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2012年9月

2012年9月26日 (水)

新米の季節です。信州放射能ラボでは、お米の放射能測定を行っています。

新米の季節です♪

- 信州放射能ラボでは、お米の放射能測定を行っています。

- ゲルマニウム半導体検出器を使って、放射性セシウムの濃度値 1ベクレル/kg未満(1核種、3σ判定)まで計測します。

- 料金は、
一般家庭(スペクトル有り、%1)は、8千円(税込み)
事業主様(証明書有り)は、2万千円(税込み)

- お米を6合ご用意ください。

- 玄米、精米いずれも可能です。

※0.5ベクレル/kg(1核種、3σ判定)のコースもございます。
※玄米のままの方が放射能値は高くなります。(%2)

■一般家庭向け予約フォーム
https://www.imeasure.jp/?page_id=427#form

■事業主様向け予約フォーム
https://www.imeasure.jp/?page_id=427#campany-form

トップページ
https://www.imeasure.jp/?page_id=427

%1)一般家庭(スペクトル有り)
https://www.imeasure.jp/?page_id=1016#q4
Q4:測定結果はどのような形で報告してもらえますか?
をご覧下さい。
 
%2)玄米のままの方が放射能値は高くなります。
農林水産省>> 玄米から米ぬかへの放射性セシウムの移行係数は8 http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/01/post-23a8.html

2012年9月20日 (木)

量の少ない検体を使ってどのように放射能を定量するか。

「検体の体積が規定の量に足りない場合、検体の体積が少なくなるにつれて、測定される放射能値がどの程度、誤差となってズレてしまうのか。」

を検証する過日の実験:
iSHL実験報告:検体体積精度と放射能測定誤差の関係
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/09/ishl-db48.html
で得た校正カーブ

を利用する実験。

200mLしかない、お茶葉の検体を750mL容器に入れて測定中です。

・・
茶葉が容器の中で、浮かないように、
ダンボールで作った「落としフタ」を入れる。
その上に、12号ポリビニール袋に「水」を入れて納めます。
水が重しの代わりとなります。
200mLの水平ラインがきちんと出て、具合良さそうです。
・・
(後で写真を入れます。)

2012年9月12日 (水)

iSHL実験報告:検体体積精度と放射能測定誤差の関係

1.目的
以前の記事で、弊社ゲルマニウム半導体検出器による測定結果の精度について、考えられる要因を洗い出した。(%1)

今回は、その要因の中で、

  1−2.相対定量に影響する要因〜繰り返し再現に影響する要因
  (要因71)容器へ検体を詰めた際の幾何学的な要因
  (要因711)容器への検体を詰めた際の 体積精度

に関した実験を行う。
つまり、規定体積の容器に対して、検体の体積が過剰(もしくは不足)した場合に、放射能測定結果にどのような影響を及ぼすか、その傾向を把握することが目的となる。

2.実験方法
標準線源(放射性セシウム合算値、約27Bq/kg汚染された玄米)を規定量、ならびに、合計5水準体積(質量)を変えて充填し、放射能を計測する。
測定:ゲルマニウム半導体検出器。テクノエーピー社 TG150B
容器:750mLパッカ容器

3.結果
検体正味重量ならびに、Cs-137,Cs-134,Cs合算値の測定結果は下記の通りである。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/rpt_750ml_table_fig.png

4.解析
規定重量近傍での、体積変動に対する,放射能測定値変動の比率は、−0.57であった。
言い換えると、この750mL容器においては、規定体積よりも、充填検体の体積が、減少(もしくは、過剰)した場合、その体積変動率が、放射能変動率へ寄与する比率は、−0.57である。
例えば、体積変動率を規定量に対して−10%精度で管理した場合、放射能測定結果への影響は、+5.7%となる。(体積が減ると、放射能値は誤って増加する。)

%1)弊社ゲルマニウム半導体検出器による測定結果の精度について

 

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/09/post-2367.html

iSHL実験報告:日本茶の放射能抽出率の測定

iSHL : iMeasure Inc. Shinshu Houshanou Laboratory

【iSHL 実験結果報告】 日本茶の放射能移行係数抽出率の測定

1.目的
放射性セシウムに汚染された日本茶の茶葉から、規定のお茶の淹れ方に従って飲料茶を淹れた際に、飲料茶に移行する放射性セシウムの絶対量を測定し、移行係数抽出率を求める。

