644keVに現れる不明な核種 Bi-214のシングルエスケープ
(この説明は確定情報ではなく、仮説です。)
電子対生成エネルギー 511keV x 2=1022keVを超えるガンマ線エネルギーを計測した場合に、エネルギーの一部が、電子対生成に吸収され、残りが「不明核種のガンマ線」と現れる現象が起きます。
これを「シングルエスケープ(%1)」と呼びます。
この場合、
[現れる不明の光子エネルギー(keV)
=捕らえた核種の光子エネルギー(keV) − 511keV]
となります。
具体的な事例)
http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=830214
Bi-214
1155.19keV 1.63%
シングルエスケープにより、
1155-511=644keVにピークが現れる。
(Thanks to Mr.Murakami)
%1)エスケープピーク
平成11年4月 大阪大学 岡村弘之 物理学実験 ガンマ線
NaIシンチレーション検出器を用いたガンマ線の測定
NaIシンチレーション検出器を用いたガンマ線の測定
http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~okamura/saitama-u/work/gamma.pdf
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