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2012年6月

2012年6月29日 (金)

Q:食品販売店です。放射能の基準をどのように考えたら良いのか、悩んでいます。

(※ご留意。この文章は、食材名や会社の存在は架空のものであり、お客様に具体的に説明するために用意したフィクションです。)

■Q:お客様に食品を販売しております。
 放射能の基準をどのように考えたら良いのか、
 検査をどのようにやれば良いのか悩んでいます。
 アドバイスをお願いします。

■A:まずポイントは、現時点で、
(1)国の基準が有ること。(H24.4.1~)
 食品:放射性セシウム合算値で1キログラムあたり、100ベクレル。
 乳幼児向け食品:1キログラムあたり、50ベクレル。
 飲料:1キログラムあたり、10ベクレル。
(2)放射能を気にするお客様の中には、「国の基準値ではまだ高い」
 と考えている方も居ること。
の2点かと思います。
そのため、生産者、食品会社、流通会社、販売店毎に異なった対応になっているのが現状です。
もし、食材の放射能値が、国の基準を下回る時に、最終的に判断して食べるかどうかを決めるのは、お客様です。
そのお客様に、どのような放射能値にかんする情報を提供するのかは、店(会社)の考え方が反映されます。

○このとき、3つの目的があると思います。
1.品質管理。
 − 自分が販売している商品の放射能値を把握すること。
2.説明責任。
 − お客様に聞かれた時に対応できるように準備しておくこと。
3.信頼を得ること。
 − お客様に対して「放射能を測定し管理している」ことを告知すること。

例えば豆腐を例に上記1.2.3.を具体的に述べるとすれば、

1.販売する豆腐を測る。
  豆腐製造前の入荷する大豆原料を測る。
2.お客様から問いあわせがあればいつでも
  「原料に、一定基準値以下の大豆だけを使用していること」
  を説明できるように品質管理した状態を維持する。
3.商品の放射能測定値を常時公開、明示する。
 の3段階でしょうか。

もちろん、中には、3.を敢えてやらない会社もございます。
理由は、いたずらに不安を煽らないためかと思います。
しかし、企業内部では、1.2.を継続的に行い、品質管理の一貫として、放射能値を監視、計測し続けることが大切と考えます。

以上 参考になればうれしいです。

2012年6月26日 (火)

ベクレルフリー米の放射能検査にゲルマを導入しました。

ご好評を頂いている安心米『ベクレルフリー米』の

検査体制を強化しました。

 ○従来:
  放射能測定装置:LaBr3シンチレーション式ガンマ線
          スペクトロメータ
       容器:1Lマリネリ
     測定時間:10時間
     検出限界:1.0 Bq/kg (σ=1.645)、1核種あたり

 ◎今後:
  放射能測定装置:ゲルマニウム半導体検出器
       容器:1Lマリネリ。
     測定時間:7時間
     検出限界:0.5 Bq/kg(σ=3)、1核種あたり

■信州放射能ラボの販売するベクレルフリー米の特徴

(1)信州放射能ラボが「顔の見える」農家から直接購入しています。
   実績:鰐川さん@松本市梓川、西牧さん@松本市梓川、
      伊勢屋食糧販売店(無農薬レンゲ米)@松本市、
(2)生産農家と生産田んぼを特定できる単一原料米です。
   (つまり、ブレンドしていません。)
(3)30kg袋入りの玄米を、放射能ラボが購入し、
   精米し、1L(=5.6合)をゲルマニウム半導体検出器
   (TG150B)で測ります。
(4)1核種あたり、0.5 Bq/kg 未満不検出(判定3σ)である
   ことを確認します。
(5)残りのお米も同じ測定結果を添付して販売します。
   (通常精米すると30kg→25kg程度になります。)
   ※出荷する米を全品検査するわけではありません。
    ただし、単一原料米であること、農家と田んぼが特定されて
    いること、により、より安心して頂けて、かつリーズナブルな
    検査体制と考えています。

■写真
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/bfr_img_2200.jpg
☆ これは5kg袋の写真です。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/bfr_label_img_2201.jpg
☆好評を頂いている アイメジャー信州放射能ラボ iSHL

 オリジナル、ベクレルフリー米のステッカー。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/bfr_leaf_img_2202.jpg

☆全ての商品に同じロット(一緒に精米した30kgの抜き取り検査結果)の放射能測定結果が添付されます。

■どこで入手できるの?

