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2013年4月

2013年4月26日 (金)

協力者を募集します 井戸水を定期的、継続的に計測しよう

募集を終了しました。ご協力ありがとうございます。
プロジェクトの進捗報告は、次の記事をご覧下さい。
信州井戸水測定プロジェクト

■□■ 協力者を募集します ■□■

〜 井戸水を定期的、継続的に計測しよう 〜

ゲルマニウム半導体検出器で
井戸水の放射能や核種一覧を
継続的に調査するプロジェクト
を始めます。
○募集期間:2013−4−26〜5−17。
○測定開始:2013年6月(予定)
○対象地域:
 長野県塩尻市、松本市(他、長野県内で希望あれば対応します。
○検査対象:井戸水、湧水
○測定方法:1Lマリネリ容器、ゲルマニウム半導体検出器。
○期間:1年間。(結果により継続の可能性あり)
○測定頻度:2回/月(年間、26回)(予定)
○募集数:最大8カ所。(募集数に達しましたら募集期間前に終了します。)
○放射能測定費用:無料
○検体送料:弊社で負担(着払い)。容器を提供します。

○測定結果:井戸水提供者に公開します。弊社内部研究用途とします。
 必要に応じて、井戸水提供者に事前承諾の上、測定結果を公開します。
○その他:
(1)現在使っている井戸をお持ちの方で、
(2)放射能測定調査に継続的に協力して頂ける方、
(3)測定用の水を往復便のペットボトルに詰めて1リットル弊社に送付する作業を続けてくださる方。

○問い合わせ先
アイメジャー株式会社 信州放射能ラボ 代表 一ノ瀬修一
電子メール: info_at_imeasure.jp
_at_ を @ に変えて使用してください。
電話: 0263-50-8651 (アイメジャー株式会社 代表電話)


測定箇所 W2013-001:茅野市、W2013-002:佐久市、W2013-003:黒姫、W2013-004:長野市、W2013-005:松本市井川城、W2013-006:立科町、W2013-007:松本市中山、W2013-008:安曇野市、レファレンス:塩尻市水道 



(記事履歴)
2013-4-26 投稿

2013-4-27 更新
2013-4-28 更新
2013-5-2 更新

2013-5-16 更新
2013-5-17 更新 プロジェクトの進捗報告 へのリンク

2013年4月17日 (水)

放射能の基礎知識 ストロンチウムは環境に出してはならない。

放射能の基礎知識

 ストロンチウムは環境に出してはならない。


ストロンチウムの何が問題か。



(1)ヒトは次世代に染色体(DNA)を使って命をつなぐ。

(2)太陽からの紫外線は、いのちを次世代に繋ぐ染色体の中身DNAを破壊する危険な光。

(3)植物が地上に繁栄し光合成をすることで生み出した酸素が地球大気にオゾン層を作った。紫外線が和らぎ、生命は地上に上陸できた。

(4)ヒトを含む脊椎(せきつい)動物は、体を制御する神経系を硬い骨で被って保護するとともに必須元素であるカルシウムを体内に蓄える。



(5)放射性物質の放つガンマ線やβ線は、紫外線のエネルギー(4eV)の15万倍も強い光や粒子だ。DNAが放射線を浴びると次世代への複製のエラーが起きて子どもが生まれなくなったり、遺伝的な病気を起こしたり、命をつなぐことが不可能となる。

(6)生命はストロンチウムとカルシウムの見分けをつけることができない。ストロンチウムを体内に取り込むと確実に骨に蓄えられる。



(7)免疫系という自分と外敵を見分ける仕組みが自分を守っている。風邪を引いても免疫系が抗体を生み出して病原菌をやっつけてくれる。



(8)ストロンチウムが骨に入れば、免疫系の中央指令センターである骨髄がやられる。その結果、免疫力が低下する病気が現れる(例えば、急性骨髄性白血病が増加すると推定される。)



(9)ストロンチウム90の半減期は28.8年。150年経過しても、3%残る。



(10)もし海水のストロンチウム濃度が高まれば、魚の骨にストロンチウムが蓄積される。



(11)短期間であれば、少なくも出所不明な魚の骨は食べないなどの回避策は有る。でも、確実に汚染された海産物のカルシウムが流通する。やがてそれらは、鶏のエサ、豚や牛のエサに使われる。



(12)食物連鎖により生態系の下位から上位に特定元素が濃縮される。ストロンチウムは確実に食物連鎖の最上位の生物に向かって、濃縮されて行く。食物連鎖の最上位の生物とはヒトだ。

だから、ストロンチウムは環境に出してはならない。



(2013−4−9,一ノ瀬)

