放射能測定器誤読事件簿 その2
概要:
昨年(2011年)3月〜4月に、神奈川県川崎市上下水道局にて、放射性ヨウ素の誤検出が相次ぎました。
原因は、NaIシンチレーション式ガンマ線スペクトロメータの誤検出を真に受けた誤判読でした。
川崎市は、4月15日時点で、ゲルマニウム半導体検出器によるクロスチェックを行い、誤りに気付いたようです。
5月17日に、誤検出した経緯の詳細を技術的な解説も加えて、公開しました。
詳細:
http://www.city.kawasaki.jp/80/80syomu/home/urgency/houshanousui_20110517.html
生田浄水場の水道水から検出された放射性物質について
更新日:2011年5月17日
資料1 放射能検出器について(PDFファイル 96KB)
http://www.city.kawasaki.jp/80/80syomu/home/urgency/pdf/siryou1.pdf
資料2 生田浄水場の水道水の放射性ヨウ素測定結果(PDFファイル 52KB)
http://www.city.kawasaki.jp/80/80syomu/home/urgency/pdf/siryou2.pdf
メモ:
私がなぜこのサイトを知ったかという経緯もメモに記載します。
昨年9月に放射能測定事業を新たに立ち上げることを決意しました。
どのベクレルモニタを発注しようかと調べ始めた際に、必ずや他の方にも参考になるだろうと始めたのがこのblogです。
ベクレルモニタの機種を決定し、発注した後(既に納期4ヶ月でした^^;)、ネット上の放射能測定に関する技術情報を片っ端から調べ、アーカイブを始めました。
特に参考になったのが、KEK(つくば高エネルギー研究所)の野尻先生のblogです。
生田浄水場の記事は、その野尻先生のblogから知りました。
http://nojirimiho.exblog.jp/14645954/
この場を借りて野尻先生に感謝致します。
また、こうした誤りをきちんと解説付きで公開する姿勢を持つ川崎市の考え方に共感すると共に、ネット上に公開し続けていることに感謝致します。
誤りは誰にでもあります。しかし、その誤りに気付いた時に、それを直ちに公開し、なぜ誤ったかを説明し、後続する者のために、公開し続けることは、簡単なようでいて、当事者になってしまうとなかなかできないことです。
素晴らしい勇気だと思います。
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