無料ブログはココログ
2021年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

« 実験:放射性セシウム137線源からの距離と空間線量率 | トップページ | 放射能測定器誤読事件簿 その1 »

2012年4月18日 (水)

ゲルマニウムの何がスゴイのか その3

2011年11月4日、大田区産業プラザPiOにて開催されたセミナに参加し、最前列で日本アイソトープ協会の山田先生の講義を拝聴しました。
その際に使用されたスライドが公開されましたので、ご案内します。

出典:

http://www.nmij.jp/public/event/2011/forum2011/presentation/yamada.pdf

日本アイソトープ協会の 山田崇裕先生の pdf 資料より。

このpdfは、3.5MBと大きなファイルですが、実際に講義で使用された豊富な画像やデータを含んでいます。ぜひ、オペレータとなる方は目を通してみて下さい。非常に参考になる情報満載だと想います。

例えば、ゲルマニウム半導体検出器で得たスペクトルの核種の解説のグラフ:

これを見ると、605keVに山が現れる放射性セシウム134(Cs-134)のすぐ隣の 609keVにBi-214という核種が有ることが判ります。

既に、50カ所を超え、100カ所に届くのではないかという勢いで増え続ける市民測定所だけでなく、新年度を迎え予算が付いた自治体へも、続々と放射能測定機の普及が進んでいます。
これらの機種は、ベクレルモニタと呼ばれ、180〜450万円の価格帯で販売されている「シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ」という長い名称のベクレルモニタです。分厚い(50mm以上)鉛で、検体容器を外界から遮蔽する構造となっている点が特徴です。鉛のために総重量は100〜250kg程あります。

【このところ、サーベイメータを使って、放射能測定するケースをネットでも見かけます。しかし その1 で述べた通り、最低でも50mm近い鉛で遮蔽したベクレルモニタ を使わない限り、4月1日から厳しくなった食材や飲料中の低濃度の放射性セシウムの規制値以下の放射能濃度を検出することは困難であることに留意すべきです。 測定結果に不確かさ表記 ± Bq/kgや ± % が有るか。鉛遮蔽された装置か。測定時間は十分かけているか。などの確認をしてください。また、このblogの [カテゴリ:ベクレルモニター] に掲載された機種か?もチェックポイントとなりますのでぜひご利用ください。】

その心臓部にヨウ化ナトリウム(NaI)という結晶を使います。
(NaClは食塩(塩化ナトリウム)ですよね。周期律表では、I(ヨウ素)は、Cl(塩素)の下ですから、NaIはイオン結合の結晶であり、食塩みたいな結晶です。)
NaIは、光子エネルギー分解能が、46keV(7%、at 662keV)のため、609−605=4keVの山の違いを全く見分けることができません。
そのため、Bi-214が含まれる土壌や、雪などを計測した場合、Cs-134と誤判定する場合がありますので、注意が必要です。

<放射性セシウム134と誤認する原因物質>

Cs-134: 605 keV (他に、569, 796 keV)
Bi-214 : 609 keV
(△4keV)

また、土壌や、雪などを計測した場合に、放射性ヨウ素131を検出する誤判定が発生します。この原因となる、核種も上記スペクトルに含まれています。

<放射性ヨウ素131と誤認する原因物質>

Pb-214:352 keV

I-131  : 365 keV

(△3keV)

http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/NORMDB/1_yougosyuu.php

U-238系列核種
U-238(ウラン238)は8回のα壊変と、6回のβ壊変を経て、安定核種のPb-206(鉛206)になります。U-238からPb-206までの核種をU-238系列核種と呼びます。
<壊変系列>
U-238 → Th-234 → Pa-234m → U-234 → Th-230 → Ra-226 → Rn-222 → Po-218 → Pb-214 Bi-214 → Po-214 → Pb-210 → Bi-210 → Po-210 → 安定核種 Pb-206

通常の天然の土壌岩石などは、地域や物質で差はあるもののU-238系列核種を必ず含んでいます。

{記事修正履歴}

2012-4-18 「NaIは、光子エネルギー分解能が、46keV(7%、at 662keV)」

      4.6keV→46keV ケタ間違い。失礼。
2012-4-18 <放射性ヨウ素131と誤認する原因物質>も追記。
2012-4-18 ウラン238系列核種のことを追記。

« 実験:放射性セシウム137線源からの距離と空間線量率 | トップページ | 放射能測定器誤読事件簿 その1 »

■オペレータ支援」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ゲルマニウムの何がスゴイのか その3:

« 実験:放射性セシウム137線源からの距離と空間線量率 | トップページ | 放射能測定器誤読事件簿 その1 »