・信州放射能ラボに注文。→ ベクレルフリー米 購入ページへジャンプ 

■レストラン経営者、食材調達担当の方へメッセージ
・長野県松本市、安曇野市のお米は、311の震災による放射能汚染から免れました。
・根拠は、311前の土壌のCs-137濃度(日本全国15カ所の濃度公表値)と、311後の土壌の実測濃度の比較結果によります。

・私(一ノ瀬)が個人的に食べてみた限りにおいて、安曇野の米は、炊いている側からまるで餅米のような香ばしい香りが漂います。
・今回ゲルマニウム半導体検出器による検査体制を整えたことで、
 味、価格、供給安定性、の3拍子が揃いました。
・ぜひ、安曇野のお米をお試しください。

■関連
信州放射能ラボの扱う ベクレルフリー米 放射能検査済みのお米 [2012-2-13]

(記事修正履歴)
2014.7.8 販売ルート「諏訪湖SA」に関連した記述を削除。

2016.10.20 ベクレルフリー米商品ページへのリンク先を修正。

2012年6月21日 (木)

ゲルマニウム半導体検出器導入の記念キャンペーン終了いたしました。

〜7/13(金)までのキャンペーンの受付は、終了致しました。
遠方からも多くの方々からお問い合せ、ご注文を頂きました。
ありがとうございました。

今回は、地元で行った講演会以外で行った宣伝は、twitter と facebook 、ならびにblogとHomePageだけでした。ネットの威力を改めて実感致しました。

順次、入金のご報告、検体を送付頂く概算スケジュールなどのお知らせとご案内を致します。しばらくお時間ください。また、Web html文書の料金表の改訂が遅れており、ご迷惑をおかけします点、お許しください。 料金表は下記、pdfをご覧下さい。

放射能測定価格表 (pdf)

【7/17, 一ノ瀬】

アイメジャー株式会社 信州放射能ラボ は、ゲルマニウム半導体検出器導入を記念して放射能測定キャンペーン期間中です。

キャンペーンちらし(pdf)をご参照ください。

キャンペーン期間: 6月13日 〜 7月13日(金)
○価格:
(1)初めてのお客様測定費用:一律 10%引き
(2)5点まとめて測定の場合:一律 20%引き
(3)土壌、米、野菜一括6点:1万円(税込)
 標準コース[シンチ、検出限界:< 14Bq/kg(3σ) ]x 2点
  +
 高品位Geコース[ゲルマ、検出限界:< 1Bq/kg(3σ) ]x4点

 通常料金では、3万8千円相当のメニューです。
(4)高品位Ge(一般家庭向け)x5点。→1万6400円(税込)
 通常料金では4万円 ( = 高品位Ge @8,000 x 5 ) 相当のメニューです。

☆「高品位Geコース」はゲルマニウム半導体検出器にて測定。

1検体あたり、次の2種類の測定結果を添付します。

[1]Cs-134とCs-137の光子エネルギースペクトル
[2]核種放射能一覧表
を標準添付します。下記をクリックしてpdf文書をご覧下さい。
→ Cs-134とCs-137の光子エネルギースペクトル図を見る。
→ 核種放射能一覧表を見る。

■Q4:測定結果はどのようなかたちで報告してもらえますか?

☆特に光子エネルギースペクトルの拡大図サンプルは記事:ゲルマとシンチを比較も併せてご覧下さい。

☆1Lマリネリ容器による測定。(検体は1リットルもしくは、1kg必要です。)

☆検出限界値は、1核種につき1Bq/kg(3σ)です。

☆この機会にぜひ、ゲルマの世界をご体験ください。

放射能測定価格表 (pdf)

☆ FAQ(良くあるご質問)はここをクリックしてください

☆不明な点は、お問い合せ、見積依頼をください。

電話:0263−50−8651 信州放射能ラボ係
メール:info@imeasure.jp

☆締め切りは、7/13(金)。当日ご注文受け付け分までキャンペーン料金扱いです。先払いです。入金確認ができ次第、ご注文確定とします。
Q3:お支払いはどのようになりますか?
☆検体送付は入金後でも対応可能です。
☆測定順番は、キャンペーン対応のお客様内で先着順です。弊社通常業務との兼ね合いで測定割り込みがあります。そのため、検体受領後の測定期限は、標準測定納期の5営業日を厳守できない場合も有る点、予めご了承ください。

ゲルマニウム半導体検出器導入に伴い価格表を改訂しました。

アイメジャー株式会社 信州放射能ラボ は、ゲルマニウム半導体検出器導入に伴い価格表を改訂しました。

(1)サブベクレルの導入:

  検出限界1核種あたり 0.5Bq/kg まで、

  放射能検査するサービスを開始します。

  放射性セシウム134 < 0.5Bq/kg

  放射性セシウム137 < 0.5Bq/kg

  放射性セシウム合算値 < 1.0Bq/kg

  となります。

(2)測定器時間貸しサービス機種に、ゲルマニウム半導体検出器を含めます。


この「ゲルマニウム半導体検出器を予約頂いた不特定多数のお客様に時間貸しする」サービスは、全国初(社内調べ)のサービスです。

一般家庭のご利用はもちろんのこと、食品法人、環境測定法人、放射能測定所の新人研修、理科教員の測定実習など「放射能を実際に測定して学ぶ」実習の場としてお役立てください。

詳しくは、 放射能測定価格表(pdf)を参照ください。

2012年6月19日 (火)

長野県内の汚染モニター 新聞記事より

長野県内の放射性物質の汚染状況について逐次掲載します。

情報源:信濃毎日新聞

発信方法:dropboxのpublicフォルダに置いた .xlsファイル。

場所:
https://dl.dropbox.com/u/37232669/_drbx_public_iSHL_/blog_used/cs137_cs134_i131_nagano_pref.xls

