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2013年7月

2013年7月27日 (土)

今現在も破損した原子炉から湯気が出ている状況で、2011.3.15に放出された放射性セシウム134と137の比率による推定方法は有効か?

放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率を用いて測定結果を検証する提案を続けています(*1)。

例えば、(市民測定所を含む)放射能測定機関が測定方法の精度を検証する手段として利用したり、「そのCsはどこからやってきたものか」という由来の推定に用いることができます。

最近、こうした(主旨の)質問を頂きました。

1.質問
・放射性セシウムによる汚染は、2011.3.15に放出された放射性セシウム以外にも有るのではないか?
・例えば、今現在も、破損した原子力発電所の原子炉から湯気が出ていることが報告されている。これらが全国に放射性物質としてまき散らかされているのではないか?
・原子炉の中では、核反応が続いていて、それがCsの比率に影響するのではないか?

2.結論
現在入手できる公開資料での推定と結論は以下の通りです。
今回は、計算シミュレーションとして、東京都のデータを使いました。

(1)公開されている東京都の過去の月毎の降下量は、2011.3が最大で、それ以降(2012年以降)では、2013.3が直近では最大値である。

(2)直近の最大値である2013.3の量が、もし過去28ヶ月にわたって毎月降り続いていたと仮定しても、その総和は、2011.3の1ヶ月に降下した量の1/8以下であり全体に占める、2011.3以外の降下物の量の相対的な影響は低い。

(2)また、その2013.3について注目するとそのCsの比率は推定値通りである。(99.7%精度)。Cs比率が推定値通りのCs-134とCs-137が、どんなに降り積もってもその積算によるCs比率は、推定値通りとなる。
(男女比1:1のグループがどんなに多く集合しても常に1:1となるように。)

従って、高い精度で、Cs比率による推定は有効であると思われる。

3.データと解析

3−1.全国
環境放射能水準調査結果 全都道府県の2011年3月の月間降下物
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/04/post-2c27.html

3−2.東京都
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/05/20113-96a0.html

Cs-137:  8100 Bq/m^2
Cs-134:  8500 Bq/m^2
合算値で見ると、東京都は、2011年3月に16,600Bq/m^2。

ここまでがまず基本データ。

4.2011年3月以降の降下量

4−1.2011.3と2013.3の量の比較
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/mon_fallout_data_1month.html
ここに1ヶ月毎の降下量が発表されています。
2011/03/01 - 2011/04/01
・・
2013/06/03 - 2013/07/01

表の判定
Cs-137のみに注目します。
28ヶ月で、2012年以降
2011/03/01 - 2011/04/01 の8100
以外の最大値は、2013/03/01 - 2013/04/01 の42
(PM2.5をTVや新聞が拡散した時期ですね。)
もし28ヶ月全てが42であったとしても、その総和は、8100を超えませんので、
(42*28=1176<<8100, 16%程度)
主たる要因は、2011.3で決まっていると判断して良いと思います。

4−2.2013.3に降下した放射性セシウムの比率

2011年以降(2012年以降で)最大は、
2013/03/01 - 2013/04/01
で、
Cs-134/Cs-137: 22/42 Bq/m^2
でした。

Cs比率は
(22/42=0.524, 理論値 2013/04/01で、0.5271,差は、0.524/0.527=0.994)
であって、99.4%の精度で推定通りでした。

(参考)
(*1)放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html

2013年7月26日 (金)

キログラムあたり100ベクレルの大豆が出荷へ

「フクシマンの福島レポート(郡山市)」によると、
『平成25年7月19日(金)に、基準値を下回った 福島県産大豆、154袋は、政府の新方針により出荷できることになり、 14袋に1袋の確率で、50Bq/kg以上 の放射性セシウムが含まれています。』とのこと。

詳細は、下記をご覧下さい。

『「100ベクレルの大豆が出荷へ」厚労省日報ダイジェスト福島県版687報』

 

http://amba.to/146P0WU 

※1 「政府の新方針」について
これまでは、一カ所でも基準値を超えれば、
(福島県の場合)旧市町村単位で出荷を止めるのが原則でしたが、
政府は、今後は地域全体の大豆を出荷停止するのではなく、
(全袋検査を行うことを条件に)
基準値以下のものは出荷を認めることとしました。

出荷可能な154袋の検査の内訳をみてみると、
(略)
今回出荷される大豆には、14袋に1袋の確率で、
50Bq/kg以上の放射性セシウムが含まれていることになります。

参照:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000036y7k.html

平成25年7月19日
食品中の放射性物質の検査結果について(第687報)
2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果