2.結論
移行係数抽出率は、6%であった。

3.実験方法
(1)市販の茶葉を購入。ティーバックを1リットルマリネリ容器に詰め、放射性セシウムの濃度と正味重量を測定する。
放射能測定装置:
テクノエーピー社 ゲルマニウム半導体検出器 TG150B

(2)規定のお茶の淹れ方(%1)に従って、お茶を淹れる。淹れた飲料用茶を1リットルマリネリ容器に移し、体積を1リットルに水増しした後、放射性セシウムの濃度と正味重量を測定する。

(3)残った茶葉を500mLタッパに詰め、放射性セシウムの濃度と正味重量を測定する。

4.実験結果

(1)ティーパックの放射性セシウムの濃度と正味重量
放射性セシウム合算値:175.1Bq/kg
正味重量:404g

・1Lマリネリ容器に、ティーパックを87袋充填することができた。
計算
正味放射能値:70.7404Bq/87袋
一袋あたりの放射能値:0.8131Bq/袋

(2)お茶を淹れる。
ティーパック:30袋
0.8131Bq/袋 X 30
A= 24.39 Bq

放射能測定結果
飲料
1.5+-0.3Bq/kg
1L

補足:
淹れた飲料茶の重量
1240-(670g)=570g
430ccの水を追加して総量を1Lにする。

B= 1.5 +- 0.3 Bq

(3)残った茶葉

残った茶葉
42.1 +- 2.4 Bq/kg
正味重量 555g

正味放射能値:
C=23.37 Bq

■検証
全投入セシウム量:A
飲料に移行した量:B
茶葉に残留した量:C

放射性セシウム総量保存
A=B+Cであるはず。
A=24.39Bq
B+C= 1.5 + 23.37 = 24.87 Bq
判定:2%精度で測定値は整合している。

■結果:
茶葉から飲料への移行抽出量:
B/(B+C)
=1.5/(1.5+23.37)=1.5/24.87= 0.06

誤差を標準偏差(σ)として、
1.5+0.3=1.8

=1.8/(1.8+23.37)=1.8/25.17= 0.0715

1.5-0.3=1.2
=1.2/(1.2+23.37)=1.2/24.57= 0.0488

■結論:
放射性セシウムに汚染された、粉状の緑茶のティーパックからお茶を淹れる実験を行った。
その結果、茶葉から飲料のお茶に移行す抽出される放射性セシウムの移行抽出率は、6%(測定誤差1σにて5〜7%)であった。

(%1)規定のお茶の淹れ方
お湯の温度:70℃
淹れる時間:_分
出典:2011.12._信濃毎日新聞

(記事修正履歴)
2013.9.4 「移行係数」を抽出率に変更。
※移行係数は、一般的に、土壌の放射性物質濃度と、農作物の放射性物質濃度の比率を意味するとのご指摘を頂きました。C-Labのo様ありがとうございました。

2012年9月10日 (月)

Q:初めて導入する測定所のマシンとして、LaBr3はどうでしょうか?

Q:初めて導入する測定所のマシンとして、LaBr3はどうでしょうか?

TechnoAP社 LaBr3シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ、TS-150Bの評価

1.長所:

(1)LaBr3の最大の特徴は、Cs-137の独立定量

LaBr3は、エネルギー分解能がNaIよりも2倍近く高いため、近隣核種の影響を受けずに(すくなくとも今まで検査した検体で、662keV周辺に疑似核種は存在していません。)
特に、土壌や堆肥などでのK-40の影響や、Cs-134、Bi-214が混在している時であっても、Cs-137の存在のみを独立して検出できます。
NaIシンチは、この芸当はできません。

2.欠点:

(1)検出センサの体積が小さい
LaBr3は、エネルギー分解能がNaIよりも2倍近く高いため、S/Nは稼げます。
また、結晶としての検出効率は、NaIに較べ、約1.3倍あります。(%1)
ただし、大きな結晶を得にくいため、現状入手可能な機種は、1.5インチ品が最大です。
結果、NaIの3インチ機に較べると、10Bq/kg未満では、検出限界値は劣ると想います。
2.5インチNaIと較べるとどちらが検出効率が高いのか、不明です。
きちんと比較したことがありません。

