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2013年12月

2013年12月24日 (火)

[解説] 土壌の放射性セシウムの濃度測定結果の見方

土壌の放射性セシウムの濃度測定結果の見方

ゲルマニウム半導体検出器を用いて土壌の放射性セシウム濃度を調べ、放射性セシウムが検出された場合の補足説明です。

まず、放射性セシウムは、自然には存在しません。人工物です。
ですので、放射性セシウムが検出された場合、原子力爆弾か原子力発電所事故などの「原子核反応」由来です。

2011年3月、東京電力福島第一原子力発電所から、広島原爆の168倍相当、重量にして4.7kg相当の放射性セシウム137がメルトダウンした原子力発電所の炉心から大気環境に放出されました。

同時に放射性セシウム134が放出されたことで、放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率は、福島第一原発事故由来の放射性セシウムかどうかを判定する「指紋」替わりになることが判っています。
放射性セシウム134の半減期と放射性セシウム137の半減期は異なるため、放射能測定をした日付毎にこの比率の理論値が異なります。

放射性セシウム137は、福島第一原発事故以前にも、1960年代初頭の大気圏核実験による影響が依然として日本全国に色濃く残っています。

ですので、放射性セシウム137と、放射性セシウム134の濃度に注目すると、次のようなことが判ります。

以下、放射性セシウム134をCs-134で略記します。
同様に、放射性セシウム137をCs-137で略記します。

1.Cs-134とCs-137の両方が検出されて、理論通りの比率であれば、殆ど全てが東京電力福島第一原発事故由来であると考えられる。

2.Cs-134とCs-137の両方が検出されて、理論値よりも、Cs-137が多い場合、大気圏核実験由来 + 東京電力福島第一原発事故 の混合状態である場合も考えられる。

3.Cs-137が出た場合であっても、所定の比率のCs-134が検出されなければ、検出されたCs-137は、大半が大気圏核実験由来である可能性が高い。

■応用事例 その1
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/01/post-779d.html

この土壌の事例は、上記の1.に相当します。
「土壌は、大気圏核実験(1960年代)より後に、平坦にするために山を崩した土であるとの情報」
があり、ほぼ全てが福島第一原発事故由来であろうとする、この推測が正しいことが補強されます。

[参照]
放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html

311前の土壌のCs137濃度
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/03/311.html

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