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2013年3月

2013年3月15日 (金)

ゲルマの落とし穴 その3 Co-60

ゲルマの落とし穴 その3 Co-60

サムピークという現象があります。
同時に捕らえた2種の光子エネルギースペクトルを一つのエネルギー値と見なしてカウント表記される現象です。
(サムとは足し算の意味です。)

Cs-134は、主に6つの光子エネルギーのガンマ線を放出します。
光子エネルギー(放出割合)
---
Cs-134
563 keV (   8.4%)
569 keV ( 15.4%)
605 keV ( 97.6%)
796 keV ( 85.5%)
802 keV (   8.7%)
1365 keV (3.0%)

---
アイソトープ手帳 p63

Cs-134のガンマ線 605keVと569keVのガンマ線が重なったピーク(サムピーク)は、1174keVに現れます。

一方、Co-60の放出するガンマ線は下記の通りです。
光子エネルギー(放出割合)
---
Co-60
1173keV (99.9%)
1333keV(100%)

---
アイソトープ手帳 p28

Cs-134のサムピーク 1174keVと

Co-60が放出する主要なガンマ線の一つである1173keVのエネルギー差は、1keVしかなく、ゲルマニウム半導体検出器の光子エネルギー分解能未満です。そのため装置の核種データベースソフトウェアは、Co-60として判定表記します。

ユーザーは、この場合、Co-60の別の光子エネルギースペクトルも同時に現れているかどうかで判別します。
すなわち、
1173keV (99.9%)
1333keV(100%)
が同時に検出されていれば、Co-60の存在は間違いはありません。
一方で、
605 keV ( 97.6%) にCs-134が検出されている状態にて、
1174keVのいにCo-60が検出されているのであれば、こちらはCs-134のサムピークであると判定できます。

(参考)
http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/coe/jp/activities/elearning/lecture/01-0105.html
長崎大学のe-learningのスライドです。
Co-60の2つのスペクトルをゲルマニウム半導体検出器とNaIシンチレーション式検出器でエネルギー分解能を比較しています。
(音声が有ります留意。)

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/08/post-ca76.html
核種一覧表の見方

ゲルマの落とし穴 その2 Sr-85

ゲルマの落とし穴 その2

■ 陽電子消滅 ( 511 keV ) と Sr-85 ( 514 keV )

ゲ ルマニウム半導体検出器(テクノエーピー社 TG150B)は、解析ソフトウェアに核種一覧のデータベースを持っており、測定後に検出された核種のエネルギー値から核種を推定します。

推定した結果は核種一覧表として報告、出力されます。
ゲルマニウム半導体検出器の光子エネルギー分解能は1〜2keVのため、近接するスペクトルの核種候補が複数存在する場合、検出された一つのスペクトルに対応して、複数の核種が表示されること場合があります。

陽電子消滅 ( 511 keV ) と Sr-85 ( 514 keV )はその一つの対です。



この事例では、
511.3keVに検出された1つのスペクトルを
2つの核種の可能性として判断し、一覧に重複表記しています。

陽電子消滅(511keV)
Sr-85 (514keV)

エネルギー校正がきちんとなされていれば、1keV以上のズレは発生しません。
ただ、TG150Bに搭載されているソフトウェアは、+3keVのズレであっても候補として複数の核種が表示掲載されます。
ユーザーは、検出されたスペクトルの光子エネルギー値を確認して、判断する必要があります。
この場合には、既知のスペクトル(Bi-214, 609keV)(K-40, 1460.8keV)などが正確な光子エネルギー値で捕らえられているかどうかを確認し、判断します。

(参考)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/06/post-89aa.html

ゲルマの落とし穴 シンチの落とし穴

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/08/post-ca76.html
核種一覧表の見方

2013年3月 8日 (金)

朝日新聞 2013.3.6 長野県版に一ノ瀬代表のインタビュー記事が掲載されました。

朝日新聞 2013.3.6 長野県版に一ノ瀬代表のインタビュー記事が掲載されました。

朝日新聞2013.3.6(第2長野地方面)第26面

「きょういく長野」の欄にアイメジャー信州放射能ラボ 一ノ瀬修一代表へのインタビュー記事が掲載されました。

記事は、今年度から中学校の理科で、放射線の学習が約30年ぶりに復活したことを受けて、ほぼ1面に渡って放射線教育に取り組む先生方を取材した様子が記事として掲載されています。

その中で、アイメジャー信州放射能ラボの一ノ瀬代表へのインタビュー記事として掲載されてた内容は以下の通りです。

農作物や加工食品の放射能検査を業務とする「アイメジャー信州放射能ラボ」(塩尻市)の一ノ瀬修一代表は、中学の理科の先生たちのグループや県内外の高校、地域の集まりなどで講師を務めることが多い。
講習では、測定機器の現物を見せ、実際に食品の放射能を測ることによって、目に見えない物の特性を知ってもらう。

学校現場での教育に求めることは、「自分の身を守るためにはどうしたらいいか、という点に尽きる」と指摘する。

「むやみに恐れる必要はないが、100%安心と無関心になるのもどうか。入ってきた情報を自分でそしゃくして取り込む『情報リテラシー』が重要で、自分なりに判断する力を持てないと身を守れない。だから、理科の学習というよりも、自発的な動機づけをもとに知りたいことを学んでいく総合的な学習に近い。そう意識づけてほしい」
と、学校現場に期待する。

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