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2014年11月14日 (金)

Q 食品中の放射性ストロンチウムは大丈夫?

Q 食品中の放射性ストロンチウムは大丈夫?

A 事故を起こした原子力発電所建屋に溜まった汚染水の太平洋への流出がなかなか止まりません。 そのため、従来から知られている放射性セシウム以外の放射性物質、放射性ストロンチウム90の魚介類の汚染が心配されています。 ストロンチウムは、カルシウムと同様に人体の骨に蓄積されます。骨は、免疫系を制御する骨髄細胞 を含むため、放射性物質による内部被ばくが原因で 白血病などが心配されています。

 公開されている測定結果では、魚介類のカルシウム部分で 比較的濃度の高い値が出ています。 Cs-134とは、放射性セシウム134、同様に、 Cs-137とは、放射性セシウム137です。また、 Sr-90とは、放射性ストロンチウム90のことです。

 ツガルウニ(殻付き)
 Cs-134: 92 Bq/kg
 Cs-137:120 Bq/kg
 Sr-90:  10 Bq/kg
 2012/1/13
 福島県いわき市久之浜沖

 アワビ(貝殻)
 Cs-134:  8.2Bq/kg
 Cs-137: 15 Bq/kg
 Sr-90:  14 Bq/kg
 2012/12/14
 福島県いわき市久之浜沖

もちろん、ウニを殻ごと食べる人は居ませんし、 ましてやアワビを食べた後の貝殻を食べる人は居ませんので 直接の被ばくは、心配する濃度ではありませんが、注意が必要です。 例えば、殻を再利用する流通ルートにて、家畜のエサとして使われる 可能性を想定すると、意識的に流通や自分の口に入るまでのカルシウムのルートを検証する必要があると思われます。

・・・

ストロンチウムは、貝類の殻の他、カニやエビの甲羅へも同様に蓄積が予測されます。 湖沼で採れるザリガニの測定結果があります。 福島県裏磐梯の湖沼で捕獲された「ウチダザリガニ」 のストロンチウムの濃度を見ると、警戒すべき濃度であるように思います。

 ウチダザリガニ 
 Cs-134: 17 Bq/kg
 Cs-137: 55 Bq/kg
 Sr-90 : 12 Bq/kg
 2013/10/9
 福島県秋元湖

裏磐梯の湖沼は、原発から漏えいしている汚染水の影響であるとは考えにくいので、 初回の放出による汚染が、生体(ザリガニ)により 濃縮された結果と考えられます。

■出典:
http://konstantin.cocolog-nifty.com/blog/files/Sr_suisei.pdf
http://www.env.go.jp/jishin/monitoring/results_r-pw.html#ao

■補足:
福島県秋元湖 ウチダザリガニ の経過観察。

2012/8/20
Cs-134: 63 Bq/kg
Cs-137: 93 Bq/kg
Sr-90: 10 Bq/kg
(成体、131匹)

2012/10/22
Cs-134: 53 Bq/kg
Cs-137: 91 Bq/kg
Sr-90: 12 Bq/kg
(成体、52匹)

2012/12/4
Cs-134: 41 Bq/kg
Cs-137: 79 Bq/kg
Sr-90: 8.5 Bq/kg
(成体、43匹)

2013/7/12
Cs-134: 24 Bq/kg
Cs-137: 53 Bq/kg
Sr-90: 8.5 Bq/kg
(成体、57匹)

2013/8/22
Cs-134: 29 Bq/kg
Cs-137: 62 Bq/kg
Sr-90: 11 Bq/kg
(成体、25匹)

2013/10/9
Cs-134: 17 Bq/kg
Cs-137: 38 Bq/kg
Sr-90: 12 Bq/kg
(成体、55匹)

2013/12/3
Cs-134: 23 Bq/kg
Cs-137: 50 Bq/kg
Sr-90: 9.1 Bq/kg
(成体、25匹)

※2012年と2013年を比較すると半減期がほぼ同等の2種の核種の間で、セシウム137に較べ、ストロンチウム90は濃度が相対的に低下していない。生体濃縮が予想され、今後も測定を継続してもらいたい。

■過去の関連記事:
Sr-90測定に関するまとめ 品川区学校給食Sr-90測定開始記念
(2014.3.29)

修正履歴)
2014-12-19 [日付2013/12/3]の測定データを追記しました。

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コメント

「汚染水」は「放射能水」と呼ぶべきです。海外では決して汚染水(contaminated water)とは呼びません。放射能水(radioactive water)と呼びます。まして、日本では公害対策三法(土壌、大気、水質)で「汚染物」には放射能物質は含まないと定義しています。汚染水と呼んでも、放射能汚染であることはみんな分かっているから良いではないかというのも間違っています。なぜなら、汚染(contamination)という言葉には除染(decontamination)できるという含みがあり、実際に東電は汚染水をALPSで浄化して海に排水するという提案をしています。しかし、放射能水は決して浄化水にはなりません。トリチウム(三重水素)分子を含む水分子から、トリチウムだけを除くことはできないからです。いわゆる「汚染水」には、排出基準(60000Bq/L)の数百倍のトリチウムが含まれることがわかっています。放射能水はトリチウム半減期(12年)の少なくとも10倍は安全に管理せねばなりません。ご存知かと思いますが、トリチウムの出すベータ線の毒性は不当に過小評価されています。体内に入ったトリチウムは細胞に取り込まれると、飛程数μmで全エネルギーを消費します。セシウムのγ線よりもエネルギー的には約60倍毒性が低いと物理学者はいいますが、飛程が長いγ線は体外に出るので、ホールボディーカウンターで検出できます。ところが、トリチウムの検出は事実上は不可能です。その意味でも、トリチウムの危険性は決して過小評価されるべきではありません。無知な国民を洗脳しようとする東電、政府の宣伝に加担すべきではありません。そちらのSIさんもよくご存知のはずです。

「セシウムのγ線よりもエネルギー的には約60倍毒性が低いと物理学者はいいます」
出典ご存知でしたら教えてください。
これがSr-90の実効半減期がCs-137の96倍なのに
Svは2倍程度となるカラクリですかね。

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