ベクレルモニタを選ぶ10の注意点
ベクレルモニタを選ぶ10の注意点
ベクレルモニタ要求仕様書(案)
1.この文書の目的
昨年度、手を挙げた自治体に対して、消費者庁からベクレルモニタの配分が始まりました。(*1)
未来の子どもたちから借りた貴重な税金です。
タダでもらうからと、自治体職員は、メーカーや販売代理店に機種選定を丸投げしないでください。
タダでもらうからと、自治体住民は、自治体職員に機種選定を丸投げしないでください。
機器の能力を把握し、選定に積極的に関わっていきましょう。
ということで、
ベクレルモニタをどのような観点で選定すべきか、を書きます。
2.ベクレルモニタとは、
食品や飲料水の放射能濃度を測定する専用の測定装置です。
部品と構造は、自治体が空間線量率[μSv/h]を測定している装置と同等の機械を主要部品とし、更にその回りを鉛(なまり)で囲った構造を持つ計測装置です。
正式には、
「ヨウ化ナトリウムを使った、シンチレーション式ガンマ線スペクトロメータ」
と言います。
現在、国内で販売されている製品の定価は、180万円〜460万円です。
3.押さえて置くべき仕様
3−1.本体性能
1)シンチレーション結晶の体積(Typ. Φ3inch)
2)検体容器の容積(Typ. 1L)
3)検体容器の周りを覆う鉛遮蔽体の厚さ(Typ.50mm)
4)放射能検出&定量のためのソフトウェアプログラム
5)製品は国産か海外品か
6)ソフトウェア画面、取り扱い説明書は日本語で書かれているか3−2.価格と納期
7)本体価格 180万円〜460万円
8)校正の費用、故障時の修理期間と修理費用
9)納期
3−3.サポート
10)販売代理店担当者、メーカー営業担当者の対応
4.現在国内で入手可能なベクレルモニタ
ベクレルモニタ一覧 *2)
5.この記事のお問い合わせ先
アイメジャー株式会社 信州放射能ラボ
電話 0263−50−8651
メール info@imeasure.jp
担当 一ノ瀬
詳細は、後ほどメールマガジンで。
http://www.mag2.com/m/0001372810.html
(GW連休中に第1号を発行予定です。←すみません。まだ宿題温存中^^;))
■次回記事予告:測定時間と検出限界のグラフをどのように読むか。
■補足1
・メーカーは、自社の製品が如何に性能が高く、安いかを売り込むでしょう。
・でも、ベクレルモニタの検出限界と測定時間の関係は、物理的に上記の仕様で限界値が決まります。
・簡単に言うと、検出限界値(理論値)は、(測定時間x検体容積)の平方根に反比例します。つまり、測定時間を4倍すると半分に、100倍すると10分の1になります。
・従って、検出部(シンチレータ)の容積が大きい程、短時間で狙った検出限界値を達成できます。一度にセットできる検体の容積が大きい程、同じことが言えます。(但し、容器は、それだけ検体の量も要求します。)
・暫くは、かつて有った、デジカメの画素数だけの競争や、イメージスキャナの光学解像度だけの競争、のように単に数字の競争になると思いますので購入者は注意が必要です。
■補足2
写真撮影にたとえると、
・シンチレーション式のサーベイメータがフィルム(センサ)、
・放射能を調べたい検体が被写体、
・フィルムが被写体以外の光(ガンマ線)で露光しないように、真っ暗にするための遮蔽箱が、鉛容器。
に相当します。
カメラの裏フタを開けると写真が撮れないように、鉛遮蔽しない方法で、放射能測定した放射能濃度の測定結果(例えば、鉛遮蔽せずにサーベイメータだけで計測)は、あくまで参考値であると考えるべきです。
夜景や星の写真撮影をしている方は理解し易いと思いますが、
(1)しっかり遮蔽しないと、光が漏れます。→ 鉛は厚いほど良い。
(2)センサの寸法が大きい程、綺麗な写真が撮れる。→センサの寸法、容積は大きい程良い。
(3)しっかりと露光時間を掛ける程、綺麗な写真が撮れる。→測定時間は長い程、精度が高く(検出下限値が低く)なる。
*1)消費者庁からベクレルモニタの配分
http://www.caa.go.jp/jisin/index.html#m021
http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/20120426_4_haibun.pdf
*2)ベクレルモニタ一覧 2011.11.27時点
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/2011/10/post-625d.html
カテゴリ記事 ベクレルモニタ 2012.4.5現在
http://imeasure.cocolog-nifty.com/isotope/cat22912414/index.html
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