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ゲルマニウム半導体検出器

2012年6月26日 (火)

ベクレルフリー米の放射能検査にゲルマを導入しました。

ご好評を頂いている安心米『ベクレルフリー米』の

検査体制を強化しました。

 ○従来:
  放射能測定装置:LaBr3シンチレーション式ガンマ線
          スペクトロメータ
       容器:1Lマリネリ
     測定時間:10時間
     検出限界:1.0 Bq/kg (σ=1.645)、1核種あたり

 ◎今後:
  放射能測定装置:ゲルマニウム半導体検出器
       容器:1Lマリネリ。
     測定時間:7時間
     検出限界:0.5 Bq/kg(σ=3)、1核種あたり

■信州放射能ラボの販売するベクレルフリー米の特徴

(1)信州放射能ラボが「顔の見える」農家から直接購入しています。
   実績:鰐川さん@松本市梓川、西牧さん@松本市梓川、
      伊勢屋食糧販売店(無農薬レンゲ米)@松本市、
(2)生産農家と生産田んぼを特定できる単一原料米です。
   (つまり、ブレンドしていません。)
(3)30kg袋入りの玄米を、放射能ラボが購入し、
   精米し、1L(=5.6合)をゲルマニウム半導体検出器
   (TG150B)で測ります。
(4)1核種あたり、0.5 Bq/kg 未満不検出(判定3σ)である
   ことを確認します。
(5)残りのお米も同じ測定結果を添付して販売します。
   (通常精米すると30kg→25kg程度になります。)
   ※出荷する米を全品検査するわけではありません。
    ただし、単一原料米であること、農家と田んぼが特定されて
    いること、により、より安心して頂けて、かつリーズナブルな
    検査体制と考えています。

■写真
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/bfr_img_2200.jpg
☆ これは5kg袋の写真です。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/bfr_label_img_2201.jpg
☆好評を頂いている アイメジャー信州放射能ラボ iSHL

 オリジナル、ベクレルフリー米のステッカー。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/bfr_leaf_img_2202.jpg

☆全ての商品に同じロット(一緒に精米した30kgの抜き取り検査結果)の放射能測定結果が添付されます。

■どこで入手できるの?

・信州放射能ラボに注文。→ ベクレルフリー米 購入ページへジャンプ 

■レストラン経営者、食材調達担当の方へメッセージ
・長野県松本市、安曇野市のお米は、311の震災による放射能汚染から免れました。
・根拠は、311前の土壌のCs-137濃度(日本全国15カ所の濃度公表値)と、311後の土壌の実測濃度の比較結果によります。

・私(一ノ瀬)が個人的に食べてみた限りにおいて、安曇野の米は、炊いている側からまるで餅米のような香ばしい香りが漂います。
・今回ゲルマニウム半導体検出器による検査体制を整えたことで、
 味、価格、供給安定性、の3拍子が揃いました。
・ぜひ、安曇野のお米をお試しください。

■関連
信州放射能ラボの扱う ベクレルフリー米 放射能検査済みのお米 [2012-2-13]

(記事修正履歴)
2014.7.8 販売ルート「諏訪湖SA」に関連した記述を削除。

2016.10.20 ベクレルフリー米商品ページへのリンク先を修正。

2012年6月 3日 (日)

シンチとゲルマを比較

「シンチ」と「ゲルマ」の比較を行いました。

・・・
「シンチ」とは、シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータのことです。
今年4月から施行された政府基準の放射能測定には、鉛遮蔽が必須です。

鉛遮蔽されたシンチのことを一般的に「ベクレルモニタ」と呼んでいるようです。
・・・
「ゲルマ」とは、ゲルマニウム半導体検出器のことです。

今回の検体は、弊社で販売している【 ベクレルフリー米 】。
かつて、シンチで、Cs-134に山が出たため、出荷を見合わせた検体です。
出荷しなかった幻のお米です。(%1)

今回、ゲルマニウム半導体検出器で再度検体を計測したところ、
ビスマス214 (Bi-214)
タリウム208 (Tl-208)
をCs-134として「誤検出」していたことが判明しました。(%2)

■シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ
テクノエーピー社 TS150B
シンチレーション結晶:LaBr3(臭化ランタン)

■ゲルマニウム半導体検出器
テクノエーピー社 TG150B


今後、弊社のベクレルフリー米は、シンチで「山」が出た場合は、ゲルマで追試験します。

%1)弊社が出荷するベクレルフリー米は、放射能測定結果を全製品に標準添付します。そのため、ベクレルモニタの測定結果に、疑わしい「山」が現れた場合は、安全側に倒して出荷を行いませんでした。今回、ゲルマニウム半導体検出器を導入したことで、放射能の由来を明示し、事実に即した測定結果報告ができるようになりました。引き続き、安心、安全なお米を提供する所存です。