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/nagano_cs.jpg

(平成24年 11月25日現在、11月15日分のメモまで入力済みです。全ての新聞記事のデータを入力出来ていませんので悪しからず。)

■追記:
(2012.11.25)
I-131が検出された場所(I-131濃度)(新聞報道年月日)
N:佐久平環境衛生センター(47)(H24.6.9)
A5:犀川安曇野流域下水道終末処理場(36)(H24.9.22)
I:長野市清掃センター(44)(H24.11.13)



2カ所不可解な結果がある。

[1]放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率が理論値に合わないばかりでなく、逆転している。
H24.6.2
333(Cs-134:178/Cs-137:155)
上田市上田終末処理場
Cs-134/Cs-137=114.8%, 理論値6/1にて68,4%(CalcCs.exe)逆転している。Geだが、Cs-134は別の核種(Ac-228)を誤認識している可能性高い。(%1)

[2]I-131が検出されている。
H24.6.9
I-131:47, Cs-134:88, Cs-137:88
測定者:東京都内の測定機関。
放射性ヨウ素131の半減期は8日。測定日(6/8)にて、H21.3.15から451日経過(%2)。

・補足情報
横浜のA氏より関連情報を頂きました。リンクを貼っておきます。
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/water/pdf/sokuteikekka_20110829.pdf
平成23年8月29日 長崎市上下水道局
「今回検出された脱水汚泥中の放射性ヨウ素については、有識者の意見等を参考にすると、放射性セシウムが検出されていないことから、福島第1原発事故の影響によるものではなく、医療目的に使用した放射性ヨウ素が患者の方から排出されたことが原因ではないかと考えております。」


%1)ゲルマの落とし穴
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/06/post-89aa.html
%2) セシウム減衰量計算機
http://www.kani.com/ycrms/CalcCs/

2012年6月18日 (月)

ゲルマニウム半導体検出器の検出限界を測る

ゲルマニウム半導体検出器の検出限界値を決める作業を公開します。

 

食品放射能検査装置の検出限界値は、
(1)装置の感度
(2)検体を入れる容器の形状
(3)検体の量
(4)計測時間
に影響を受けます。(%1)

 

逆に言えば、装置が決まって、容器を決めて、検体の量と計測時間を決めると、その装置が精一杯がんばってもこれ以下は「見えない」という検出限界値が判ります。

 

測定を業務にするには、まずこの自社で使っている装置の検出限界値を把握しなければなりません。

 

放射能測定装置を作っているメーカーが提唱する製品仕様を鵜呑みにして、そのまま、ユーザーに告知するだけではなく、自らも計測して、メーカーが言っていることが正しいのかどうか、検証する能力が期待されます。

 

また、メーカーが出荷した時と実際に自社で使用する時と、以下の異なる環境要因に影響される可能性があります。そこで、自社でも必ず行う必要があります。

 

(a)設置場所の空間線量(花崗岩質の地盤であれば、K-40が強い)
(b)維持管理体制(埃、や手の汗、被測定物の付着による、測定空間内部の汚染、容器の汚染)
では、さっそく装置のチャンピオンデータ(これ以上の実力は出ない)を取ってみましょう。

■1.測定
容器を設置し、何も入れずに、測定を開始します。

 

表示される HH:MM:SS Cs-137 < n.nnn という値を記録し続けます。
例 00:05:06 Cs-137 <6.9 Bq/kg
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/ge_1l_raw_data_.jpg

 

■2.グラフにする
横軸:時間
縦軸:検出限界値 [Bq/kg]
をプロットします。
プロット後、縦軸、横軸共に「対数」で表示します。

 

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/ge_1l_plot_fig1.jpg
対数にすると右下がりの 傾きが約 −0.5の直線になります。
何故か。
放射線の計測数は自然現象であり「ポアソン分布」に従うためです。
ポアソン分布とは、数えた数の平方根がノイズ(揺らぎ)になるという現象です。
例えば、100coutすると、+-10coutの揺らぎがある。
10000countすると、+-100countの揺らぎがある。
相対誤差を計算すると
10/100= 0.1 = 10%
100/10000= 0.01 = 1 %
つまり、数える放射線が100倍になると、不確かさは、10分の1に減ります。
同様に、検出限界値を半分にするには、4倍の時間が、1/10にするには、計測時間として、100倍の時間がかかるという事実は、このポアソン分布という自然現象に由来します。回避策がありません。

 

■3.漸近線を引く
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/ge_1l_plot_fitting_fig2.jpg

 

メーカーが発表している、製品仕様値では、1時間で何Bq/kgか、や1Bq/kgを検出するには、何時間測定すべきかが書いてあります。
しかし、任意の測定値例えば、飲料規制値10Bq/kgに対して、1/4の2.5Bq/kgを検出限界値とするための計測時間を求めるには、ここで行ったような実験を通じて、装置の能力を把握し、漸近線を求めて、その式から逆算する必要があります。

