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2013年5月

2013年5月30日 (木)

東京都に2011.3に降下した放射性セシウムの量

東京都に2011.3に降下した放射性セシウムの量

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/04/post-2c27.html

http://www.mext.go.jp/component/english/__icsFiles/afieldfile/2011/07/29/1307873_072914.pdf

Cs-137:  8100 Bq/m^2
Cs-134:  8500 Bq/m^2

■元データ

http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/mon_fallout_data.html

採取及び測定場所:
東京都健康安全研究センター(東京都新宿区百人町)

深さ5cmまで掘った土壌を仮定して、
1/65 にて、Bq/kgに換算します。

Cs-137:  125 Bq/kg
Cs-134:  131 Bq/kg

現在(2013.5.29)までの減衰は以下の通りです。
2011.3.15から現在まで 806日経過。
Cs-137: x 0.951
Cs-134: x 0.477
よって、
Cs-137: 118.5 Bq/kg
Cs-134:   62.4 Bq/kg

■空間線量率
この土壌による空間線量率の上昇は、
Cs-137:  118.5 Bq/kg
Cs-134:  62.4 Bq/kg
Cs合算  :  180.9Bq/kg

Cs: 425Bq/kgにて、空間線量率が、0.1μSv/h上昇すると仮定して、
+0.043μSv/h
の増加と推定されます。

※Bq→μSv寄与は、Cs-134 = 2.7* Cs-137ですが、ここでは未考慮です。
半減期2年のCs-134がCs合算値の中で相対的に減っているので空間線量率は更に低いと推定。

(参考)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/05/post-79c5.html
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html

2013年5月29日 (水)

土壌放射能測定 605keVに出ないのに796keVに出るCs-134とは?

土壌放射能測定 605keVに出ないのに796keVに出るCs-134とは?
[ 注意 放射能測定所オペレータ もしくは Ge測定したお客様向け記事です。 ]

テクノエーピー社のゲルマニウム半導体検出器 TG150B の判定で、判断の難しい土壌が来た。

  ・Cs-137は出た。(662keV)
  ・Cs-134は出ない。(605keV)
  ・でも、796keVにはCs-134が出ている!!

Cs-134/Cs-137の比率は、2011−3−15に福島第一原発から放出された放射性セシウムであるかどうかを判定する際に、重要な「指紋」だ。(*1)

だから、土壌から、Cs-134が出ていれば、「311以降に降った」と推定し、
土壌から、Cs-134が出なければ、「大気圏核実験の当時1964年から天に晒されている大地」と判断できる。(*2)

では、796keVに出て、605keVに出ないCs-134ってのは何だ?

Cs-134は、6つのピークを持つ (*3)
605keV 97.6%
796keV 85.5%
796は2番目のピークだから、796が出るなら、当然、605も出るはず。
しかし、605は出ていない。

これは、メーカーからは回答まだ無いけど、
Ac-228の第6番目のピーク 795keVだろうと推定する。(*4)
つまり、
Ac-228の第1番目のピーク 911keV ( 覚えやすい数字だ)が出ていれば、
795keVに出る可能性がある。
と推定しても良いと思う。

[アイメジャー信州放射能ラボ]

*1) 放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率
*2) 311前の土壌のCs137濃度
*3) Cs-134 から放出されるガンマ線
*4) 796keVでCs-134を定量するNaIシンチは、Ac-228(795keV)の影響を受ける。

2013年5月27日 (月)

平成25年5月19日の信濃毎日新聞の記事について長野県に質問を出しました

Q:平成25年5月19日の信濃毎日新聞の記事の件
[アイメジャー信州放射能ラボ]

記事には以下の記載がありました。

見出し:原発事故による「風評被害」一区切り 反転うかがう県産牛

【長野県内には汚染した稲わらは流通していない。県の肉牛の全頭検査でも、2頭から基準値以下のセシウムを検出したが原発事故との関連は不明で、計1万5千頭以上が「不検出だ」】

新聞社に確認したところ、「原発事故との関連は不明」の判断は、「県への取材結果に基づいています。」とのことでした。(*2)

平成24年9月12日の新聞記事では、「同部(県農政部)は6月に実施した検査で、同じ公共牧場で採取した牧草から同28ベクレルのセシウムを検出しており、2頭が食べた牧草にセシウムがたまっていたとみている。」と報告されています。(*5)

以上から、「牧草にたまっていたセシウムは、原発事故との関連はあるか。」が確認事項となります。

まず、該当牛の確認です。
これは、平成24年7月12日に検出された2頭の牛肉のことだと思われます。(*1)
間違いないでしょうか。

また、この牛の放射性物質の濃度は以下の通りでした。
放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率は以下の通りです。

精密検査実施日  個体識別番号  品種       Cs-134     Cs-137   飼育地
24年7月12日   1010681296 黒毛和種  11(<3.7)   16(<4.1)  長野市

24年7月11日   1035897016 黒毛和種  15(<3.6)   24(<3.7)  長野市

福島第一原発事故由来の放射性セシウムなのか、大気圏核実験由来の放射性セシウムなのかは、放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率に注目することで、およその推定ができつつあると判断しています。(*3)

(1)7月12日の汚染牛は、牛肉のトレーサビリティー記録から、食肉処分前に公共牧場での飼育が確認されていること。(*4)

(2)放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率から、福島第一原発から放出された放射性物質であると推定されること。(*3)

(3)県の追跡調査により、公共牧場の牧草から38 28Bq/kgの放射性セシウムが検出されたこと。(*5)

