60
ゲルマの落とし穴 その2 Sr-85

 

■記事修正履歴
2012-8-24 複数の核種(Cd-109、Cs-136、Y-88、Nb-95)を追加しました。2012-12-25 【重複表示される核種】を追記しました。
2013-4-5 Bi-212の光子エネルギー 727keV を追記しました。
2013-5-29 参考)にblog記事を追加。
2013-9-9 Bi-X, Th-234, U-235を追記しました。
2013-9-9 参考文献に(%4) No.7 ゲルマニウム半導体...を追記しました。
2013-10-29 89.9keV, 129.1keVを追記。
2014-4-25 【誤判定される核種】にGe-75mを追記。
2014-4-25 【判定ソフトウェアが核種判定しない核種】にBe-7を追記。
2014-4-25 【判定ソフトウェアが核種判定しない核種】にAc-228 830.4keVを追記。

 

2016-5-9 【判定ソフトウェアが核種判定しない核種】に99.51 keV : Ac-228/1.26を追記。

2012年7月26日 (木)

放射能測定証明書 発行有りと発行無しの違いは? 〜 企業・事業主様への提案

放射能測定証明書 発行有りと発行無しの違いは?
〜 企業・事業主様への提案 〜

弊社の料金表をご覧になって、「証明書発行するかどうかだけで、何故こんなにも金額が異なるのか?」疑問に思われる方もおられるでしょう。

一目でわかる放射能測定価格表
※この表にございますキャンペーン(〜2012/7/13)は既に終了しました。

一般家庭向け料金表
https://www.imeasure.jp/?page_id=427#price

企業・事業主様向け料金表
https://www.imeasure.jp/?page_id=427#price2

一般家庭の皆様にとっては、例えば毎日食べるお米の放射能値がどのくらいなのか、「値を知ること」が第1の目的だと思います。(%1)

これに対して、食品や食材を製造、加工、販売されている企業や事業主様の立場からは、
(1)販売先のお客様からの問い合わせや、質問に答えるための知識が必要。
(2)測定結果について、安定した精度と信頼性を確保しなければならない。
(3)測定結果について、品質管理の観点から、変動要因を分析するための解析力が必要。
などの課題が上げられます。
一定規模の企業であれば、高額なゲルマニウム半導体検出器を導入し、専任のオペレータを付けることも可能でしょう。しかし、そこまで投資ができない企業にとって、今回の放射能汚染は、悩ましい問題です。


そこで、例えば、
a.『弊社は、出荷する商品の放射能検査を実施しています。』と自社ホームページ等で明示する。
b.『詳細は、弊社が放射能検査を委託している[ ○○○放射能測定所 ]にお問い合せください。』
と記載することができたらどうでしょうか。
商品の放射能検査を外部委託するだけでなく、上述した、お客様からの問い合わせや、放射能測定に関連する業務を丸ごと委託することが可能となります。
信州放射能ラボは、こうしたお客様のご要望に対応するために、法人・事業主様向けのサービスを整備しております。

■法人・事業主向けサービスの具体例

[1] ロゴの使用権利(標準)

まず、その代表が、会社のロゴです。

契約頂いた法人様のホームページ向けに、このロゴを貸し出します。
貼り付けたロゴは、弊社公式ホームページにリンクされ、ロゴをクリックすると
imeasure.jp
に飛ぶようにご利用頂く権利を持つことができます。
年間会員、もしくは特別会員の法人・事業主様は、無料でロゴの利用が可能となります。

○ロゴ配置事例:(iSHLのロゴをクリックしてみてください。)

[2]トレーサビリティーサービス(オプション)

また、測定検体毎に2次元バーコードを発生し、検体毎に固有のURLページにお客様を誘導し、個別の測定結果を表示する「トレーサビリティーサービス」も整備しております。(トレーサビリティーサービスは、追加費用が発生します。)
詳しくはお問い合せください。


・・・
アイメジャー株式会社 信州放射能ラボは、安心で、信頼のおける食材を提供する法人や事業主様を全面的にサポート致します。
ぜひお声がけください。

%1)一般家庭向けの料金設定について
弊社では開所当初から、他社が、NaI(Tl)シンチレーション式の食品放射能測定器で検出限界、20Bq/kgを¥3,000〜7,000(税別)で受託していた状況で、
1 Bq/kg(1.645σ)を5000円で受託するサービスから始めました。
理由は、一般家庭の目的は、商売(外販のための証明書)ではなく、「毎日子どもが食べる米(や水や牛乳)が安全なのか、まず知りたい。」という切なる想いを感じたからです。
この度、弊社では、たくさんの共感して下さる協賛者を得て、ゲルマニウム半導体検出器を導入することができました。
1核種あたり、1Bq/kg、3σ、の現在の相場は、民間で1.2〜2万円でしょうか。私の知る最も安価な所は、市民測定所(CRMS福島)で、¥6,500-です。
弊社では、一般家庭の皆様には、8,000円で「ゲルマニウム半導体検出器を用いた」放射能の測定を請け負います。
スペクトルや核種一覧表もお付けします。

Q4:測定結果はどのようなかたちで報告してもらえますか?