 

■4.測定時間から検出限界値を求める
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/ge_1l_spec.jpg

 

式が求まれば、任意の計測時間での検出限界値を求めることができます。

 


 

(%1)これらを「要因」と呼び、検出限界値のことを「特性値」と呼びます。
特性値が、どのような要因から影響を受けているか?を整理したものは、特性要因図と呼ばれ、かつて工場を国内に持ち、品質管理運動(QCサークル)を展開した方々は良くご存知の言葉。)

2012年6月17日 (日)

『ゲルマニウム半導体検出器導入記念式典』を行いました

お知らせとご報告

◎おしらせ ゲルマ導入キャンペーン期間中です。(6/13〜7/13) 

放射能測定費用が −10%、まとまると最大 −63% −73% 安価となります。 

詳しくは、お問い合せください。(詳細はWebサイトにて近日中に公開します。)

◎ご報告
 2012年6月13日(水)13:30より弊社にて、『ゲルマニウム半導体検出器導入記念式典』を行いました。
 信州のさわやかな晴天に恵まれる中、ご多忙中にも関わらず、弊社の放射能測定をご利用頂いている県内食品会社社長さま始め、平素よりご支援を賜っている商工会議所を始めとする皆様や、弊社の活動に関心をお寄せ頂いているみなさまにご臨席賜りました。

 富士見町両國屋豆腐店の石垣社長、ニチノウ食品株式会社の有賀社長にご臨席頂きました。ご挨拶を頂いた有賀社長は、震災後石巻市を始め顧客をいち早く回る中で、避難所生活での大変な日々の中、日本人の食事のおかずの一つ、漬け物を提供出来た時のお客様の喜びのお話を伺いました。また、商品の放射能値を計測することで社員のみなさんが仕事により自信と誇りを持てる様に願っていると伺いました。胸にじんと来るものがありました。ありがとうございました。

 ゲルマニウム半導体検出器導入にあたっては、特別会員制度を新たに用意しました。これは、総額1000万円の枠に対し、100万円/口の会員を10口募り、高額な機材を優先的に非常に安価にご利用頂ける制度として弊社が新たにご用意させて頂いたものです。 特別会員の特典はご利用料金だけでなく、お名前を青色アルマイト処理された金属プレートにレーザー彫刻し、ゲルマニウム半導体検出器本体金属ボディーに直接M4のタッピングを起こし、ステンレス化粧ネジにて固定されます。当日は、特別会員のお一人である京都市の笠井様ご夫妻に遠路ご臨席頂き、「ゴールドドライバー(紅白リボン付き)」により、ご来場の皆様からたくさんのストロボライトを浴びながら無事取り付けることができました。ありがとうございました。

 ちなみに特別会員枠は、残りわずか(数口)です。ぜひご検討ください。

 市民測定所に関わっている方々にもご臨席頂きました。
チェルノブイリ連帯基金 チームめとば(長野県松本市)、小さき花 市民の放射能測定室(宮城県仙台市)のオペレータの方にもご臨席頂きました。ご多忙の中また、遠路ご臨席頂きありがとうございました。

 改めて弊社業務に対する関心の高さと信州放射能ラボに寄せて頂いく期待に対して、重責を感じました。しっかりとこのゲルマという「F1マシン」を活用し、引き続き、信州はもちろんのこと、日本国内の食の安全を支えるべく、皆様からお寄せて頂く期待にしっかり応えて行く所存です。

 アイメジャー( iMeasure)信州放射能ラボは引き続き、放射性物質( isotope) による内部被曝から身を守るために、これからも「測る・ measure」という切り口を通じて、皆様のお役に立てるよう事業を進めて参ります。
引き続き、ご支援ご鞭撻を賜りたいと存じます。

(一ノ瀬、2012.6.16)

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/ge_blog_flower_mg_8235.jpg

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/ge_blog_mg_8239.jpg

ありがとうございました。

2012年6月12日 (火)

『ゲルマニウム半導体検出器導入記念式典』を行います

平成24年6月吉日
アイメジャー株式会社
代表取締役 一ノ瀬修一

『ゲルマニウム半導体検出器導入記念式典』を行います

 アイメジャー株式会社、信州放射能ラボは、昨年12月13日の開所以来、長野県内外のみなさまに、放射能汚染から身を守る食環境を構築するために、食品、飲料、土壌の放射能測定を行って参りました。

 おかげさまで、県内食品生産会社の事業主の皆様方から弊社放射能測定事業に対して、深いご理解とご支持を頂き、生産される食材につき、定期的かつ継続的な放射能測定業務に関わらせて頂いております。
 また、食材の汚染についてご心配する一般家庭のお客様が、弊社に食材を宅配送付し、放射能測定を委託してくださいます。更に、予約を頂いた上で、直接弊社に検体を持ち込み、ご自身の手で放射能を測定し検証するお手伝いもさせて頂いております。長野県内はもちろんのこと、県外からも多くのお客様がラボに来場くださり、ご利用頂いております。

