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2024年7月 7日 (日)

Apple Vision Proについて

Apple Vision Proについて


- 2,300万ピクセル

- 3Dディスプレイシステム

- マイクロOLED

- 7.5ミクロンのピクセルピッチ

7/5の最終日 東京ビッグサイトで体験してきました。

~~~~~

今から30年前の1994年にJPEGデジカメの販売が発表された。

カシオのQV-10が出た頃だ。

19961998年ごろNifty-Serveではデジカメの画素数はいくつまで行くか?を議論した。

FPHOTOという電子会議室。

私は、2つの視点で提案した。

1つは、銀塩の能力。

もう一つは、用途。

銀塩の能力を計算するのに2つの視点がある。

1−1.銀塩の粒径から算出する。

1−2S/Nから算出する。

計算は省略するが、どちらも2千万~3千万画素だった。

2.用途

A3に引き延ばして使うケースを考えると、

1712インチ、350ppi

6K×4K=24M

ということで、まあ、最低でも1800万画素かな。

とか言っていた。

QV-10は、25万画素だったから、歩き出した赤子に

100メートルを走って10秒を切れ!的な言い草で当時笑われたものだった。

結局どうなったか。

プロ向けフルサイズのカメラで2200万画素。

4K動画も撮れるモデルは、3200万画素くらいだから、凡そ予想通りだった。

~~~~~

さて、VRゴーグルは何処までいくだろうか?

用途から計算したのと同じ考え方で計算してみる。

用途は、175線(LPI)の印刷に耐える入力画像という計算方法だった。

しかし、何故175線なのかを深く考えてみる事が今回重要だ。

人間の視力の定義は、視力1.0が、角度1分(1度の160)に定義されている。

微小角の時は、度(degree)を使わずにラジアン(radian)が便利なので、

視力1をラジアンで表現する。

180度=πラジアン

角度1分=π/(180*60)=0.29088ミリラジアン

さて、視力1の人が、30cm先の雑誌を眺めるときの分解能は、

300mm x 0.291/1000=0.0873 mm

である。

印刷のジャンルなので、dpi(ppiも同じ意)に換算する。

25.4mm/0.0873= 290.95

291ppi

結論:

175線(LPI)のオフセット印刷への入力画像は、350ppiと言われる。

視力1の人間が観察距離300mmで見ている画像は、291ppi以上必要。

まあリーズナブルだと思う。

~~~~~

さて、VRゴーグルの話に戻る。

肉眼は、中央がもっとも解像度が高く20程度有る。

周辺ほど解像度は下がる。

しかし、ゴーグルは、視点が向いた方向だけ解像度を上げる技術はまだ無いから、全ての方向で視力10の情報を用意すると仮定する。

顔を固定して肉眼の眼球移動だけで見渡す角度を120度と仮定する。

1度あたり、60pixelを見るから、7,200pixelが水平方向で必要。

上下を60度仮定すると、2600万画素。

現在の4Kのディスプレイが、3840pixelなので、

4Kディスプレイを左右の目にあてがう。

ってのがまずは基本仕様になると思う。

~~~~~

(2024.7.5 XR展@東京ビッグサイト)実際に体験した感触では

2300万画素のApple Vision Proは実用域に来たと思う。まずビジネス利用が進むだろう。

(一ノ瀬)

[追記]

商品企画をする時の仕様をどう決めるか?

光学技術についてコメントした論文がこれ。

https://www.imeasure.co.jp/pdf/joem-contact_vol56_No9_2018.pdf

 

[追記2]


1985年の春につくば市で科学博ってのが開催されていた。
立体視や大型ビジョンが売りだった。
丁度卒業間際だったので回数券を購入して通った。


立体視は、実際の映像を2台のカメラで撮影して偏光板メガネで見せるパビリオンが有った。
もう一つは、CG動画だった。

前者の実際の映像は、カメラマンが何処にピントを合わせて撮影するか、
と、見る人が何処に視点を合わせるがが一致しない不具合がどうしても残るため、少し違和感が有った。

一方、CGは、ピンボケは一切無いため、低解像度の画像であったけど迫力があった。

〜〜〜〜〜

今回、Apple Vision Proで、米国で発売された直後に購入して4ヶ月間アプリ開発をし装着体験できるブースがあった(!)ので体験した。
家具が30cm先に「存在」し、表面の光沢感や、中古感、手垢感がリアルに再現されている。顔の角度を変えるとテカリ具合が変化する。
本当に凄い。

恐らく視点の移動に反応して遠近のCGをボカすこともやっているだろう。
次回はそれを注意して観察してみたい。

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