【放射能測定装置(ベクレルモニター)】
model : FD-08Cs40 / FD-08Cs100
連続測定試料数:56検体/50検体
price:¥7.5M / ¥7.7M
detector : シンチレータ式 (CsI(Tl))
detector size :
thickness Pb:
検体容積 : 40mL / 100mL
ADC : bit
測定核種 : Cs-134 Cs-137【のみ】
エネルギー分解能:
検出限界値(LLD ) : 30Bq/kg / 10Bq/kg(1000秒測定時、3σ)
出典:
http://www.analytik-jena.de/files_db/1333343300_8238__15.pdf
補足:
テクノエックスホームページ:
http://techno-x.co.jp/web/
テクノエックス製品ページ:
http://techno-x.co.jp/web/product/fd_08.php
テクノエックス 谷口 一雄 社長ブログ: 2011-09-14 (水)
「大学時代に「全反射蛍光X線分析装置」の標準化(装置の測定値の信頼性基準)に携わりましたが、今まさに、セシウムにおける信頼性のある装置、測定値につ いて、真剣に各メーカーが取り組む必要があります。幸い、販売締結を行ったアナリティックイエナジャパンでは、化学分析の専門家チームや市場調査専門家 チームもあり、彼らの協力を得て、測定値の信頼性の向上、測定法の標準化などに取り組んでいく覚悟です。」
■2012.6.20追記 (文責:一ノ瀬)
ある方から、この機種はどう?っと質問受けたので、整理してみました。
ーーーーー
この機種は、50検体を自動検査するという機能において、有用な確かな測定器だと高く評価しています。
ただ、テクノXのJSTのYuTube動画は頂けません。
理由は、眉唾部分が2カ所有るためです。
この2カ所が、この動画の技術的な信頼性を落としています。
この動画は、中立的な技術情報という観点よりは、
新しい技術を紹介する際に、特許明細書に述べられる表現方法「いかにこの技術は優れているかを精一杯背伸びして表現する」手法であると、「色メガネ」を掛けてから見ることをお勧めします。
■その1
NaI(Tl)シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ
とCsI(Tl)シリコンフォトダイオード半導体検出器
を比較して、
「CsIが良い」と言うために無理している点です。
1).PMTとSi-PD
(PMT:Photo Multiplier Tube)
(Si-PD:シリコンフォトダイオード)
フォトマルチプライヤチューブを一般的に使用しています。
これは、高電圧をかけて、微細な光を検出します。
例のカミオカンデ(マゼラン星雲の超新星爆発によるニュートリノを捕らえてノーベル賞を受賞した小柴教授の作った世界一巨大なシンチレーション式放射線検出器)のセンサも同じで、浜松フォトクニスが有名なメーカーです。
このPMTに比べて、Si-PDは、「ノイズが出ない」から
高性能だとYuTube動画で言っている点が、??な点です。
感度(フォトン検出効率)の観点から、PMTに勝てるセンサを知りません。
2).NaIとCsI
また、結晶自体の性能について触れていませんが、
NaIとCsIの性能は以下の通りで、NaIの方が優れています。
表2.3:無機シンチレータの特性及び用途
(放射線計測学、オーム社、2003、page-36)
種類, 密度[g/cm^3], λ[nm], 減衰時間[μSec.], 相対効率[%]
NaI(Tl), 3.67, 410, 0.23, 100
CsI(Tl), 4.51, 565, 1.0, 45
CsI(Na), 4.51, 420, 0.63, 80
ZnS(Ag), 4.09, 450, 0.2, 130, α線、中性子
6LiI(Eu), 4.06, 470, 1.4, 35
CdWO4, 7.90, 490, 0.9~20, 17~20
Bi4Ge3O12, 7.13, 480, 0.3, 10
つまり、
CsIは、NaIに対して、感度(45/100)、光子エネルギー分解能、(1.0/0.23)ともに劣っている。
YuTube動画で、間違っていない点は、
(仮定1)もし、「Si-PDをセンサに使う」と決めた場合、
(仮定2)結晶の選択肢として、NaIとCsIの2種を比較した場合、
(結論)Siセンサの感度のマッチングは、NaI(λ=410nm)よりも、CsI(λ=565nm)の方が良い。
つまり、CsI+Si-PDがNaI+Si-PDよりもシステムとして総合感度が高い。という点。(これも本当かどうか未検証です。)
この結論に導くために、無理矢理、「PMTはノイズが多く感度が低い」と評価を下げた点が、このYuTube Movieの全体の信頼性を落としている。と私は見ました。
つまり、技術的なMovieというよりも、特許明細書的な技術表現と言えるでしょう。
■その2
また、検出限界値 17分測定、検体量100mL、放射性セシウム検出限界値:10Bq/kg(1核種あたり)の能力というスペックであるのに対して、この動画を見ると、あたかも「測定時間:数十秒」で達成する能力があるように受け取られる点。
この表現方法も同様にこのMovieの全体の信頼性を落としている。
ただし、繰り返しますが、
この機種は、50検体を自動検査するという機能において、有用な確かな測定器だと高く評価しています。
以上です。
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