どうぞ、ご検討ください。

(修正履歴)
2013.7.3 「リアルタイムモニタリングサービス(標準)」は終了しました。
2013.7.3 一般家庭向け料金表、企業・事業主様向け料金表のリンク先をpdfからWebPageに修正。
2013.7.3 「ロゴ配置事例」を追加。

2012年7月20日 (金)

Q:ゲルマニウム半導体検出器で測ったらスペクトルデータは頂けるの?

みなさんからのお問い合せを集約して、公式ホームページに
FAQ(良くあるご質問)を整備し続けています。

Q5:標準コースと高品位コースの違いはなんですか?
また、測定はどの装置を使い、測定にはどの位時間がかかりますか?

https://www.imeasure.jp/?page_id=1016#q5

標準コース:検出限界14Bq/kg(判定3σ)で15分です。
高品位コース:検出限界1Bq/kg(判定1.645σ)で10時間です。
高品位Geコース:検出限界1Bq/kg(判定3σ)で2時間です。

使用する放射能測定装置:
→標準コース:LaBr3シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ
高品位コース:LaBr3シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ
高品位Geコース:ゲルマニウム半導体検出器

最近、多くなってきた問いあわせが、ゲルマニウム半導体検出器を使って測定する場合、どのような報告をもらえるのか? です。

Q4:測定結果はどのようなかたちで報告してもらえますか?
https://www.imeasure.jp/?page_id=1016#q4

現在は、上記FAQ Q4の回答にも有りますとおり。
(1)Cs-134,Cs-137近傍の光子エネルギースペクトル
(2)核種一覧表
の2点を標準添付致します。

(放射能測定結果証明書発行無しの)一般家庭、(証明書有りの)企業・事業主様共通です。ゲルマニウム半導体検出器を用いて測定した場合に、装置から自動的に出力されるファイルです。

Cs-134,Cs-137近傍の光子エネルギースペクトルは、例えば、662keV近傍の山が有意に検出されると赤く表示され、放射能値が現れますが、検出限界以下であっても、わずかに山が出始める場合があります。そのような微妙な結果もスペクトルを判別することで、考察が進みます。

また、核種一覧表は、装置が出力するデータファイルは、もともとマイクロソフトのエクセルファイル形式(.xls)です。数値解析に用いる予定の方で、ご要望があれば、.xlsファイル形式のままお送りします。放射能測定をご注文頂く際に、予めご指示ください。統計的に測定結果を解析する際に非常に有効です。

更に、証明書発行をご指定される法人・事業主様向けには、装置が出力する全スペクトルデータ(チャンネル毎のカウント値)を、ご希望に応じて、提供致します(追加料金はありません)。
また、ゲルマニウム半導体検出器が放射能定量計算に用いた、バックグランドデータも、ご希望に応じて、提供致します。

弊社の基本的な姿勢は、「お客様自らが、放射能測定結果に対して、独立して考察、判断できるようにする」ためのご支援をさせて頂く。という企業としての姿勢です。

もちろん、繰り返し再現性の高い、放射能測定結果を、常時安定して、ご提供できるように、これからも研鑚とメンテナンスを進めて参ります。

ぜひ、弊社の下記2つのコース
 ・「高品位Ge」コース
 ・「サブベクレル」コース

をご利用ください。

詳しくは、下記ページの資料を参照ください。

アイメジャー信州放射能ラボ
https://www.imeasure.jp/?page_id=427

一般家庭向け料金表 資料ダウンロード(PDF)
https://www.imeasure.jp/wp-content/uploads/iSHL_price_home.pdf

企業・事業主様向け料金表 資料ダウンロード(PDF) https://www.imeasure.jp/wp-content/uploads/iSHL_price_campany.pdf

(2012.7.20,一ノ瀬)

2012年7月18日 (水)

放射能測定のための土壌のサンプリング方法(暫定案)