 さて、この度、弊社では、更に精度の高い放射性物質の濃度測定器である、「ゲルマニウム半導体検出器」を導入しました。6月中旬から正式に運用開始する運びとなりました。測定作業に携わる従業員体制も整えました。これからも、事業主の皆様、市民の皆様から食品、飲料、土壌の放射能測定を請け負う体制を更に拡充していく所存です。

引き続き、皆様方からの多大なるご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。

○日時 2012年6月13日(水)13:30〜
○場所 長野県塩尻市大門幸町1−18
アイメジャー株式会社 信州放射能ラボ
○交通:
電車 JR中央線塩尻駅から車で5分   
車  高速道路長野道塩尻ICから車で5分
○google map
https://maps.google.co.jp/maps?q=36.116735,137.955338
○お問い合せ:
電話:0263−50−8651
ファクシミリ:0263−50−8652
メール:info@imeasure.jp
○公式ホームページ: http://www.imeasure.jp

以上

2012年6月11日 (月)

市民放射能測定所 長野市民測定所

市民放射能測定所 長野市民測定所

○名称:長野市民測定所
http://nagano-bq-check.cool.mepage.jp/
○測定器:(株)テクノエーピー TN300B
 シンチレーション式 Φ3インチNaI
 (長野県が給食食材の事前検査用にH24.4から北信、東信、中信、南信の計4カ所の教育事務所に導入した機種と同機種です。)

○住所:〒381-0012 長野県長野市柳原1468-2 あいわ荘A
○開所:2012.6
○代表者:市川 渚
○問い合わせ先
 電話番号:090-1765-1562
 e-mail : i_ngs@hotmail.com
○申し込み方法
1.まずは電話もしくはメールにて問い合わせください。
2.土・肥料の場合は測定用の容器、採取方法をお送りします。

ゲルマの落とし穴 シンチの落とし穴

[測定所オペレータ向け][Highレベル ***]

「シンチの落とし穴」シリーズに引き続き、
「ゲルマの落とし穴」を始めます。

○目的:放射性セシウムを光子エネルギースペクトルで核種判定する際に、誤検出する可能性のある核種を整理する。

○対象:
(a) シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ
  結晶:NaI, LaBr3, CsI, CdTe
(b) ゲルマニウム半導体検出器
  結晶:Ge
○結果:
(1) シンチのNaIでは、Cs-134を796keVで検出&定量する仕組み。
→795keV(4.25%)のAc-228を誤検出する。

(2) シンチのNaIでは、Cs-137を662keV (90.11%)で検出&定量する仕組み。
→609keV(46.1%)のBi-214をひっかける。

(3) シンチのLaBr3では、Cs-134を605keVで検出&定量する仕組み。
→609keV(46.1%)のBi-214をひっかける。

(4) ゲルマGeにて、Cs-134を796keVのみで定量した場合。
→795keV(4.25%)のAc-228をひっかける。
※605keV(97.62%)のCs-134とクロスチェックする仕組みが必須。

<参考>
Cs-134:
595.362 11.1%
604.721 97.62%
795.864 85.53%

Cs-137:
661.657 85.1%

Ac-228
http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=890228
463.004 4.40%
794.947 4.25%
911.204 25.8%
964.766 4.99%
968.971 15.8%
1588.19 3.22%

□関連発言

シンチの落とし穴
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2011/12/post-d2e1.html
放射能測定器誤読事件簿 その1
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-5832.html
放射能測定器誤読事件簿 その2
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post-cefc.html
ゲルマニウムの何がスゴイのか その1
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/01/post-733c.html
ゲルマニウムの何がスゴイのか その2
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/01/post-0bf0.html
ゲルマニウムの何がすごいのか (番外編)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/02/post-e012.html
ゲルマニウムの何がスゴイのか その3
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/04/post.html

2012年6月 6日 (水)

ポニー工業 SX-SPA

食品放射線モニタ SX-SPA
2×2" NaI(TI)シンチレータ
1リットル(マリネリ容器使用)
検出限界:約30Bq/リットル(鉛シールド有)
鉛(Pb)t=15mm
約 18kg(ベース部、カバー部)
http://www.rex-rental.jp/anz/sx-spa.html
(未整形記事です。)

2012年6月 5日 (火)

電子がこの世から1粒消える時に出すエネルギー

電子がこの世から1粒消える時に出すエネルギー

(電子がこの世に生まれた { β壊変 } 時に持つエネルギー)

E=mc^2

(E:エネルギー、m : 質量、c:光の速度)

c = 3.0 x 10 ^8 [m/s]

m(e) = 9.1 x 10 ^ -31 [kg]

(m(e) :電子1ヶの質量)

e = 1.6 x 10 ^ -19 [C]
(e : 電子1個の持つ電荷量)

1eV = 1.6 x 10 ^ -19 [C・V]=[J]

(eV: 電子1ケが、1Vの電位差に逆らって移動して得るエネルギー)

mc^2 = 81.87 x 10 ^-15 [kg ・m^2 / s^-2] = [J]

mc^2/[eV] = 510.98 [keV]

