イメージスキャナは濃度計になるか? その5 ICCプロファイルを作る編
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イメージスキャナを濃度計(反射/透過)として使うためのアプリ。
iMeasureScan (あいめじゃーすきゃん)入門版。
市販のイメージスキャナを使って、反射率/透過率を16bit(65535階調)で数字を得ます。そのために最も基本的な機能として「ガンマ1.0」で動かすためのアプリです。ガンマ1.0でスキャナを動作させることで、センサが捉えた光量に比例した値を16bitで得ることが可能となります。
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イメージスキャナを濃度計(反射/透過)として使うためのアプリ。
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市販のイメージスキャナを使って、反射率/透過率を16bit(65535階調)で数字を得ます。そのために最も基本的な機能として「ガンマ1.0」で動かすためのアプリです。ガンマ1.0でスキャナを動作させることで、センサが捉えた光量に比例した値を16bitで得ることが可能となります。
以前、スキャナは濃度計になるか? というテーマで
反射率、透過率の検証をしたことがあります。
久々に今回はその続き、 その4 です。
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スキャナは濃度計になるか?
その3 2010年8月23日 (月)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/--ta.html
その2 2009年1月17日 (土)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/2-96f1.html
その1 2009年1月17日 (土)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-c1f3.html
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ISO等で濃度の計測法が定義されています。
45度円錐の照明にて垂直反射光を計測する。
垂直照射光にて、45度円錐反射を計測する。
垂直照明光にて、透過光を積分球で捉えて計測する。
など照明とセンサの幾何学的な配置が定義されています。
イメージスキャナはこのいずれの幾何学配置にも属しません。
ただ、濃度計と同等の、黒基準、白基準補正のキャリブレーションを内蔵しています。
イメージスキャナでは、この機能をシェーディング補正と呼んでいます。
シェーディング補正機能を持たない、カメラ撮影では以下の変動要因があり、測定値に誤差が生じます。
(1)光源の照射強度
(2)レンズの絞り、カメラの感度、シャッター速度
(3)光源の照明ムラ(場所による)
(4)レンズの周辺減光
(5)センサの画素毎の感度ムラ
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一般的に濃度計は、その計測法の原理から、1点のみを計測する仕組みです。そのため、濃度ムラを面状に解析したいとき、点群として計測表示する以外なく、細かく観察したいときには、膨大な計測時間がかかります。
その点、イメージスキャナは、高い光学解像度にて、一度に面状のムラを可視化することが可能です。ただし、濃度計と異なる「癖」を留意して使う必要があります。
〜〜〜
今回は、白の中に黒がある場合。(雪の中のカラス)
もしくは、真っ黒の中に、白がある場合。(闇夜の白うさぎ)
で生じる現象(問題点)を考えます。
今回の考察は、ガラス表面で生じる表面反射の影響です。
図をご覧ください。(詳しい解説は後ほど改めて。)
このテーマの続きです。
■実験方法
透過型ステップタブレット(15段、最大OD値 2.85 )
イメージスキャナ:EPSON ES-10000G
オプション:透過原稿ユニット ESA3FLU3
Densitometor : ON
16bitGray
DropOut:Green
解像度:300ppi
エドモンドのステップタブレットの長期的供給が不可となったため、富士フィルムイメージテックのタブレットを購入しました。ただし、透過モード用は、最大濃度が2.85です(15段にて)
http://fujifilm.jp/business/material/testchart/step/
http://fujifilm.jp/business/material/inspection/testchart/step/index.html
測定値付き:@6,000- (添付データはX-rite 310の計測データでした。)
測定値無し:@5,000-
換算OD値 = - LOG ( 16bit平均値 / 65535)
■実験結果
ステップタブレット読み取り(OD値)
No.1(1回)
OD値 16bit平均 StdDev 換算OD値
1 0.04 57271 457.16 0.059
2 0.26 32835 372.63 0.300
3 0.46 20251 292.40 0.510
4 0.66 12093 288.32 0.734
5 0.85 7539.7 153.02 0.939
6 1.04 4684.0 108.12 1.146
7 1.25 2914.9 78.559 1.352
8 1.45 1607.9 57.735 1.610
9 1.64 992.74 44.461 1.820
10 1.85 607.29 36.558 2.033
11 2.03 388.93 30.749 2.227
12 2.25 233.02 26.972 2.449
13 2.46 144.11 24.894 2.658
14 2.68 91.115 23.593 2.857
15 2.88 61.093 21.371 3.030
■グラフ
X軸:ステップタブレットをX-rite 310で計測したデータ
Y軸:イメージスキャナで得た値から換算したOD値
■解析
近似式:Y= 1.0625X + 0.0374, R^2= 0.9991
■校正
近似式を使ってスキャナの値を校正する。
X = ( Y - 0.0374) / 1.0625
OD値_cal = ( 換算OD値 - 0.0374)/1.0625
OD値 OD値_cal ΔOD
0.04 0.02 -0.02
0.26 0.25 -0.01
0.46 0.45 -0.01
0.66 0.66 0.00
0.85 0.85 0.00
1.04 1.04 0.00
1.25 1.24 -0.01
1.45 1.48 0.03
1.64 1.68 0.04
1.85 1.88 0.03
2.03 2.06 0.03
2.25 2.27 0.02
2.46 2.46 0.00
2.68 2.66 -0.02
2.88 2.82 -0.06
■結論
校正を予め行うと、校正に使用したステップタブレットにて、最大 0.06(OD値)の差となった。
ちなみに、本格的な濃度計の精度は、例えば、X-riteの361Tにて、Repeatability(繰り返し再現性)が、 ±0.01 D (0.0 D to 5.0 D) です。
よって、「イメージスキャナを使った濃度計測手段は、濃度計の替わりにはならないが、OD値にて、±0.1程度の精度であることを承知の上で使うのであれば、濃度計として扱うことは可能である。(%1)」と考えます。
(記事更新履歴)
2013.9.24 富士フィルムステップタブレットの商品ページを変更。http://fujifilm.jp/business/material/testchart/step/
日立製作所 分光光度計 U-4000を使って エドモンドオプティスクの透過型グレースケールチャートの分光透過率を測定しました。
測定波長範囲は、380nm~1100nmです。
測定結果の名称は、15段ステップの内、最初をbase、次をstep1としてあります。
15段目は、step14となります。
baseは、ご覧の通り、600nmよりも短波長側で徐々に透過率が落ちます。
近赤外域はかなり安定してフラットなベースフィルムです。
濃度ステップ側は、逆に赤外域ほど透過率が下がる傾向があるようです。
縦軸を透過率10%にしたグラフが下記です。
この写真は、長野県精密工業試験場(岡谷市)に設置してあります、日立製作所製のU-4000形分光光度計の写真です。
中はこんな感じ。
回折格子(プリズム)で分けた単色光ビームをハーフミラーで2手にに分けて、片方の光を参照光にしながら、非測定物の透過光を積分球に入れて、フォトマルチプライヤで検出します。
参照光との相対比較で測定するために非常に精度の高い分光測定装置です。
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