%2) LaBr3結晶は、一般的に使われるNaIに比べて、光子エネルギー分解能が約2倍高いため、「Cs-137を単独で独立定量できる」点が一番の強みです。
しかし、NaIでCs-134の定量に使われる796keVの光子エネルギー領域が、Laの放射性同位元素によるバックグランド(後方コンプトン散乱)に隠れて見えません。(1万ベクレル/kgを越える焼却灰などの検体では問題なく796keVにピーク確認されます。)
そのため、テクノエーピー社のLaBr3シンチ機TS150Bは、3本有るCs-134光子エネルギーピーク(569, 605, 796 keV)(%3)の内、605keVを使って定量しています。この領域に、Tl-208(583keV)と、Bi-218(609keV)が混在することが今回、良く理解できました。

・・・
なお、NaIシンチでの課題は、以下のblogに非常に子細な解説が有ります。

ぜひ、ご覧下さい。(かなり難解ですが印刷してじっくり読解してください。)

http://kodomira.com/information/pb214_bi214/

NaIでは、LaBr3に比べて光子エネルギー分解能が約半分になるため、Cs-137を独立定量できません。
Cs-134(さらに、Bi-214)の影響を受けるため、土壌や水の検査において、低放射能値の場合は、オペレータの判読技量が問われます。

%3)3本有るCs-134光子エネルギーピーク(569, 605, 796 keV)
Cs-134のガンマ線リスト:http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=550134

Decay data search WWW Table of Radioactive Isotopes は、
はこのBlogの左上のリンク集 iSHL にリストされています。

2012年5月30日 (水)

ゲルマニウム半導体検出器 テクノエーピー TG150B 始動

ゲルマニウム半導体検出器が信州放射能ラボに導入されました。
メーカー:テクノエーピー社
モデル:TG150B
シリアル番号:TGP10001

現在、検出限界能力把握のために、試運転中です。
6月13日より正式に商用稼働開始予定です。

□ 検出限界値の把握
容器 1L(マリネリ)、750mL(タッパ)、630mL(V5容器)、500mL(タッパ)につき、検出限界値の把握をしています。

検証結果報告第一弾は、500mL(タッパ)です。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/tg150b_500ml.jpg

15分間 Cs−137,Cs−134それぞれ 10Bq/kg
といったところでしょうか。
引き続き、マリネリ1Lでの検出限界を調査し、ご報告します。

□ 光子エネルギースペクトル

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/134_137a.jpg

ゲルマニウム半導体検出器はこのように、Cs-134(605keV)とCs-137(662keV)を明確に分離する。

更に、このグラフからは、Cs-134(605keV)の周辺に、Tl-208(583keV)や、Bi-214(609keV)が有ることが判る。

NaI、LaBr3、CsI、などのシンチレーション式のベクレルモニタは、Cs-134や、Cs-137の定量に、この光子エネルギー領域を使っている。

そのため、土壌や雪などの測定を行った際に、実際に検出された核種は、Tl-208や、Bi-214であるにも関わらず、ベクレルモニタは、放射性セシウムであると「誤」検出する場合が有る。

放射能測定所のオペレータは留意すべきポイントだ。

2011年10月21日 (金)

THIRDWAVE SEG-002-AKP-P

THIRDWAVE

http://www.envsafe.jp/product/03/SEG-002-AKP-P.html

model : SEG-002
price : ¥25M
detector : P型HpGe
S/W : AKWin
エネルギー範囲 :40keV〜10MeV
エネルギー分解能 : 0.71%  122keV、0.14% 1.3MeV
検出下限値 : (137Cs)
 1ℓマリネリ容器 0.12Bq/kg
 0.13ℓデンタ容器  1.0Bq/kg
光電ピーク:コンプト散乱比 60:1
MCAチャンネル数:13bit
冷却方式 : 液体窒素冷却方式/電子冷却方式
電源:220V,50Hz
消費電力:250W

2011年9月27日 (火)

ゲルマニウム半導体ガンマ線スペクトロメーター

同位体研究所 Web Siteより。

ゲルマニウム半導体ガンマ線スペクトロメーター


CANBERRA製



ORTEC(SEIKO EG&G)製

いずれも厚さ10cmの鉛により外部からの環境放射線を遮断します。
1週間毎に液体窒素を補充する必要があります。
1台の測定については、概ね20分から30分必要ですが、検体によっ ては5時間単位での測定も行われます。