ゲルマの落とし穴 シンチの落とし穴
[測定所オペレータ向け][Highレベル ***]
「シンチの落とし穴」シリーズに引き続き、
「ゲルマの落とし穴」を始めます。
○目的:放射性セシウムを光子エネルギースペクトルで核種判定する際に、誤検出する可能性のある核種を整理する。
○対象:
(a) シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ
結晶:NaI, LaBr3, CsI, CdTe
(b) ゲルマニウム半導体検出器
結晶:Ge
○結果:
(1) シンチのNaIでは、Cs-134を796keVで検出&定量する仕組み。
→795keV(4.25%)のAc-228を誤検出する。
(2) シンチのNaIでは、Cs-137を662keV (90.11%)で検出&定量する仕組み。
→609keV(46.1%)のBi-214をひっかける。
(3) シンチのLaBr3では、Cs-134を605keVで検出&定量する仕組み。
→609keV(46.1%)のBi-214をひっかける。
(4) ゲルマGeにて、Cs-134を796keVのみで定量した場合。
→795keV(4.25%)のAc-228をひっかける。
※605keV(97.62%)のCs-134とクロスチェックする仕組みが必須。
<参考>
Cs-134:
595.362 11.1%
604.721 97.62%
795.864 85.53%
Cs-137:
661.657 85.1%
Ac-228
http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=890228
463.004 4.40%
794.947 4.25%
911.204 25.8%
964.766 4.99%
968.971 15.8%
1588.19 3.22%
□関連発言
シンチの落とし穴
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2011/12/post-d2e1.html
放射能測定器誤読事件簿 その1
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-5832.html
放射能測定器誤読事件簿 その2
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-cefc.html
ゲルマニウムの何がスゴイのか その1
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/01/post-733c.html
ゲルマニウムの何がスゴイのか その2
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/01/post-0bf0.html
ゲルマニウムの何がすごいのか (番外編)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/02/post-e012.html
ゲルマニウムの何がスゴイのか その3
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post.html
« ポニー工業 SX-SPA | トップページ | 市民放射能測定所 長野市民測定所 »
「■オペレータ支援」カテゴリの記事
- 642keV Gamma-rays(2019.01.14)
- Tips ガンマ線エネルギースペクトルの中に、不明核種が見つかり調査したい時(2018.03.08)
- Sr-90測定に関するまとめ 品川区学校給食Sr-90測定開始記念(2014.03.29)
- 土壌をゲルマでクロスチェックする際の誤差要因の推定(2014.01.20)
- デジカメのノイズと放射能測定結果の誤差の話題(2013.10.19)
コメント