【信州放射能ラボ メールマガジン Volume-012, 2016-8-25発行】
【信州放射能ラボ メールマガジン Volume-012, 2016-8-25発行】
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■放射能 news (2016.8.25 信州放射能ラボ)
○信濃毎日新聞上に報告された放射性セシウム濃度合算値
<凡例>
20160601s29
2016年6月1日付け第29面の記事。数字の単位[Bq/kg]
2016年(平成28年)6月分
20160601s29
須坂市 コシアブラ 19
20160610s35
長野市松岡 市清掃センター、家庭ごみの焼却灰
飛灰 Cs-137: 27、Cs-134:ND(<10)
主灰 Cs-137: ND(<10)、Cs-134:ND(<10)
20160618s33
汚泥焼却灰
上田市秋和 終末処理場
Cs-137:13(5/18採取)
Cs-137:11(6/7採取)
別所温泉 終末処理場 I-131:140 (*)
真田浄化センター I-131:22
(*)
○放射性ヨウ素131の検出について
放射性ヨウ素131が、別所温泉 終末処理場から140Bq/kg、真田浄化センターから22Bq/kg
検出されたとの報告が新聞に掲載されていました。
福島第一原発事故により 放射性ヨウ素131が検出された際には、水道水から検出されました。
今回の長野県内の下水処理場(終末処理場)の脱水汚泥から検出された放射性セシウム131
は、医療行為による処方の結果、排尿を経て下水に流れ込んだ結果と推定されます。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2016/05/volume-010-2016.html
20160630s33
汚泥焼却灰
上田市清浄園 Cs-137:29
飛灰
上田(上田市天神) 40
丸子(上田市腰越) 34
東部(東御市田中) 17
主灰と飛灰の混合灰
上田 29
丸子 ND(<10)
東部 ND(<10)
2016年(平成28年)7月分
20160712s37
家庭ゴミ焼却灰
長野市松岡
飛灰 Cs-137:28、Cs-134:ND(<10)
主灰 Cs-137:ND(<10)、Cs-134:ND(<10)
20160713s37
ニホンジカ
阿智村 10
飯田市 3.3
20160729s33
汚泥焼却灰
上田市清浄園 Cs-137:29
飛灰
上田(上田市天神) 31
丸子(上田市腰越) 24
東部(東御市田中) 16
主灰と飛灰の混合灰
上田 22
丸子 ND(<10)
東部 ND(<10)
葛尾組合
飛灰 Cs-137:22
主灰 ND(<10)
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<福島原発事故後の世界を理解するための重要な論文シリーズ>
[5]環境における人工放射能50年:Sr-90、Cs-137及びプルトニウム降下物(2007年版)
重要な論文シリーズ第1回では、つくば市の気象研の論文「セシウムボウルの発見」に注目しました。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2015/09/volume-004-2015.html#paper
今回は、この気象研究所が、福島原発事故の4年前、2007年にまとめた論文をご紹介します。
特に、第五章は、2007年までの過去50年間の状況が整理されています。
大気圏核実験、原子炉衛星の地上落下、チェルノブイリ事故、などをきっかけにして、人工放射能の核種(Sr-90、Cs-137、プルトニウム)がどの程度、地球環境中に拡散、降下したのか、測定手段の歴史的経緯も含め、要約されています。
ぜひ、一度目を通して見て下さい。
(html版)
http://www.mri-jma.go.jp/Dep/ap/ap4lab/recent/ge_report/2007Artifi_Radio_report/Chapter5.htm
(PDF版)
http://www.mri-jma.go.jp/Dep/ap/ap4lab/recent/ge_report/2007Artifi_Radio_report/2007Artifi_Radio_report.pdf
メモ:
1954年5月14日に観測された降雨の放射能:1850 Bq/L (三宅1954)
1986年5月、降下量 Cs-137, 約130 Bq/m 2
1987年降下量のうち80%がチェルノブイリ起源。
核実験起源のCs-137降下量の総量評価、Cs-137: 770 PBq (1970.1時点)(Aoyama 2006)
核実験起源のプルトニウム降下量、11 PBq
(Aoyama 2006)元論文:
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2006/em/b512601k#!divAbstract
一方、福島第一原子力発電所から放出された放射性セシウム137総量についての最初の公式見解は、当時国会議員の質問に答える形で国会に提出された資料です。
国立国会図書館デジタルコレクションより。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/6017196/1?viewMode=
東京電力株式会社福島第一原子力発電所及び広島に投下された原子爆弾から放出された放射性物質に関する試算値について
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_6017196_po_20110826010-1.pdf
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3491887/www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826010/20110826010-2.pdf
いわゆる「福島第一原発からの放射能の放出量は広島原爆の168倍」という場合の論拠です。
計算:
広島原爆での大気中への放出セシウム(Cs-137)の放出量の試算値
Csー137:8.9x10^13 [Bq] (広島原爆放出Cs-137:89テラベクレル)
解析で対象とした期間での、福島第一原発(1号機、2号機、3号機)からの
放出セシウム137の大気中への放出量の試算値:15PBq(15ペタベクレル)
よって、比率は、
15ペタベクレル/89テラベクレル
= 1.5x10^ 16
/8.9x10 ^13
= 1500 / 8.9
= 168.5
以下のページも参考にしてください。 (単位のおさらい。「広島原爆の4023倍」デマの解説を含む。)
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20110826/1314382382
以上
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<福島原発事故後の世界を理解するための重要な論文シリーズ>
[1]つくば市 気象研による「セシウムボウル」の発見
[2]セシウムボウルは土壌中の特に雲母(うんも)岩石粒子に捕まっている。
[3]低線量被曝による白血病のリスクが上昇
[4]放射性セシウム134と放射性セシウム137のベクレル(Bq)比率
[5]環境における人工放射能50年:Sr-90、Cs-137及びプルトニウム降下物(2007年版)
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