Apple Vision Proについて
Apple Vision Proについて
- 2,300万ピクセル
- 3Dディスプレイシステム
- マイクロOLED
- 7.5ミクロンのピクセルピッチ
7/5の最終日 東京ビッグサイトで体験してきました。
~~~~~
今から30年前の1994年にJPEGデジカメの販売が発表された。
カシオのQV-10が出た頃だ。
1996~1998年ごろNifty-Serveではデジカメの画素数はいくつまで行くか?を議論した。
FPHOTOという電子会議室。
私は、2つの視点で提案した。
1つは、銀塩の能力。
もう一つは、用途。
銀塩の能力を計算するのに2つの視点がある。
1−1.銀塩の粒径から算出する。
1−2.S/Nから算出する。
計算は省略するが、どちらも2千万~3千万画素だった。
2.用途
A3に引き延ばして使うケースを考えると、
17x12インチ、350ppiで
6K×4K=24M
ということで、まあ、最低でも1800万画素かな。
とか言っていた。
QV-10は、25万画素だったから、歩き出した赤子に
100メートルを走って10秒を切れ!的な言い草で当時笑われたものだった。
結局どうなったか。
プロ向けフルサイズのカメラで2200万画素。
4K動画も撮れるモデルは、3200万画素くらいだから、凡そ予想通りだった。
~~~~~
さて、VRゴーグルは何処までいくだろうか?
用途から計算したのと同じ考え方で計算してみる。
用途は、175線(LPI)の印刷に耐える入力画像という計算方法だった。
しかし、何故175線なのかを深く考えてみる事が今回重要だ。
人間の視力の定義は、視力1.0が、角度1分(1度の1/60)に定義されている。
微小角の時は、度(degree)を使わずにラジアン(radian)が便利なので、
視力1をラジアンで表現する。
180度=πラジアン
角度1分=π/(180*60)=0.29088ミリラジアン
さて、視力1の人が、30cm先の雑誌を眺めるときの分解能は、
300mm x 0.291/1000=0.0873 mm
である。
印刷のジャンルなので、dpi(ppiも同じ意)に換算する。
25.4mm/0.0873= 290.95
291ppi
結論:
175線(LPI)のオフセット印刷への入力画像は、350ppiと言われる。
視力1の人間が観察距離300mmで見ている画像は、291ppi以上必要。
まあリーズナブルだと思う。
~~~~~
さて、VRゴーグルの話に戻る。
肉眼は、中央がもっとも解像度が高く2.0程度有る。
周辺ほど解像度は下がる。
しかし、ゴーグルは、視点が向いた方向だけ解像度を上げる技術はまだ無いから、全ての方向で視力1.0の情報を用意すると仮定する。
顔を固定して肉眼の眼球移動だけで見渡す角度を120度と仮定する。
1度あたり、60pixelを見るから、7,200pixelが水平方向で必要。
上下を60度仮定すると、2600万画素。
現在の4Kのディスプレイが、3840pixelなので、
4Kディスプレイを左右の目にあてがう。
ってのがまずは基本仕様になると思う。
~~~~~
(2024.7.5 XR展@東京ビッグサイト)実際に体験した感触では
2300万画素のApple Vision Proは実用域に来たと思う。まずビジネス利用が進むだろう。
(一ノ瀬)
[追記]
商品企画をする時の仕様をどう決めるか?
光学技術についてコメントした論文がこれ。
https://www.imeasure.co.jp/pdf/joem-contact_vol56_No9_2018.pdf
[追記2]
« 画人が金箔を使う理由の1つが判った | トップページ | 御礼 弊社は2024年9月2日に創業25周年を迎えました »
« 画人が金箔を使う理由の1つが判った | トップページ | 御礼 弊社は2024年9月2日に創業25周年を迎えました »
コメント