生体濃縮という仕組み

生体濃縮という仕組み

(1)Ag-110mは、人工の放射性物質であり、2011年3月に大量に大気中に観測された。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/04/post-2c27.html

(2) イカ、タコ、カニ、カキなどは、銅(Cu)イオン(ヘモシアニン)を使って血中酸素を輸送する。
※ヒトは、鉄(Fe)イオン(ヘモグロビン)を使って血中酸素を輸送する。

(3)これらの生体は、銀と銅の見分けが付かずに、銀であっても同様に取り込む。
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20130219/1361233803

(4)「ヘモシアニン」を使って血中酸素を輸送する生命は、微量であっても環境中から、せっせとかき集め体内で濃縮する仕組みを持つ。例えば、甲殻類は、2万5千倍濃縮をする。

http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010402/05.gif

Cu 濃縮率
刺皮類 3.4E+02 = 340
甲殻類 2.5E+04 = 25000
二枚貝軟体部 4.2E+03 = 4200
巻貝軟体部 1.9E+04 = 19000
頭足類 1.4E+04 = 14000
原索類 1.0E+04 = 10000

(5)計算
例えば、海中にAg-110mが、0.001Bq/kg(=1mBq/kg)存在した場合、
2万5千倍濃縮されると、25Bq/kgとなる。
半減期250日なので、500日経過した段階では、
1/4となり、6 Bq/kg程度は残留することになる。

(参考)
Ag-110mについて [2013.7.29]
http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=470410
光子エネルギー[keV]と放出割合
657.762 94.0%
763.944 22.1%
884.685 72.2%
937.493 34.13%
1384.300 24.12%

※もし、NaI(Tl)シンチでAg-110mを検出した場合は、Cs-137(662keV)として判定される。しかし、885keVにもピークが有るかどうかを判断することで、NaI(Tl)シンチであっても、Ag-110mの検出が可能と思われる。

(資料)
「110mAgは、イカの内蔵に検出される。」
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/lib/No7-5.pdf

放射能測定法シリーズ 7 ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー

page-221(pdf ページ 44/61 )

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/ag110m.jpg


追記)2014.1.8
銀110mの分布。
平成 24 年 9 月 1 日時点。平成 24 年 12 月 1 日時点。
福島第一原子力発電所から 80 km
圏内の空間線量率及び放射性物質沈着量の測定
http://fukushima.jaea.go.jp/initiatives/cat03/pdf05/appendix2-2-1.pdf
http://fukushima.jaea.go.jp/initiatives/cat03/pdf05/cover.pdf

(記事履歴)
2013.7.29 追記「Ag-110mについて」
2013.8.8 追記 放射能測定法シリーズ
2014.1.8 追記 銀110mの分布。
2014.4.25 放射能測定法シリーズ7 [110m Ag イカの内蔵に検出される]を挿入。

環境放射能水準調査結果 全都道府県の2011年3月の月間降下物

環境放射能水準調査結果 全都道府県の2011年3月の月間降下物

文部科学省 2011.7.29 発表

http://www.mext.go.jp/component/english/__icsFiles/afieldfile/2011/07/29/1307873_072914.pdf

放射性ヨウ素131
放射性セシウム134
放射性セシウム137
他検出された人工放射性核種が表に掲載されています。

長野県長野市の場合は、下記の核種が確認されています。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/11/20113-75c1.html

Nb-95,
Ag-110m,
Te-129,
Te-129m,
Cs-136,
La-140

Ag-110mについて:
・血中のヘモシアニン(Cu)にて酸素輸送する生命は、Ag-110mを生体濃縮します。イカ、カキなど内臓を食する場合留意が必要です。
Ag-110mの半減期は、250日です。

(M.S.さんに感謝)

2013年4月15日 (月)

Cs-137は、土壌から農作物へどの程度移るのか

土壌の放射性セシウムの濃度を計測した後、次に問題になるのは、土中の放射性セシウムが農作物にどの程度移るのか、です。

土壌の放射性物質が、その土壌で作られた農作物にどの程度移行するのかを表す指数を「移行係数」と呼びます。

農作物中の放射性物質濃度[Bq/kg]

= [移行係数]x 土壌の放射性物質濃度[Bq/kg]

※土壌は乾燥土壌です。湿った土で計測した値は、乾燥後更に高い値になります。

農林水産省は、ホームページにて、既存の論文の値を整理して一覧表にしています。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/110527.html

葉菜類 ホウレンソウ、カラシナ、キャベツ、ハクサイ、レタス
果菜類 カボチャ、キュウリ、メロン、トマト
果実的野菜 イチゴ
マメ類 ソラマメ
鱗茎類 タマネギ、ネギ
根菜類 ダイコン、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモ
詳しくは、下記pdfをご覧下さい。

http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/pdf/110527-01.pdf

644keVに現れる不明な核種 Bi-214のシングルエスケープ

(この説明は確定情報ではなく、仮説です。)

