昨年7月に採取した水から、過去最高値の1リットル当たり500万ベクレルのストロンチウム90を検出した
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2014/images/2tb-east_14020601-j.pdf
平成26年2月6日
東京電力株式会社
ストロンチウム500万ベクレル=過去最高、昨年7月地下水-福島第1
東京電力は6日、福島第1原発1~4号機の海側にある観測用井戸で、昨年7月に採取した水から、過去最高値の1リットル当たり500万ベクレルのストロンチウム90を検出したと発表した。計測機器に設定ミスが発覚したため、過去にさかのぼって再測定していた。 東電によると、昨年7~8月にかけ、ストロンチウム90の濃度を示す値に不自然な点があることが判明したため、公表を見送っていた。今年2月5日、2カ所の計測所のうち1カ所で、数値を計算する際の係数設定が誤っていたことが判明し、未公表分の再測定を進めていた。
(2014/02/06-21:51)
出典
この発表には、2つの問題点があると思う。
(1)表左端の列、下から3番目 「全」とは全ベータ線核種のことであり、地下水観測孔 No.1-2(左から2番目の地下水)は、900,000Bq/Lと記載がある。
90万ベクレル/Lである。
一方、今回の発表は、Sr-90(一番下の核種)が、5,000,000Bq/Lであることが判明したという発表である。500万ベクレル/L。
Sr-90も、ベータ線核種である。従って、この結果:
[ 全ベータ線核種の放射能値 < Sr-90の放射能値 ]
は、有り得ない大小関係である。どちらかが誤りの測定であることになる。
そのため、東電は、昨年7月からこの測定値の不整合を解析、調査していたとのことである。
昨年、8月19日に300トンの汚染水がタンクから漏れた。その際、24兆ベクレルの全ベータ線核種という発表であった。今回、公表された測定ミス(線量が高すぎるために、センサが応答できず、数え落としが発生していた)が発覚したことで、過去の測定値の信頼性が著しく低下した。
(2)放射性ストロンチウム90の濃度の計測は、Y(イットリウム)90との放射平衡になるのを待つ方法が採用されるため、計測に時間が掛かる(64.1時間の10倍=641時間=26.7日)。およそ一回の測定に1ヶ月弱かかることになる。それにしても、測定結果の疑義についての解析と原因究明に7ヶ月もの期間を費やす姿勢は問題である。
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