ゲルマの落とし穴 その2 Sr-85
ゲルマの落とし穴 その2
■ 陽電子消滅 ( 511 keV ) と Sr-85 ( 514 keV )
ゲ ルマニウム半導体検出器(テクノエーピー社 TG150B)は、解析ソフトウェアに核種一覧のデータベースを持っており、測定後に検出された核種のエネルギー値から核種を推定します。
推定した結果は核種一覧表として報告、出力されます。
ゲルマニウム半導体検出器の光子エネルギー分解能は1〜2keVのため、近接するスペクトルの核種候補が複数存在する場合、検出された一つのスペクトルに対応して、複数の核種が表示されること場合があります。
陽電子消滅 ( 511 keV ) と Sr-85 ( 514 keV )はその一つの対です。
この事例では、
511.3keVに検出された1つのスペクトルを
2つの核種の可能性として判断し、一覧に重複表記しています。
陽電子消滅(511keV)
Sr-85 (514keV)
エネルギー校正がきちんとなされていれば、1keV以上のズレは発生しません。
ただ、TG150Bに搭載されているソフトウェアは、+3keVのズレであっても候補として複数の核種が表示掲載されます。
ユーザーは、検出されたスペクトルの光子エネルギー値を確認して、判断する必要があります。
この場合には、既知のスペクトル(Bi-214, 609keV)(K-40, 1460.8keV)などが正確な光子エネルギー値で捕らえられているかどうかを確認し、判断します。
(参考)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/06/post-89aa.html
ゲルマの落とし穴 シンチの落とし穴
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/08/post-ca76.html
核種一覧表の見方
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