電子対生成エネルギー 511keV x 2=1022keVを超えるガンマ線エネルギーを計測した場合に、エネルギーの一部が、電子対生成に吸収され、残りが「不明核種のガンマ線」と現れる現象が起きます。
これを「シングルエスケープ(%1)」と呼びます。

この場合、
[現れる不明の光子エネルギー(keV)
 =捕らえた核種の光子エネルギー(keV) − 511keV]
となります。

具体的な事例)
http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=830214
Bi-214
1155.19keV 1.63%

シングルエスケープにより、
1155-511=644keVにピークが現れる。

(Thanks to Mr.Murakami)

%1)エスケープピーク

平成11年4月 大阪大学 岡村弘之 物理学実験 ガンマ線
NaIシンチレーション検出器を用いたガンマ線の測定

http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~okamura/saitama-u/work/gamma.pdf

2013年4月 9日 (火)

796keVでCs-134を定量するNaIシンチは、Ac-228(795keV)の影響を受ける。

【注意:NaIシンチもしくはゲルマを用いて食品放射能の測定に携わるオペレータ向けの記事です。】

ゲルマで土壌を計測定量しました。
(さかな-さんぺいさんのご好意で公開されたデータです。)

NaIシンチは、796keVでCs-134を定量し、
605-622keVでCs-134+Cs-137を定量し、
K-40によるコンプトン散乱分を差し引くなどの工夫で定量精度を上げていると伺っています。
しかしそれでも、土壌の定量は難しく、ウラン系列やトリウム系列の核種がイタズラをするようです。

今回ご紹介するのは、796keVでCs-134を定量する場合に影響するAc-228のスペクトルの局所部分の拡大図です。
Cs-134とAc-228が重なって見えていると思われるスペクトルを得ましたのでご紹介します。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/04/post-aa9d.html

560-810keVの光子エネルギースペクトルの拡大図を見ると、
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/scanner/20130406/20130406033755_original.jpg

796keVの位置に
Cs-134とラベルがされております。
しかし良く見るとこの場所は2つの山が重なって見えます。
これは、
Ac-228 : 795keV
Cs-134 : 796keV
と推定されます。

装置は、(この図には記載ありませんが、)
Cs-134(605keV):0.36+-0.10 Bq/kg
Cs-134(796keV):0.82+-0.11 Bq/kg
と定量しています。

ただ、
装置のアルゴリズムは、(恐らく)Cs-134の放出割合の大きい605keVを採用している。
また、796keVの値は、明らかに、Ac-228により水増しされていると推定されます。

ちなみに、光子エネルギー全域のスペクトルは次の通りです。
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/scanner/20130406/20130406033752_original.jpg
放出割合の最も大きい(25.8%)911keVの Ac-228で定量している模様です。
装置は、(この図には記載ありませんが、)
Ac-228 : 7.03+-0.59Bq/kg と定量しました。

以上です。

p.s.ですので、もっと賢くNaIシンチの定量アルゴリズムを作るのであれば、911keVを見てAc-228を定量し、Cs-134(796keV)から差し引けば良いと思われます。

2013年4月 6日 (土)

【放射能測定結果公開】東京湾、木更津市盤洲干潟の海底土壌

【放射能測定結果公開】2013-4-6
・依頼者:さかな-さんぺい 氏 ( @SSanpei
・検体:東京湾、木更津市盤洲干潟の海底土壌
・放射能(放射性セシウム濃度)計測値:
  Cs:0.9 +- 0.2 Bq/kg
  Cs-137: 0.5 +- 0.1 Bq/kg
  Cs-134: 0.4 +- 0.1 Bq/kg
・測定日:2013.4.5
・重量:1530g
・容器:マリネリ1L
・測定時間:12時間
・計測装置:ゲルマニウム半導体検出器(テクノAP社製 TG150B)
・測定者:アイメジャー株式会社 信州放射能ラボ (一ノ瀬)
・光子エネルギースペクトル図:
[560~810 keV]

[2~2002 keV]

・土壌採取日: 2013- -

・土壌採取地
Google Map
https://maps.google.com/maps?q=35.446652,139.919311

Google Map (航空写真

・補足説明
・728keVのピークは、Bi-212と推定します。
http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=830212
727.330 keV 6.58%

・768keVのピークは、測定装置出力では、
Bi-214 768.0keV
Nb-95 766.0keV
を重複表記しております。エネルギー校正は+-1keV未満と判断できるので、Bi-214であると推定します。

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