つまり、電子1ヶが消失すると、511 keVのエネルギーを放出する。

(511 keVのエネルギーを持つ電子がこの世に生まれる)。

ゲルマニウム半導体検出器では、電子対消滅として観察される。

これがその消滅エネルギー 511keVを捕らえた時のグラフ。

511keV 中央 の白い山がそれです。
ドップラー効果で幅が広がっている。

(記事修正履歴)

2013.6.20 補足説明を追記しました。

核エネルギーは何故恐ろしいのか

核エネルギーは何故恐ろしいのか

■放射線の振る舞い
放射線はあるときは粒子の振る舞いをし、あるときは波の振る舞いをする。それは観察手段に影響される。
光は、1粒のエネルギー粒子として観察できる。
その時のエネルギーは、波長の逆数に比例する。

■波長とエネルギー:
エネルギーと波長の関係は、
E[eV] = 1240 / λ[nm]
つまり、
1240 nm --> 1eV
620 nm -> 2eV
310nm -> 4eV

■エネルギーは仕事量
1メートルの距離で1V変わる電界で1ケの電子が、受けるクーロン力に逆らって逆走した時に持つエネルギーが1eV、
これは1kgの塊を重力に逆らって1メートル持ち上げた時に持つ塊の位置エネルギーが、9.8N*1mと同じ意味。

■可視光:トンネルの光、ナトリウムランプは、ナトリウムの演色反応。ナトリウムの周りを回る電子がエネルギーを受けて励起し、元に戻る時に発する光。589nm(D線)

1240/589 = 2.1 [eV]

■赤外線・マイクロ波・電波:

電子レンジの電磁波2.4GHzは、水分子(H2O)の振動共鳴周波数。この放射線(電磁波)を入れると水分子が共鳴し、加熱する。
2.4GHzの光の波長は、
3.0x10^8/2.4*10^9=0.125x10^(-1)=12.5cm
eV = 1240 / 0.125 * 10^(-9)= 10 μ[eV]

■紫外線:水銀原子は、励起されると原子の周りを回る電子が励起し、元に戻る時に λ=253.7nmの強烈な紫外線を出す。
これは殺菌灯に利用され、ダイレクトにDNAを破壊する。
1240/253.7=4.89 [eV]

■X線:銅原子に電子ビームをたたきつけて、銅原子の電子を励起する、電子が元の位置に戻る時にX線が出る。CuKα線(λ=0.15418nm)
1240/0.15418= 8042 [eV] = 8 keV

■ガンマ線・β線:原子や電子の質量がこの世から消滅する時に出る。
電子が1ケこの世から消えると。。

E=mc^2
m(e) = 9.1 x 10 ^(-31) [kg]
C=3.0 x 10^8 [m/s]

1[eV]= 1.6x 10 ^(-19)[C・V]
E= 9.1 x 10 ^(-31) * (3.0 x 10^8 )^2
= 81.9 x 10 ^(-15) [kg・m^2/s^-2]
= 510.98 [keV]

■割り算:510.98 / 4.89 = 104,000-

■結論:ガンマ線やβ線は、DNAの染色体をキズつける殺菌灯の1粒の光エネルギーに対して、
たったひとつぶの光で、紫外線の10万倍の力を持っている。

同じエネルギーでも、内部被曝の場合は、β線が危険。
なぜなら、到達距離が短いβ線ってのは、それだけいろんな物質と反応しやすい(相互作用を起こしやすい)ことの現れだから。

だから、β線を出す放射性物質の内部被曝(β線)が最も恐ろしい。

Cs-137はガンマ線(662keV)だけでなく、β線も出す。

1ベクレルとは、1秒あたり1回の核崩壊を意味する。

1回の核崩壊で、紫外線「粒子」の10万倍のエネルギーを持つ粒子が1ケ飛び出す。

放射性セシウムの粒子を体内に空気として吸い込む(もしくは、食材として取り込む)ってことは、この危険な粒子を体内に抱え込むってこと。

直径Φ1μmのセシウム137の放射能は 3.2 [Bq]だ。

■補足
食材や花崗岩に含まれる天然放射性物質、放射性カリウム(K-40)も、ガンマ線やβ線を放出します。物理現象は同じです。
ただ、大きく異なる点は、生命が発生した時に既に放射性カリウム(K-40)が存在していた(半減期:13億年)のに対して、放射性セシウム(Cs-134やCs-137)などの放射性物質は、人類が核崩壊を人工的に行ったために初めて生み出された、「生命にとって初体験」の核種であるという事実です。
もし、科学者に真摯で謙虚な姿勢があれば、「生命現象の中で、こうした初体験の放射性物質がどのような挙動を示し、結果、生命に何が起きるのかは、判らない」というのが正直な姿勢だと私は考えています。

2012年6月 4日 (月)

年間、+1ミリシーベルト被曝する大地には、Φ1μmの放射性セシウムの粒が、1平方センチメートルあたり、1粒落ちた。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/05/425-bqkg-svh-81.html

[ 276 KBq/m^2 <−−> 1 μSv/h]

年間 1ミリシーベルトは、
365.24day * 24h=8766h
で割って、
0.114μSv/h

[ 276 KBq/m^2 <--> 1 μSv/h]
[ 27.6 KBq/m^2 <--> 0.1 μSv/h]
[ 31.5 KBq/m^2 <--> 0.114μSv/h ]
[ 3.15 Bq/cm^2 <--> 0.114μSv/h ]

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/06/post-5622.html
直径Φ1μmの放射性セシウム137の放射能は何ベクレルか?

