不思議なレンズ #テレセントリックレンズ
【 不思議なレンズ 】
オルソ画像を得るために、特殊なレンズ
「テレセントリックレンズ」を使います。
これは、半導体の電子回路パターンを作る際に使われるレンズで、ステッパーと呼ぶ装置の心臓部分のレンズです。
非接触で光学的に回路を焼き付けます。
このレンズの最も重要な特徴は、被写体がレンズに近づいたり、遠ざかったりしても、結像側の被写体の見かけの大きさ(寸法)が変化しない点です。
これは、ナノメートル精度で電子回路を何層にも重ねて焼き付ける半導体の製造プロセスにおいて非常に重要な機能です。
~~~
この実際の動画が以下にあります。
従来のレンズでは、ものさしが近づくと大きく、遠ざかると小さくなるのに対して、
(あたりまえですよね!)
https://www.youtube.com/watch?v=G_M9I5Yi-6g&t=87s
テレセントリックレンズの場合、ものさしの見かけの大きさは変化せず、ピントのみが変化しているのが判ります。
https://www.youtube.com/watch?v=G_M9I5Yi-6g&t=102s
本当に不思議なレンズなんです。
~~~
この不思議なレンズの仕掛けは、実は結構シンプルです。
https://www.imeasure.co.jp/pdf/leaf_OrthoScan-IMAGER_jp.pdf
通常レンズと被写体の間に、もう一つ凸レンズを配置します。
この凸レンズの焦点位置に絞り環を入れます。
そして、凸レンズの焦点距離だけ離れた物体側(図では下側)に被写体を置きます。
すると、なんということでしょう!
被写体から四方八方に放たれた光の内、
垂直(真上に向かって)にレンズに入る光以外は、
この絞り環を通過することができないのです。
これが、テレセントリックレンズの仕掛けです。
図は、片側テレセントリックレンズ(被写体側のみテレセントリック)ですが、より精度の良い(温度依存の少ない)レンズは、両側テレセントリックレンズとして設計され、センサ側(図の上側)もテレセントリック性を持たせるレンズも有ります。
最近のコメント