以上から、「2頭から基準値以下のセシウムを検出したが原発事故との関連は不明」なのではなく、「2頭から基準値以下のセシウムを検出したが原発事故に由来する。」と理解しておりますが、県の判断はいかがでしょうか。

以上

(*1)
http://www.pref.nagano.lg.jp/nousei/tikusan/housyasei/seimitukensa.htm

(*2)信濃毎日新聞からの回答
---

メールをいただきました。弊紙をご愛読いただき、 ありがとうございます。
お問い合わせを頂いた19日付の県産牛の記事です が、県への取材結果に基づいています。
弊 紙では昨年7月13日付の記事で、長野市で飼育 されていた県産肉牛2頭からセシウム(国の基準値 以下)が検出されたことを報道しました。その続報 として、県の調査でこの2頭が長野市内の公共牧場 で放牧中に牧草を食べており、牧草からセシウムが 検出されたことを伝えました。
そのセシウムが自然界に由来するのか、原発事故と 関係するのか、などは特定されておらず不明です。
信濃毎日新聞編集応答室
---

(*3) http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-1d72.html

(*4) http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/07/post-7107.html

(*5) http://www.shinmai.co.jp/eastjapan_quake/2012/09/post-2442.php
「同部は6月に実施した検査で、同じ公共牧場で採取した牧草から同28ベクレルのセシウムを検出しており、2頭が食べた牧草にセシウムがたまっていたとみている。」

(修正履歴)
2013.6.11 公共牧場の牧草から38 28Bq/kgの放射性セシウム

2013年5月21日 (火)

土壌汚染まとめ

twitter より 

@ichinoseshu 2013年5月21日 - 17:59

土壌汚染まとめ。

311前はこうだった。1964年120Bq/kgがピーク。 http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/03/311.html

震災後の農水省発表。
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20120324/1332606717

河野先生@京大が全国の降下量を「松葉」で計測した。 http://d.hatena.ne.jp/scanner/20130108/1357654981

農水省が 0-500Bq/kgで分類した土壌。土壌深さ方向の濃度分布は逆三角形になっている。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/08/2012621-9b70.html
よって表層は深さ5cm平均の2倍や5倍でも変じゃない。

今年3月中旬、TV報道はPM2.5騒ぎで憎悪の視線が海外に向けられていた頃、草加市に舞っていた砂塵を集めて、市民測定所で放射性物質濃度を計測した。結果は4千Bq/kgを越えていた(日暮里ニッコリ館)。これは決して大げさでなくあり得る数字だと思う。要警戒。

500Bq/kgの影響をサーベイメータで測るには限界がある。何故なら大まかな予測としては
「425Bq/kgで0.1μSv/h上昇する。」
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/05/425-bqkg-svh-81.html
程度だからだ。なので、土壌の放射能を測ることをお奨めする。

○放射能測定のための土壌のサンプリング方法(暫定案) http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/07/post-57b8.html
311後、手を加えていない土地であるならば、「濃度分布が、逆三角形になっている」ことを意識し深さを厳格に守ってサンプリングしてください。
(了)

2013年5月18日 (土)

江戸川産のウナギの放射性セシウム濃度が基準値を超えた

江戸川産のウナギの放射性セシウム濃度が基準値を超えた

近畿大学山崎秀夫教授の調査結果を踏まえて水産庁が同じ検体を再測定した結果が昨日公表された。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/kekka.html

江戸川産のウナギの調査結果について(PDF:132KB)
(2013.5.17)

http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/pdf/130517_result_eel.pdf

検体, 測定日, Cs合算値
- ウナギ001(309g), 2013.3.14 ,
 筋肉部 147.5+-2.5 Bq/kg,
 筋肉部(皮付き) 119.8 +- 2.4 Bq/kg
- ウナギ002(165g), 2013.5.2, 129.6+-2.9 Bq/kg
- ウナギ003(139g), 2013.5.2, 102.5+-3.5 Bq/kg
- ウナギ004(60g), 2013.5.3, 97.4+-2.2 Bq/kg
- ウナギ005(103g), 2013.5.7, 102.5+-2.6 Bq/kg

※Csは、筋肉に集まることが2013.3.14の結果からも分かる。

<参考>
東京湾に注ぎ込む河川の川底土壌の放射性物質濃度 (2012.1.15)
※最大値で 放射性Cs : 1623 Bq/kg

福島県の河川の川底土壌の放射性物質濃度 (2012.6.30)

【放射能測定結果公開】東京湾、木更津市盤洲干潟の海底土壌 (2013.4.6)

【追記】 東京湾の魚を持続的に調査している さかな-さんぺい さんからメンションを頂いたので、紹介します。

さかな-さんぺい ‏@SSanpei @ichinoseshu 追加。水産経済新聞3月11日に掲載。江戸川と荒川の下流域における底土の状況と時間的な変化の図を引用します。図中の河口からの距離は河口から上流に向けての距離。時間経過に伴い低減傾向。江戸川河口上流10キロに堰


さかな-さんぺいさんのtwitter履歴は上の図をクリックすると出ます。

[ウィキペディアによると堰(江戸川水閘門)の位置は旧江戸川河口から9.3kmの位置との事。荒川は河口から30Km以上上流に秋ヶ瀬取水堰があり、その堰まで塩水の遡上がみられるとの事。]


江戸川河川事務所

 

事故後の比較的初期では、粒子と反応しなかった成分が溶存態として河川へと流入した可能性を示唆
(放射化学 第27号 など論文へのリンクがあります。)

(記事履歴) 2013-5-20 さかな-さんぺい さんのtwitter情報をリンクしました。

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