より、直径Φ1μmの放射性セシウム137の放射能は 3.2ベクレルである。

従って、
年間、+1ミリシーベルト被曝する大地には、Φ1μmの放射性セシウムの粒が、1センチ平方メートルあたり、1粒落ちた。ということになる。

直径Φ1μmの放射性セシウム137の放射能は何ベクレルか?

放射能とは何か?

厳密にいうと、「放射線を出す能力」なんだけど、今現在、放射能測定といえば、食材に含まれる放射性物質の濃度、つまり、
Cs-134や、Cs-137が、何[Bq/kg]か? を自治体はそのホームページに測定結果を表示している。
ベクレル(Bq)という単位は、1秒あたり核崩壊を何回起こすか、その頻度を表す単位。そのため実用的には、放射能(値)とはベクレル値である、と言って良いと思う。

ところで、
放射能(値)の定義は、キューリー婦人のラジウムから始まった。

1グラムのラジウムが、1キューリー(Ci)だ。

CiとBqは同じ物理量(放射能値)を表す単位だ。

つまり、核種が決まれば、放射能とは重さのことだ。

なら、以下の素朴な問い、はいかがだろう。

Q: 直径Φ1μmの放射性セシウム137の放射能は何ベクレルか?

(髪の毛は、70μm。その1/70程度の「粒」が飛んできたとする。)

まず、
Q1:Cs-137は、1グラムで、何ベクレルか?を求める。
Cs137は30年で半分
よってきちんと計算すると(%1)

A1: Cs-137は1グラムで 3219 GBq

Gとは、パソコンのメモリのギガバイトのあのギガだ。

セシウムの直径をΦ1μmと仮定して、
セシウムの比重: 1.9 g/cm^3
直径1μmのCsの重量は、
1.9 * (4/3)*π * r^3 = 1.9 *(4/3)* π * (0.5 * 10^-4 cm)^3
= 1.9 * (4/3)*π * (5 * 10^-5 cm)^3
= 994.8 * 10^-15
= 9.95 * 10^-13 g

よって、
直径Φ1μmのセシウムの放射能は、
3219 GBq * 9.95 * 10^-13
= 3219 * 10^9 * 9.95 * 10^-13 [Bq]
= 32029 * 10^-4 [Bq]
= 3.2 [Bq]
となる。
A:直径Φ1μmのセシウム137の放射能は 3.2 [Bq]

○初出:
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20110908/1315455481

%1)きちんと計算すると
 Δn = N0 *( 1 - 2 ^ ( - 1 / T0 ) )
http://d.hatena.ne.jp/scanner/20110909/1315520452

(記事修正履歴)
2013.9.4 追記:「ベクレル(Bq)という単位は、1秒あたり核崩壊を何回起こすか、その頻度を表す単位。そのため実用的には、放射能(値)とはベクレル値である、と言って良いと思う。」

2012年6月 3日 (日)

核種データベースを使って核種のガンマ線エネルギーを調べてみよう

WWW Table of Radioactive Isotopes
Radiation search

http://nucleardata.nuclear.lu.se/toi/radSearch.asp
の使い方。

■核種が判っている場合

例:Cs-134

(1)Mass number:の欄に134を入れる。
注意 半角で入力すること。

(2) [Search]ボタンを押す。

(3)表示された一番右側の Parent  にて、134 Csを見つける。
注意 134mCsじゃないよ。

(4)134 Csをクリックする。

■表示文字列の解釈:
Half life: 2.0648 y ← 半減期 2.0648年
Gammas from 134Cs (2.0648 y 10)

Eg(keV) lg(%)
569.331 3  15.38 6  b- 
604.721 2  97.62 3  b- 
795.864 4  85.53 4  b-

(%)が大きい程、同じベクレル数でも、カウント数が多く検出される。
605>796>569の順。
焼却灰のように万Bq単位の放射能であれば、563keV , 802keVなどのガンマ線も、Cs-134として検出される。

■追記

Tips ガンマ線エネルギースペクトルの中に、不明核種が見つかり調査したい時
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2018/03/tips-a42f.html

(記事修正履歴)

2017.4.28 いつの間にか Radiation search のURLが切れていたので訂正。

2018.10.4 追記。K先生より教えてもらった核種ライブラリー2箇所を追加。

シンチとゲルマを比較

「シンチ」と「ゲルマ」の比較を行いました。

・・・
「シンチ」とは、シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータのことです。
今年4月から施行された政府基準の放射能測定には、鉛遮蔽が必須です。