(2)Cs-134誤検出
Laの同位体元素の自己崩壊によるコンプトン後方散乱のがピークが、Cs-134の山、796keV付近にあります。
このため、NaIがCs-134の定量に使う領域(ROI:Resion Of Interest)に使えません。そのため、Cs-134を605keVのROIで定量します。
結果、609keVのBi-214の影響を受けます。

現在のソフトウェアドライバのバージョンでは、Cs-134が無くても、
土壌検査をすると、Cs-134を(Bi-214に依存して)誤検出します。
その場合、Cs-137は、NDなので、放射性セシウムは含まれていないと判断しなければなりません。こうした運用オペレータのスキルが必要です。

ただし、このCs-134誤検出の欠点は、NaIも全く同様です。
NaIは、Cs-134を796keVで定量(A)、605-622keVでCs-134+Cs137を定量(B)
A→Cs-134
B-A→Cs-137
と定量します。
ここに、要因として、
バックグランド、
K-40のコンプトン散乱増加。
の影響を差し引きます。
結果、Bi-214,Tl-208,などの天然核種の影響は回避できません。

3.他
弊社では、LaBr3機は、10時間稼働し、
1.0Bq/kg (1.645σ)
で使っています。
検出された場合のLaBr3でのCs-137の定量値は、
クロスチェックするゲルマニウム半導体検出器のCs-137の定量値に較べ、「常に大きい」です。

結論:
LaBr3 (TechnoAP TS-150B)は、Cs-137のスクリーニングマシンとしては非常に優秀ですが、10Bq/kg以下では、NaI-3インチ機と比較すると、検出限界や、定量精度の観点から、ダントツお勧めの機種とは言い切れません。

別の言い方をするならば、ゲルマニウム半導体との連携定量(クロスチェック)体勢が確保できるのであれば、2台体制の最初の1台として導入は有りだと考えます。

例えば、県所有のGeをクロスチェックに使用できる環境を整えておいて、市民測定所側で、LaBr3機を導入する、というのは理想的な体勢です。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2011/09/2ts150b-9d43.html

(2012-9-10、一ノ瀬@iSHL iMeasure Shinshu Houshanou Laboratory )

参考)
信州放射能ラボFAQ
Q10:高品位コースでの測定結果がセシウム134のみ検出の場合、
どんなことが考えられますか?

%1)
http://speed.sii.co.jp/pub/segg/hp/prod_detail.jsp?mcatID=328&sbIcatID=460&prodID=50415#ProductDetail
http://www.ortec-online.com/download.asbx?AttributeFileId=e0a47196-05ea-4e35-a5a7-7ab39c66f6e1

弊社ゲルマニウム半導体検出器による測定結果の精度について

技術資料(iSHL Technical Report)
2012-9-10
アイメジャー株式会社 信州放射能ラボ

弊社ゲルマニウム半導体検出器による測定結果の精度について

■目的:

ゲルマニウム半導体検出器の測定結果に影響する要因を全て洗い出し、お客様に提供する測定値に関するトレーサビリティーを保証するための環境を整備する。

■内容:

1.定量に影響する要因
現在弊社で把握している放射性物質濃度の測定値に関連する要因ならびに要因毎のバラツキは以下の通りです。

1−1.絶対定量に影響する要因

(要因1)ゲルマニウム半導体検出器 個体差

・機種:テクノエーピー社 TG150B
・シリアル番号:001
・導入日:2012-5-20

(要因2)ゲルマニウム半導体検出器 検体装填空間のコンタミ(汚染)

(要因3)ゲルマニウム半導体検出器 遮蔽

・鉛50mm遮蔽
・銅__mm遮蔽
・アクリル板__mm遮蔽

(要因4)ゲルマニウム半導体検出器 設置環境

(要因41)設置箇所の空間線量の光子スペクトル

・長野県塩尻市大門幸町 中島コーポ 1F中号
N36.116696E137.955314

(要因42)設置箇所の気温

(要因5)ゲルマニウム半導体検出器 駆動条件

(要因51) 測定時間

・容器毎に測定時間vs検出限界値を得る。
・X軸:測定時間、Y軸:検出限界値をグラフにして、両対数座標軸で表示する。
・漸近線を得て、検出限界値推定のための近似式を得る。
詳細は下記:
ゲルマニウム半導体検出器の検出限界を測る
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/06/post-ebe3.html

