何故撮影で18%グレーを標準濃度として撮影するのか?
何故撮影で18%グレーを標準濃度として撮影するのか?
私が初めて聴いた理由は、「自然界の反射率を平均すると18%だから」でした。
1995年製造のKODAK Gray Cards には
Q. What’s the purpose of a gray card?
というQAに、次の記述があります。
「An “average” scene is one in which an average of all the light and dark tones equals a middle gray like the gray cards. 」
「全ての明、暗の濃度(tone)を平均すると中間調グレー(the gray cards)に等しい。」
2007年のKODAK Gray Cards でも同様の記述を見つけました。
「Most in-camera and handheld meters are of the reflection type, and are calibrated to provide exposure information based on an "average" scene, one that contains a balance of light and dark tones equal to middle gray. 」
https://www.zonephoto.it/images/pdf/kodak-grey-card1903061.pdf
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本当でしょうか?
検証してみました。
その結果報告です。
Kodak Grayscale Testchart の20パッチについて
全ての反射率を平均してみました。
結果は、0.222 つまり、22%です。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/kodak-q-13-8-15.html
0.18との差は、0.04です。0.222-0.18 = 0.04
もし平均するパッチから、1枚だけ抜くとすると、20倍の0.8 ですから、もっとも明るいパッチ(#Aか1)を1枚抜くこととなります。
となると、「自然界の反射率を平均すると18%」と言うにはかなり無理がありますね。
どうやら、何か勘違いしているようです。
いったい 18% の根拠はどこから来ているのか。
(つづく)
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