イカの塩辛に留意
東京電力のホームページには、原子力発電所近海の海産物の放射能測定結果が公開されている。
しかし、せっかく一年後を比較してるのにも関わらず、昨年計測した海産物の種類が今年は欠落しているのは惜しいと思う。
イカは今年はどうだったんだろうか。
2013(H25)年の結果:
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2013/images/fish_130531-j.pdf
試料名 採取場所 【核種 Ag-110m 濃度/核種 Cs合算 濃度 Bq/kg】
ヒラツメガニ(全体)1F敷地沖合3km付近(T-S4) 【 13 / 17.3 Bq/kg】
採取H25.2.20
2012(H24)年の結果:
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_120928_02-j.pdf
ヒラツメガニ(全体)1F敷地沖合3km付近(T-S4) 【 43 / 15.1 Bq/kg】
採取H24.5.25
エゾハリイカ(全体)請戸川沖合18km付近(T‑B2)【 26 / ND Bq/kg】
採取H24.5.30
半減期は250日だけど、甲殻類などの体液に2万5千倍に濃縮される放射性銀:Ag-110mの値は、昨年の調査で 26Bq/kg 検出されている。
しかもイカ全体重量での濃度だ。
体液(イカの塩辛など)では更に濃度は上がると思われる。
---
○2万5千倍に濃縮される銅(Cu)、銅と間違って取り込まれる放射性銀
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010402/05.gif
Cuは、甲殻類で、2.5E+04つまり、2万5千倍濃縮される。
Ag(銀)とCu(銅)を彼らは見分けられないのだと思う。
酸素輸送のために体液に高濃度に蓄える。
○放射性銀は食品放射能測定器で計測できる。
放射性銀(Ag-110m)は、Cs-137の隣にガンマ線を出す核種である。
市民測定所や自治体が食品検査用に整備したNaIシンチレーション式ガンマ線スペクトロメータで検出可能だ。
もし検出された場合、Cs-137として認識され表示されるが、スペクトルに注目すると、885keVにも、Ag-110m由来のスペクトルが出るので、判別できるはずだ。
http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=470410
Ag-110m
657.8 keV, 94.0%
884.7 keV, 72.2%
関連記事:
生体濃縮という仕組み
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20131001/1380613986
« 長野県上田市で脱水汚泥からから280Bq/kgの放射性ヨウ素131が出た | トップページ | デジカメのノイズと放射能測定結果の誤差の話題 »
「信州放射能ラボ」カテゴリの記事
- 地元紙 松本市民タイムス 平成28年3月4日記事(2016.03.08)
- イカの塩辛に留意(2013.10.03)
- 長野県上田市で脱水汚泥からから280Bq/kgの放射性ヨウ素131が出た(2013.09.18)
- 協力者を募集します 井戸水を定期的、継続的に計測しよう(2013.04.26)
- 朝日新聞 2013.3.6 長野県版に一ノ瀬代表のインタビュー記事が掲載されました。(2013.03.08)
« 長野県上田市で脱水汚泥からから280Bq/kgの放射性ヨウ素131が出た | トップページ | デジカメのノイズと放射能測定結果の誤差の話題 »
コメント