検査結果(PDF:123KB)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000036y7k-att/2r98520000036ybu.pdf

100Bq/kgの大豆の例
No.77 福島市(旧佐倉村)H25.7.13 (33.6/67.6) 100
No.78 福島市(旧佐倉村)H25.7.12 (32.8/69.6) 100
No.201 福島市(旧庭塚村)H25.7.12 (28.3/75.2) 100

(ichinose: No.201は、要検証。Geで、H25.7.12 (28.3/75.2)の比率はオカシイ。誤測定の恐れ有り。#77,#78は理論値通り、±3%精度。(理論値:2011.3.15に放出されたCs比率は、Cs-134:Cs-137=1:1)

福島県の生データ:

【 穀類 】H25. 7.19公表: 大豆(H25. 7.11採取分)(PDF形式)

http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/mon250711c.pdf
161 福島市(旧庭塚村)H25.7.11 採取 (28.3/75.2)100

<連絡先> 環境保全農業課 〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16
電話:024-521-7342 FAX:024-521-7938 kankyouhozen_nougyou@pref.fukushima.lg.jp

[大豆加工食品のCs移行率]

http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/hatasaku_seisan_qa.html

Q9. 豆腐、煮豆等に加工した場合、放射性物質濃度は変わりますか。
A9.農林水産省において、放射性セシウムを含有する23年産の大豆(34~270 Bq/kg)を用いて加工試験を行い、放射性セシウム濃度を測定した結果、原料に用いた大豆中の放射性セシウム濃度に対し、
    1.    豆腐中の放射性セシウム濃度は平均10分の2
    2.    おから中の放射性セシウム濃度は平均10分の2(水分8%の乾燥おからに換算すると10分の8)
    3.    煮豆中の放射性セシウム濃度は平均10分の4
となりました。

この試験結果から、原料に用いる大豆を新基準値以下に管理していれば、豆腐等の加工食品の放射性セシウム濃度は新基準値を下回ることが分かります。

味噌が無いね。。

2013年7月23日 (火)

94ベクレルの大豆が出荷可能に

膨大な数の全国の自治体で実施している検査結果を網羅して厚生労働省が日報として、ダイジェストをまとめて発表を続けている。
例えば、第665報では、

食品中の放射性物質の検査結果について(第665報)

平成25年6月18日
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034si7.html

ここには、大きく2つ報告がpdfになって一覧表で報告されている。

ひとつは、

1 自治体から入手した放射性物質の検査結果

もう一つは、
2 緊急時モニタリング又は福島県の検査結果
だ。

1は、世田谷のマダムトモコ さんが丹念に目を通して、実際にスーパーで食材を手にする子育てママの視点からダイジェストの更にダイジェスト版とも言うべきメルマガを発信し続けている。(深く敬意。)

2の福島県の検査結果に限定して、「フクシマン」さんが同じく検査結果に丹念に目を通して、こちらも丹念に(非常に読みやすい)メルマガを発信し続けて下さっている。(深く敬意。)

~94ベクレルの大豆が出荷可能に~
平成25年6月16日(火)

http://ameblo.jp/masa219koro/entry-11562992684.html
基準値を下回った334袋は、
政府の新方針により出荷できることになりました。

※政府は平成25年5月17日、
両地域の大豆について、
全袋検査を終えて基準値以下と確認されることを条件に、
出荷停止を解除。

出荷可能になった334袋のうち、

297袋より、

3.3~94 Bq/kg

の検出が報告されているので、

最大94Bq/kgの大豆

が出荷可能となりました。

また、50~100Bq/kg以上のものが、

34点(全体の9%)

ありましたので、出荷可能な大豆の

約10点に1点に、

50Bq/kg以上

の放射性セシウムが含まれていることになります。

(補足)
例えば、94Bq/kgの大豆とは以下です。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034si7-att/2r98520000034smh.pdf

#171伊達市(旧富野村) 農産物 大豆 H25.6.3検査 (30.3/63.8) 94Bq/kg

<計算による検証>
30.3/63.8=0.475

H25.6.3は、
H23.3.15から811日経過。
H23.3.15にCs-134:Cs-137が1:1で放出されたと仮定すると半減期から、
H25.6.3での推定比率:0.4994
5%程度の誤差なので、ほぼ全てのCsが東京電力福島第一原子力発電所の事故由来と判断して良いと思われる。

(参考)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html
放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/01/cs130bqkg-9188.html
大豆 Cs:130Bq/kg でも「基準値越えなし」の理由

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/02/post-bf95.html
味噌に注意

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