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2023年12月23日 (土)

オルソスキャナの色再現性評価

先ほど、プリンタプロファイル作成サービス いろはLab のご案内を投稿しました。

 

一方、イメージスキャナの方はというと。


イメージスキャナを測色機に使ったらどうか? というアイデアを思いつく方はいらっしゃるでしょうか。

高額な分光器でなくても、イメージスキャナならカラーパッチや色サンプルの色を比較できるのではないか?

結論から言うと、原理的には、以下の方法で凡その色を測ることができます。

1)イメージスキャナの【 ICCプロファイル 】を用意。
2)スキャンしたRGBフルカラー画像をPhotoshopで開く。
3)1)のICCプロファイルを使って、Photoshopで、Lab画像に変換する。
4)「情報」ツールを使って、目的の色パッチのLab値を得る。

〜〜〜〜〜

ここで、いくつか変動要因があります。

1)イメージスキャナメーカーは、【 ICCプロファイル 】を商品に標準添付しています。
 しかし、量産メーカーの性で、「標準機」のプロファイルは添付されていますが、それが貴方が購入したスキャナの特性と必ずしも一致していません。
 更に、個体であっても、使っていく内に光源などの劣化が進み、変動が生じます。

2)そこで、例えば EPSONのA4フラットベッド標準機 GTX-980などは、自分でICCプロファイルを作成するツールが標準添付されています。

〜〜〜〜〜

ここからは、更に厳密な議論です。

GTX-980 でも問題が残っています。

例えば、回りが真っ白の背景に、反射率18グレーの25mm角の色パッチを置いた場合と、
回りが真っ黒の背景に、反射率18%グレーの25mm角の色パッチを置いた場合とで、
A4フラットベッド標準機 GTX-980でスキャンしてみます。
センサに入った光量に比例した値を計測してみる(*1)と判りますが、 0.18*255= 45.9 の値になりません。

回りが白いと 明るくなる。
回りが黒いと 暗くなる。

カメラに詳しい方ならこの主な原因は、光学系の暗室の程度が悪い、と思われるでしょうが、
実は、ガラスの表面反射も要因として無視できません。
ガラスはコーティングなしの場合、5%の表面反射が生じます。
この反射が余計な照明光となり、あるいは、回りが黒いと余計な照明光を産まず、
目的の反射率に相当する値を得られません。

〜〜〜〜〜

今回紹介するオルソスキャナは、
(1) 作品を上向きにセットする。
(2) ガラスなどを載せずにスキャンする。
(3) 非接触で撮影する。

を満たしています。
このスキャナでチューニングすると288色パッチについての、色再現性の平均値は、
ΔE < 0.8
までは近づけられることが判りました。

Photo_20231223120101  


このオルソスキャナを使って、 いろはLab

で作成したプリンタICCプロファイルとの組み合わせで生まれる 高精細レプリカ制作サービス、ぜひご賞味ください。

(一ノ瀬)

*1) センサに入った光量に比例した値を計測してみる

イメージスキャナ専用駆動ソフトウェア アイメジャースキャン

 iMeasure Scan 

https://www.imeasure.co.jp/product/imeasurescan.html

Densitometer機能があり、ガンマ1.0でスキャンした画像を得ることが可能です。
例えば、フラットベッドスキャナを使って、16bit (65,536階調)の反射率測定機として活用できます。


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