平成25年度の南相馬市の米の放射性セシウム濃度が基準値越えした原因
平成25年度(2013年)の南相馬市の米の放射性セシウム濃度が基準値越えした原因
1.農林水産省の分析
25年産米の南相馬市での基準値超過に関する調査結果
(平成26年1月)
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/fukusima/pdf/25kome_h26_01.pdf
(*1)
放射性セシウム濃度の高い米が発生する要因とその対策について
(平成26年3月)
農林水産省
福島県
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
(独)農業環境技術研究所
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/pdf/kome.pdf
page24「土壌だけでは基準値超過の発生要因を十分説明できない」
2.観測された事実
2−1.原発から北3kmのモニタリングポストの空間線量の上昇
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20130828/1377648801
実際の上昇した空間線量率は、1.166-1.011=0.155 μSv/h でした。
2−2.福島県の見解
http://www.47news.jp/smp/CN/201308/CN2013082701002104.html
「福島県は(2013.8.)27日、東京電力福島第1原発の北北西約3キロの同県双葉町で、(2013.8.)19日に大気中の放射性セシウム濃度が上昇し、放出源は第1原発と推定されると発表した。双葉町に設置しているモニタリングポストで空間放射線量が一時的に上昇したことから、同県が調査していた。
19日午前に、第1原発の免震重要棟前で一時的に放射性セシウムの濃度が上昇。東電はこの原因や、付近で頭部を放射性物質に汚染された作業員2人との関連を調べており「双葉町との関連も含め調査を続けたい」としている。」
2−3.基準値(放射性セシウム濃度100Bq/kg以上)越えした平成25年度米
https://dl.dropboxusercontent.com/u/37232669/tmp/shokuhin_houshanou_kensaku_kome.pdf
2−4.京都大学 小泉昭夫教授(環境衛生学)は、(2013.)8月15~22日に相馬市、南相馬市、福島県川内村の3カ所で大気中の粉じんを集めて放射性セシウム濃度を計測した
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201407/20140717_63008.html
「小泉教授らは住民の被ばく量推計のため、相馬市、南相馬市、福島県川内村の3カ所で大気中の粉じんを集めて放射性セシウム濃度を計測した。」
「原発から北西48キロの相馬市玉野地区で集めた昨年(2013年)8月15~22日分から、他の時期の6倍を超す1立方メートル当たり1.28ミリベクレルの放射能を検出。」
「小泉教授らは(1)濃度が上がったのが原発の北西、北北西の地点で当時の風速や風向きに一致する(2)粉じんの粒子が比較的大きく、原発のような放射性物質が密集する場所で大きくなったと推測される-として、8月19日の原発がれき撤去が原因とみている。」
3.東京電力の発表の変遷、原子力規制委員会の発表の履歴
3−1.東京電力の最初の発表
放出量は、2800億ベクレル/時間x4時間=1兆1千200億ベクレル
3−2.東京電力の発表の修正 → 放出量を当初発表の1/10へ。
3−3.原子力規制委員会の見解 2014.10.31
「
国と東京電力の検討会は31日、国側の新たな試算の結果、放出された放射性物質の総量は1100億ベクレルで、以前に東電が示した値と大きな差がなかったことを明らかにしました。
これを受けて原子力規制委の更田(ふけた)委員長代理は、「この量では南相馬のコメに影響を与えたとはおよそ考えにくい」と述べ、がれき処理で放出された放射性物質が原因とは考えられないとの見方を示しました。
一方で、汚染の原因については分からないとしています。
」
補足)
*1)
25年産米の南相馬市での基準値超過に関する
調査結果
1.福島県及び南相馬市における基準値超過の概要
2.交差汚染の発生状況及び交差汚染防止対策の実施状況
3.高濃度汚染米の汚染状況
4.直接付着による汚染メカニズム
5.土壌等の再巻き上げによる付着の可能性
(参考)
6.土壌の分析結果
7.用水の調査結果
ーーー
1.福島県及び南相馬市における基準値超過の概要
(3) 24年産米の基準値超過の発生要因
○
24年産の基準値超過ほ場のほとんどでは、土壌中の交換性カリ含量が目標水準(25mgK2O/100g)を下回っており、土壌中に十分なカリが無かったため、放射性
セシウムの移行が高まったと考えられた。
○25年産の基準値超過ほ場のうち、福島市旧福島市の1地点では吸収抑制対策
が未実施であったことを確認。
○他方、南相馬市旧太田村の14地点では、いずれも吸収抑制対策を実施していたにもかかわらず基準値を超過。
2.交差汚染の発生状況及び交差汚染防止対策の実施状況
(2) 交差汚染防止対策
○24年産の全袋検査で交差汚染事例がみられたことから、乾燥調製等の過程における交差汚染を防止するためのガイドラインを策定。
○25年産米においては、同ガイドラインに基づく対策が実施され、交差汚染が疑われる事例はほとんどみられなかった。
交差汚染防止対策のポイント
①通常の清掃作業米の収穫・乾燥・調製作業を行う作業場や使用する農機具などは、常日頃からきちんと清掃を行い、放射性物質の汚染源となりうるゴミやほこりを除去。
②通常の清掃作業に加えて実施する「とも洗い」籾摺機や選別・計量機は、通常の清掃では機械内部のゴミやほこりを十分に取り除くことができないため、原発事故後に初めて使用する際には、通常の清掃に加えて「とも洗い」を実施。
4.直接付着による汚染メカニズム
(1)直接付着による汚染経路
•農作物が放射性物質に汚染される経路は、以下の2つに大別される。
①作物の地上部に直接付着・浸透する直接汚染
②土壌から吸収される間接汚染
•直接汚染は、さらに、葉面汚染、花汚染、基部吸収の3つに細分化される。
•葉面汚染については、出穂開花期にある稲の葉を放射性セシウム溶液に4日間浸漬処理し、処理後浸漬部位を切除して栽培したところ、玄米への転流が確認されている。
•また、花汚染については、稲の開花期に籾(頴花)に放射性セシウムを直接投与したところ、投与された籾に隣接する籾にも放射性セシウムの転流が確認されている。
5.土壌等の再巻き上げによる付着の可能性
6.土壌の分析結果
7.用水の調査結果
(19ページが空白)
以上
最近のコメント