鉛遮蔽されたシンチのことを一般的に「ベクレルモニタ」と呼んでいるようです。
・・・
「ゲルマ」とは、ゲルマニウム半導体検出器のことです。

今回の検体は、弊社で販売している【 ベクレルフリー米 】。
かつて、シンチで、Cs-134に山が出たため、出荷を見合わせた検体です。
出荷しなかった幻のお米です。(%1)

今回、ゲルマニウム半導体検出器で再度検体を計測したところ、
ビスマス214 (Bi-214)
タリウム208 (Tl-208)
をCs-134として「誤検出」していたことが判明しました。(%2)

■シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ
テクノエーピー社 TS150B
シンチレーション結晶:LaBr3(臭化ランタン)

■ゲルマニウム半導体検出器
テクノエーピー社 TG150B


今後、弊社のベクレルフリー米は、シンチで「山」が出た場合は、ゲルマで追試験します。

%1)弊社が出荷するベクレルフリー米は、放射能測定結果を全製品に標準添付します。そのため、ベクレルモニタの測定結果に、疑わしい「山」が現れた場合は、安全側に倒して出荷を行いませんでした。今回、ゲルマニウム半導体検出器を導入したことで、放射能の由来を明示し、事実に即した測定結果報告ができるようになりました。引き続き、安心、安全なお米を提供する所存です。

%2) LaBr3結晶は、一般的に使われるNaIに比べて、光子エネルギー分解能が約2倍高いため、「Cs-137を単独で独立定量できる」点が一番の強みです。
しかし、NaIでCs-134の定量に使われる796keVの光子エネルギー領域が、Laの放射性同位元素によるバックグランド(後方コンプトン散乱)に隠れて見えません。(1万ベクレル/kgを越える焼却灰などの検体では問題なく796keVにピーク確認されます。)
そのため、テクノエーピー社のLaBr3シンチ機TS150Bは、3本有るCs-134光子エネルギーピーク(569, 605, 796 keV)(%3)の内、605keVを使って定量しています。この領域に、Tl-208(583keV)と、Bi-218(609keV)が混在することが今回、良く理解できました。

・・・
なお、NaIシンチでの課題は、以下のblogに非常に子細な解説が有ります。

ぜひ、ご覧下さい。(かなり難解ですが印刷してじっくり読解してください。)

http://kodomira.com/information/pb214_bi214/

NaIでは、LaBr3に比べて光子エネルギー分解能が約半分になるため、Cs-137を独立定量できません。
Cs-134(さらに、Bi-214)の影響を受けるため、土壌や水の検査において、低放射能値の場合は、オペレータの判読技量が問われます。

%3)3本有るCs-134光子エネルギーピーク(569, 605, 796 keV)
Cs-134のガンマ線リスト:http://ie.lbl.gov/toi/nuclide.asp?iZA=550134

Decay data search WWW Table of Radioactive Isotopes は、
はこのBlogの左上のリンク集 iSHL にリストされています。

2012年6月 1日 (金)

シイタケにおける 放射性セシウム 134と137の存在比

<< 放射性物質検査結果 >>
○主体:長野県
○検査所:長野県環境保全研究所(長野市)
○検体:長野県小川村で5/9, 5/16に採取した原木シイタケ
○結果:原木シイタケ(小川村):Cs-134 3.2, Cs-137 10 Bq/kg
○出典:2012.5.19信濃毎日新聞

(ichinose memo:)

この、Cs-137の濃度 10Bq/kgに対して、ゲルマニウムで、Cs-134が3.2であったという事実は、検証すべき結果だ。

放射性セシウム134と放射性セシウム137の比率

からわかるとおり、2012-5-17に検査したと仮定すると、
http://www.kani.com/ycrms/CalcCs/ より
Cs-137:Cs-134= 1:0.693 となる。
よって、 10 Bq/kg : 6.93 Bq/kgとなる。
しかし、測定結果は、3.2 Bq/kgだった。
・・
Cs-134は半減期が2年であり、チェルノブイリや、1960年代の大気圏核実験の影響で残留しているとしても、検出は不可能だ。
従って、Cs-134:3.2Bq/kgは福島由来であると推定される。
逆算すると、Cs-137(福島由来推定値)= 3.2/0.693= 4.6 Bq/kg
以上から、10 - 4.6 Bq/kg = 5.4 Bq/kg が由来不明となるため、これが、311以前からの影響分であると推定される。

・・
<推定>
311以前の土壌の放射能濃度より、畑での放射性セシウム137の全国15カ所平均値が、6.4Bq/kg(2010)である(%1)。シイタケなどのキノコ類は、ほぼこの土壌の放射性セシウム濃度値を反映しているのでは、という推定が成り立つ。

■関連記事

%1)311前の土壌のCs137濃度

http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2012/03/311.html

塩尻市で4/18日採取したハウス栽培の原木シイタケからCs-137のみキログラムあたり 2.7ベクレル検出
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/cat23105664/index.html

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