シイタケにおける 放射性セシウム 134と137の存在比
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○主体:長野県
○検査所:長野県環境保全研究所(長野市)
○検体:長野県小川村で5/9, 5/16に採取した原木シイタケ
○結果:原木シイタケ(小川村):Cs-134 3.2, Cs-137 10 Bq/kg
○出典:2012.5.19信濃毎日新聞
(ichinose memo:)
この、Cs-137の濃度 10Bq/kgに対して、ゲルマニウムで、Cs-134が3.2であったという事実は、検証すべき結果だ。
からわかるとおり、2012-5-17に検査したと仮定すると、
http://www.kani.com/ycrms/CalcCs/ より
Cs-137:Cs-134= 1:0.693 となる。
よって、 10 Bq/kg : 6.93 Bq/kgとなる。
しかし、測定結果は、3.2 Bq/kgだった。
・・
Cs-134は半減期が2年であり、チェルノブイリや、1960年代の大気圏核実験の影響で残留しているとしても、検出は不可能だ。
従って、Cs-134:3.2Bq/kgは福島由来であると推定される。
逆算すると、Cs-137(福島由来推定値)= 3.2/0.693= 4.6 Bq/kg
以上から、10 - 4.6 Bq/kg = 5.4 Bq/kg が由来不明となるため、これが、311以前からの影響分であると推定される。
・・
<推定>
311以前の土壌の放射能濃度より、畑での放射性セシウム137の全国15カ所平均値が、6.4Bq/kg(2010)である(%1)。シイタケなどのキノコ類は、ほぼこの土壌の放射性セシウム濃度値を反映しているのでは、という推定が成り立つ。
■関連記事
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/03/311.html
塩尻市で4/18日採取したハウス栽培の原木シイタケからCs-137のみキログラムあたり 2.7ベクレル検出
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/cat23105664/index.html
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