【仮説と推定】里山に放射性物質がやってきたのは何故か。
【仮説と推定】里山に放射性物質がやってきたのは何故か。(編集中)
放射性セシウムのプルームが、2011.3.15に関東にやってきたときには、直径数マイクロメートルの完全な球状のガラス質の水に溶けない粒子であったことが判明しています。
一方、PM2.5が中国からやってくることが報道されていますが、
この2.5とは、直径が、2.5マイクロメートルというサイズを意味しています。
つまり、直径数マイクロメートルの粒子は、風に乗って遙か中国から、日本まで飛んでくるくらいのサイズです。
よって、風向きによっては、あの日、福島第一原発から、数百km程度の距離は、軽々と漂っていたと思われます。
フォールアウト(fallout:降下)という言葉で書くとあたかも火山灰のように飛んで重力で落ちるイメージですが、直径が数マイクロメートルともなると、放射性物質が来たモードが異なると思われます。
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2つの地図を見比べて見ます。
http://resemom.jp/article/img/2011/11/25/5211/18822.html
これは、文科省の発表した汚染図を3Dにテクスチャーマッピングして更に、鳥瞰図として俯瞰したものです。
http://img.resemom.jp/imgs/zoom/18822.jpg
(コメントに図を貼り付けてあります。)
二つ目の地図
http://www.gridscapes.net/AllRiversAllLakesTopography/
(コメントに図を貼り付けてあります。)
これらの地図を見比べて、特に
関東の水源域の奧利根、長野県と群馬県の県境、それから、埼玉県の西部(秩父)、そして東京都の西部、奧多摩に注目します。
これらの里山だけ狙って、セシウムのプルームが渡り歩いたかのように汚染されています。
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さらに、もう一つのアニメーション、
これは、国立環境研究所が2011年8月25日に発表した放射能汚染アニメーションです。
http://www.nies.go.jp/shinsai/images/dep_cs_v19.gif
(コメントに図を貼り付けてあります。)
これを見ると、Cs-137を含むプルームは2011/3/15に、それまでの風向きが大きく北風に変わったことで、関東全域に吹き荒れています。つまり、火山灰のような降下物であるならば、単純に放出源(原発)からの距離に応じた濃度分布で、埼玉県、東京都の平野部が高濃度に汚染されていてもおかしくない状況でした。(柏市などは別の要因だと思われます。)
では、何故、「里山だけ狙って、セシウムのプルームが渡り歩いたかのように汚染」されたのか。
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考えられる一つの仮説として、霧の発生と同じメカニズムで、水蒸気を含む湿った空気が、風となって山肌に沿って標高を駆け上がる際に、水蒸気が水滴に変わる時に、セシウムの粒子が核となって凝結した、と考えらるのではないでしょうか。
霧は、山に吹き付ける風があると、山の斜面に沿って上昇する際に、断熱膨張による気温低下と、気温低下による飽和水蒸気圧の上昇により、結果露点に達し凝結します。その際に、結露する核を必要とします。
2011年3月15日の風は、放射性セシウムを核とした霧を里山に作り、常緑樹の葉(竹笹、茶葉)、や、まだ葉の無い落葉樹の木肌をびっしょりと濡らした。
含む水蒸気の一部は霧を作って葉や樹皮を濡らした後、残った乾いた空気は、放射性セシウムのプルームを引き続き一定濃度含みながら、峠を越えて、更に谷へ一気に下り始める。
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常緑樹の葉の実際の放射性セシウム濃度はどのくらいだったか。
2012年の正月のドンド焼き(松飾りを松葉や竹と一緒に燃やし残り火で子ども達がまゆ玉や餅を焼いて食べる行事)用の竹笹が心配だと放射能測定の要請が有り、東京都多摩地区の竹笹の放射性セシウム濃度を計測しました。
竹の葉は、放射性セシウム濃度:約500Bq/kgを示しました。また、2011年の秋に、松本平に流通していた静岡産の茶葉は、放射性セシウム濃度:300Bq/kgでした。
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では、落葉樹の木肌はどのくらい汚染されたのか。
長野県の果樹の剪定枝の濃度を県が計測した結果が毎年報告されています。
果樹の剪定枝の放射性セシウム濃度は、上述の「霧でびっしょり濡れた」ことによる汚染と仮定して、剪定枝の最大の放射性セシウム濃度を記録した2011年初冬の値、209Bq/kgから、樹皮の表皮汚染密度をざっと計算すると、ほぼその地域に降下した放射性セシウム密度(2400Bq/m^2 -> 0.24 Bq/cm^2)と整合することが解りました。
(http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2015/02/post-3b31.html 果樹剪定枝の放射性セシウム濃度を推定する)
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今日、シカ肉の汚染の状況を公開データを使って調査しました。厚生労働省の公開データによると、最高値は、栃木県日光市の1000 Bq/kg。次いで、埼玉県秩父市のシカ肉が高かった( 820Bq/kg) ことが判り、何が原因だろうかと考えていました。野生のシカは、エサが無くなる時期に、樹皮を好んで食べます。そのため、背の低い若い樹木は、樹皮を全て食べ尽くされてしまい、枯れてしまいます。
放射性セシウムを核に結露した霧にびっしょりと濡れた木々の樹皮を沢山食べたシカが居たのではないかと推察しました。
もしそうであるならば、キノコを好んで食べるイノシシ(や野生豚)とシカでは、今後、放射性セシウム濃度の変化に違いが生じるのではないかと考えた次第です。
(了)
初出 facebook https://www.facebook.com/ichinoseshu/posts/834463133310185
http://img.resemom.jp/imgs/zoom/18822.jpg
http://www.gridscapes.net/AllRiversAllLakesTopography/
http://www.nies.go.jp/shinsai/images/dep_cs_v19.gif
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20140820/1408526990
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20150512/1431413727
http://bit.ly/2lGCID2
https://twitter.com/ichinoseshu/status/546272886374137858
http://www5a.biglobe.ne.jp/~tenrou/radiation/radioactive_map_east_Japan.jpg
http://www5a.biglobe.ne.jp/~tenrou/radiation/?utm_content=bufferb3f90&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
2012-1-10
東京都多摩地区 竹の笹の葉 測定結果:http://bit.ly/2mEbHzu
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