(要因52)駆動ソフトウェア バージョン

(要因53) バックグランドデータ

(要因6)(メーカーが)校正に使った標準線源

・日本アイソトープ協会製
・第1次校正日:2012-5-20

(要因7)容器

・納品時、標準線源が充填された容器を使って、容器毎に校正が行われます。
・容器の種類:
 a.1Lマリネリ
 b.750mLタッパ
 c.500mLタッパ(750mLタッパと容器は共用)
 d.V5容器(630mL)

1−2.相対定量に影響する要因〜繰り返し再現に影響する要因

(要因71)容器へ検体を詰めた際の幾何学的な要因

(要因711)容器への検体を詰めた際の 体積精度

・規定の体積に対する過剰装填、もしくは、不足装填による測定結果への影響。
・一般的に、規定装填の上面の過不足は、センサからの距離が遠くなるにつれて、検出効率が低下するため(%1)、過剰装填は、絶対測定値の低下に寄与します。同様に、不足装填は、絶対測定値の増加に寄与します。

(要因712)容器への検体を詰めた際の 検体装填不均一生

・マリネリ容器の底の部分が空洞ができている場合など。(マリネリ容器内に装填してポリ袋の突っ張りのために、マリネリ容器底部に空洞ができて、検体の充填率がゼロの空洞が広がっている場合など)
・マリネリ容器を水平に置いた際に検体の表面が水平になっておらず、斜めの場合など。

(要因713)ゲルマニウム半導体検出器 検体装填空間内での 容器の設置位置の繰り返し精度

・検体装填空間内で、容器の位置が(線、ミラー、回転)対称となる位置に1mm以下の精度で設置。

(要因72)容器への検体を詰めた際の充填率(検体密度)

・検体密度の高低は、測定時間の長短と同じ効果となる。すなわち、密度が半分の場合、測定時間が半分になったのと同じ。

(%1)センサからの距離が遠くなるにつれて、検出効率が低下する。
この理由は、容器に装填された放射性物質から見た時の、ゲルマニウム半導体検出部を見込む立体角度の占める割合が主たる要因です。厳密には、検出部を見込む立体角度の中にも、放射性物質から見た時に、視線方向に通過する検出部の実効距離が影響すると推定します。
具体的な検出効率の概念図は、山田先生@日本アイソトープ協会の下記講演テキストをご覧下さい。
http://www.nmij.jp/public/event/2011/forum2011/presentation/yamada.pdf
ページ21/37
体積線源に対するGe検出器の計数効率

2012年9月 4日 (火)

放射能測定結果 麦茶

測定依頼主より測定結果公開の指示がありました。
弊社blogの場を使って公開します。
-----
■検体:麦茶
品位:高品位Ge(<1Bq/kg、3σ)
結果:
Cs-137 17.2+-1.5 Bq/kg
Cs-134  9.2+-1.4 Bq/kg
I -131  ND < 2.8 Bq/kg
測定日時:2012.8.29 16:32
測定時間:2H
検体重量:295g
容器:1Lマリネリ
測定装置:TechnoAP TG150B(ゲルマニウム半導体検出器)
測定所:アイメジャー信州放射能ラボ(iSHL)
-----

放射性セシウム合算値:26.4+-2.9 Bq/kg

■詳細情報

商品名:エーコープ国内産六条大麦使用むぎ茶
名称:丸粒むぎ茶
原材料名:六条大麦(国産)
賞味期限:2013.7.31


 

(追加情報)

「麦茶の産地をメーカーに問い合わせした結果、茨城県産でした。」
「また、賞味期限に関係無く、この商品は、全て茨城県産です。」

とのことです。

・今後の予定:

検体に記載された手順に準じて麦茶飲料を作り、検出下限値 0.5Bq/kg (3σ)でゲルマ検査。


(追記)2013.7.24 [麦茶の移行係数抽出率をゲルマで計測しました。]
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2013/06/post-c1c2.html
【iSHL 実験報告】国産麦茶飲料の放射性セシウム移行係数抽出率の測定
4.結論、解析
移行係数抽出率は、2.7/4.8=0.56であった。
(※ 56% ですので、半分以上が飲料側に移ったということになります。)


(記事履歴)
2013.7.24 追加実験、麦茶の移行係数抽出率の測定結果のblog記事へのリンクを追記。
2013.9.4 「移行係数」を抽出率に変更。
※移行係数は、一般的に、土壌の放射性物質濃度と、農作物の放射性物質濃度の比率を意味するとのご指摘を頂きました。C-Labのo様ありがとうございました。

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