このblog記事では、乾燥した土壌のサンプリングを推奨していますが、以下の文書では、採取した土壌の半分を、後で、「乾土率を測定するため」に取っておき、試料は乾燥せずに測定する方法を提唱しています。
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/lib/No24.pdf
緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリーのための試料前処理法
11章土壌 page36
11.2試料搬入時の注意点
(2)200g以上の表層土壌を用意する。
11.3試料の前処理方法
(3)湿土のまま、約100gを小型容器に入れる。残り100gは、乾土率を測定するため、そのまま保存する。

■土壌のサンプリング方法

(1)直径Φ14cmx深さ10cm をえぐり取ります。
→これで1.5リットル程度(1539cc)となります。

※所定の円を描き、その円に沿って、垂直方向にえぐり取ります。
 所定の円(面積)を守ることで、測定結果から、2つの単位の放射能値を得ることができます。
 ○ 放射能密度 Bq/m^2
 ○ 放射能濃度 Bq/kg
※もし、土壌サンプリングを行う際の面積が不明な場合、以下の計算で凡その放射能密度を得ることができます。
※一般的に、土壌の比重を1.3g/cm^3、深さ5cmまで放射性セシウムが浸透したと仮定すると、
 放射能密度 (Bq/m^2) = 65 x 放射能濃度 (Bq/kg)
となります。(%1)

※もし、畑や田んぼなど、2011.3.15以降に耕した場合は、 深さ10cmでは足りない場合があります。
※また、稲作など根が張る深さに応じた調査が必要な場合、場合によっては、30cm程度までサンプリングします。この場合、0〜10cm、10〜20cm、20〜30cmと分けて検体を用意することも考えます。

(2)一つの場所の局所的な特徴が心配でしたら、 (雨樋の下など比較的高く出ます) 検査対象の領域を5カ所くらいサンプリングし、生コン用トレーなどでこの5つの検体を良く混ぜ合わせたのち、所定の量(1リットル)を検査対象の検体として送付します。

5カ所のサンプリング方法は、
  中央    ・・・1カ所。
  4角(すみ)・・・4カ所。
※サンプリング位置は、角(すみ)から中央までの間の角から10%程度の場所。

(3)十分乾燥させます。

複数枚の新聞紙を敷いた上に検体を拡げて数日乾燥させます。

土壌の濃度値(Bq/kg)の真値を得るためには、土壌をできるだけ乾燥させます。

急いでいる場合、水分を含んだままでも測定は可能です。ただし、濃度値は(検体重量が水分を含んで大きくなるため)低めに出ることを予め承知してください。
土壌が水分の蒸発によりどの程度軽くなり、結果放射能値が減少するのか。現在実験調査中です。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/dojou_sampling_method1_p4160255.jpg
■写真1 土壌放射能測定の道具 【Φ14cmマーカー】
 別名 鉢植え

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/dojou_sampling_method2_p4160262.jpg
■写真2 土壌放射能測定の道具 【コーンサンプラー】
 別名 球根植え
 このコーンサンプラーは優れています。深さ方向に5cm、10cmに目盛が付いており、深さの目安となります。15cm深さまではこの道具で十分機能します。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/dojou_sampling_method3_p4160264.jpg
■写真3 深さ5cmだけ、サンプリングした様子

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/dojou_sampling_method4_p4160298.jpg
■写真4 土壌放射能測定の道具 【土壌ミキサー】
 別名 生コンパレット

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/dojou_sampling_method5_img_1730.jpg

■写真5 土壌放射能測定の道具 【コーンサンプラー】
 別名 球根植え

ご覧の通り、5cm、10cmの位置に目盛がある。

取っ手のオーバーハング部が15cmで目安になる。

■追記:2012.8.2

土壌のサンプリング方法は、放射能測定の手順資料でも詳細は述べられておりません。
緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリーのための資料前処理法
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/main_pdf_series_24.html
(第11章 土壌)

ですので以下は、私見です。

土壌の放射能濃度を測定する目的は、311後の福島第1原発からのフォールアウト(空からの降下)ですから、本来、放射能密度(Bq/m^2)で評価されるべきものと考えます。

Bq/kgという表記は、既に汚染されてしまった土壌を均一に耕してしまった後、農作物を得る場合に、農作物の種類毎の移行係数(土壌の放射性物質濃度に対する、収穫農作物の放射性物質濃度)を評価するための値(測定方法)だと考えます。

横浜市民測定所の本田先生の資料に有るとおり、
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/08/2012621-9b70.html
放射能の濃度は、土壌の深さ方向で分布が異なります。
どの深さまで採取するかで、結果は、簡単に2倍程度は変わると思われます。

