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2022年3月 4日 (金)

現在の最先端の画像複製技術を見比べてみよう


 

毎年、花見の季節になると この国宝の複製画の展示が始まります。

 

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2022年3月1日~5月29日

国宝 花下遊楽図屏風(高精細複製品:復元)

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六曲一双の内、右隻の第三扇と第四扇の2扇は、修復中関東大震災で消失しました。

ガラス乾板( 屏風の撮像領域は4x5相当)が現存したため最新のデジタル技術で復元した作品です。

 

弊社は、ガラス乾板の高精細スキャニングをお手伝いさせて頂きました。

 

詳細は、文化財活用センター様のBLOGをご覧下さい。

 

 

失われた花宴 〜よみがえる花下遊楽図屏風〜 後編

(2020/7/7)

 

使用したスキャナは、

ガラス乾板スキャナとしては弊社最高峰の 4800ppiイメージスキャナ

REALPIXELイメージスキャナ RPS-4800 です。

 

〜〜〜

 

消失した中央2扇は、

(1)国宝<当時の白黒写真撮影>ガラス乾板<イメージスキャナ>白黒デジタル画像<IJプリンタ>複製画

それ以外の現存する国宝は、

(2)国宝<CMOSデジタルカメラ>フルカラーデジタル画像<IJプリンタ>複製画

 

という流れです。

 

複製画ですので、かなり近寄って鑑賞することができます。

 

私はたまたま、国宝本物が1ヶ月展示されていた時に、両方を見比べて鑑賞する機会に恵まれました。

 

女性の髪の毛の1本1本の再現に注目してみてください。

やはり1mを越える屏風に糸のように描かれた女性の髪の毛の再現のためには、4x5写真相当では、銀塩粒子が粗すぎることがはっきりと見て取れます。

 

つまり、

5インチ×4800ppi=24000 pixel

1.5メートルの屏風なので、複製品上では、16pixel/mm →406 ppi

となっている筈ですが、実力は、300ppi程度です。

つまり、銀塩粒子が、3500 ppi程度しか情報が無い計算になります。

 

複製画では、この ガラス乾板から来た 300ppi相当の画像と、

国宝本体から来た 高精細画像 の比較が可能です。

 

=====

1.ガラス乾板から来た 300ppi相当の画像

  → 六曲1双の内、右隻の第三扇と第四扇の2扇のみ。

2.国宝本体から来た 高精細画像

  → それ以外。

=====

 

ぜひ、女性の髪の毛(額からの生え際)に注目してみてください。

 

当時、屏風 1扇毎に、 8x10(エイトバイテン)で撮影しようなどとは思わなかったでしょうからね。

 

(いちのせ)

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