ですので、blogに記載しましたとおり、放射能密度(Bq/m^2)を正確に得るために、決まった直径で円筒状に深さ方向にえぐり取ることが大切だと考えます。

そうすることで、「これよりも深くは放射性セシウムが浸透していない」と思われる深さまで採取すれば、再現精度の高い、放射能密度(Bq/m^2)を得ることができると思われます。

放射能密度(Bq/m^2)をまず正確に得られれば、後は、浸透深さや深さ方向の放射能濃度を推定することで、Bq/kgの推定や、植物への移行の推定が可能となります。



【広告】長野県内、及び隣接県のお住まいの方は、現場に出向いて放射能測定用の土壌検体をサンプリング致します。ご相談ください。お問い合せ先 info@imeasure.jp もしくは弊社公式Webサイトお問い合せフォームへ


%1)放射能密度
Bq/m^2の単位から、更に、MBq/km^2の単位に変換するには、下記の通りです。
もし、測定結果が、
放射能濃度:10Bq/kg であった場合、

密度は、650Bq/m^2であると想定できます。

MBq/km^2の単位に変換するには、
この数字のまま、単位のみを変更すれば良いです。

つまり、

650Bq/m^2=650MBq/km^2

文部科学省がそのホームページで公開している、各自治体県庁所在地での2011年3月の1ヶ月での降下量は、この単位となっています。

例えば、降下量が、150MBq/km^2であった場合、
150Bq/m^2となり、
2.3Bq/kg相当降下した、と計算できることになります。

日本全国15カ所での2010年時点での、大気圏核実験の名残が、6Bq/kgですので、およそその半分弱、降下したことになります。
大気圏核実験成分は、放射性セシウム137のみです。
一方、東京電力福島第1原子力発電所由来の放射性セシウムは、Cs-134とCs-137が混在します。これらの現時点での比率、並びに、今後5年、10年でどのように減衰するのかを計算する道具があります。「放射能計算機」
google で、 [ CalcCs.exe ]で検索してください。
携帯電話で、本日の放射能比率を表示するWeb版もございます。

Q:規定の検体量が無い場合は放射能測定結果はどうなりますか?

Q:規定の検体量が無い場合は放射能測定結果はどうなりますか?

背景:
高品位Geコース(検出限界1Bq/kg, 1核種あたり、判定3σ)
において、例えば、飲料であれば、1L(リットル)必要となります。
もし、検体の重量が足りない場合、測定結果にどのように影響するのか。
もしくは、シイタケなど、検体が非常に軽く、かつ嵩張る(検体密度が低い)場合、結果にどのように影響するのか。

A:2種類の悪作用があります。

1.体積に過不足があると、測定結果がズレます。

 検体の体積が下記の体積のいずれにも適合しない場合、
 測定結果は、わずかですが、真の値からズレて表示されます。

 測定精度を保証するためには、規定の体積が必要です。
 弊社では、以下の4つの体積に対応しています。
 1000mL (1Lマリネリ)
  750mL (750mLタッパ)
  630mL (V6容器)
  500mL (500mLタッパ)
 ※原則として1Lですが、どうしても足りない場合、上記体積にも対応可能です。

2.重量が少ない場合、検出限界値が上昇します。

 放射能測定結果は、Bq/kgという放射性物質の濃度でご報告します。
 例えば、測定品位:高品位Geコースの仕様は、
 検出限界1Bq/kg, 1核種あたり、判定3σ、ですが、
 これは、検体が、水のように、1Lの容器に、重量1kg有る場合での
 装置の検出能力です。
 ここで例えば、重量が少ない場合を考えてみます。
 半分(500g)であるとした場合、放射能濃度が均一であれば、
 同じ測定時間を計測しても、放射能カウント総数は、半分となります。
 更に、濃度表現単位(Bq/kg)の分母(kg)が半分と
 なるため結果、3Bq/kg相当の検出限界値となります。

 ※充填率(密度)が半分(0.5)の場合、単位体積から出る
  放射線のカウント数は単純に半分となります。
  結果、検体密度が1の時に、検出限界が1Bq/kgであったとすると、
  検出限界は、1/√(0.5) = 1.4Bqとなります。
  更に、重量が半分(0.5kg)ですので、濃度に換算すると、
  2.8 Bq/kg 相当となります。

3.以上、1.2.のことから、多少多めの検体を
1リットルマリネリ容器に、ぎゅうぎゅう詰めにすることが
もっとも検出効率を高め、単位時間あたりの検出限界値を
装置能力限界にまで、ぎりぎりに下げるコツとなります。