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2021年12月

2021年12月21日 (火)

デジタルカメラ操作に必要な撮影の知識 〜イメージスキャナと比較して〜

画像保存セミナー
11月19日、オンラインで日本写真学会主催の令和3年度画像保存セミナーがありました。
残念ながら私は来客とぶつかり後ほどアーカイブを拝聴する予定です。

中でも、「講演4.紙資料をデジタル化する際の入力装置(スキャナ、デジタルカメラ)の特性、特徴」
(株)インフォマージュ 綿引雅俊さんのお話を楽しみにしています。

先行して予稿集が公開されていたので拝読しました。
「スキャナは取扱い説明書の通りに作業すれば問題なく画像が得られる」のに対して、デジタルカメラは、
「機材のセッティング、カメラ操作、機材の選択、撮影の知識」が必要である。
という一文を読み、撮影の知識を一通りリストアップしてみました。
<デジタルカメラ操作に必要な撮影の知識>
【カメラ設定項目】
1.露出条件
1-1. シャッター速度
1-2. 絞り
1-3. ISO感度(暗部ノイズとダイナミックレンジ)
2.色かぶり
2-1. 色温度(フィルターワーク)
2-2. ホワイトバランス
3.解像力
3-1. ピント出し
3-2. 被写界深度
3-3. 画素数(解像度)
4.パース
4-1. レンズ焦点距離(撮影対象に対する撮影見込み角度)
【照明装置の設定項目】
5.光量
5-1. 照射強度
5-2. 照明ムラ
5-3. 色温度
5-4. 分光発光特性(スペクトル)
5-5. 紫外線、赤外線強度
6.テクスチャー
6-1. 照射角度(陰影)
6-2. 拡散反射光
6-3. 光沢反射光(テカリ)
【撮影対象(メディア)の知識】
7.明度
7-1. 分光反射特性
7-2. 反射率異方性(Optical Variable)
7-3. 特色(金、銀、顔料など)
7-4. モアレ発生の仕組みの理解
【総合的な知識】
8.カラーマネージメント
8-1. ICC プロファイル
8-2. ガンマ
8-3. ガマット
次回から項目に関連してコメントしようと思います。

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2021年12月20日 (月)

1回露光で75dBのセンサが、2回露光してどうして120dBになるのかな?

どういうこと?

どなたか教えてください。

 

1画素あたりに電子の数を多く溜め込むことができる飽和値を高くするとともにノイズを低減することで、2回の露光で120dBのハイダイナミックレンジを実現する画像を取得できる「HDR駆動機能」を搭載しています。単露光でも75dBを実現

 

120dB -> /20 -> 6 -> 10^6 = 1,000,000-

75dB -> /20= 3.75 -> 10^3.75 = 5,623-

 

1回露光で75dBのセンサが、2回露光してどうして120dBになるのかな?

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000723.000013980.html

 

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型とインチ


型とインチ

そうだったのか。



テレビカメラが使われた撮像管の直径に由来するのだ。
直径1インチの撮像管があった場合、実際に撮像に使えるエリアはそれよりずっと少なくて、その時の比率をずっとひきずっているのである。


1インチのセンサーでも実際の撮像エリアは対角線で15.8mmしかなく


>その時の比率をずっとひきずっている


その時の比率ってことは、つまり、

Φ1インチの中の、対角線で15.8mm ってことで 
 62% ( = 15.8/25.4) ってことですかね。

SONYはテレビ屋だったので、1型という表記をするんですか。

解像力表現もテレビ屋とカメラ屋は違うよね。
テレビ屋が 水平解像度 500本 というと、
カメラ屋の 250Cycle のこと。

2021年12月15日 (水)

双子座流星の撮影

_zoom

デジカメの設定

(1)地上の夜景で予めピントを合わせる。

・レンズをAFからMFへ切り替え。

・ライブビューモードでzoomして、手動でピント出し。

・レンズのzoomとピントをテープで完全固定する。

(2)時刻合わせ。117に電話して1秒精度で合わせる。

(3)バッテリー対策。

・事前に100%充電しておく。

・撮影後のプレビュー画面確認をOFF。(節電)

(4)露出30秒。BULBの1つ手前。

(5)インターバル撮影モードを設定31秒ごと。360ショット(3時間分)

(6)カメラを三脚、もしくは自動ガイド赤道儀に固定して開始。

 

以上


元画像(上の画像は上端部の強拡大)

 

 

1215033449_dsc_7076

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2021年12月 9日 (木)

コロナ禍の美術館の運営を支えたい



コロナ禍の美術館の運営を支えたい。 アイメジャー 一ノ瀬 

2021.12.9


COVID-19の影響で、美術館や博物館の来館者がシャットアウトされ運営に大きな影響を及ぼしています。

一方、音楽系のアーティストは、オンラインライブを試み有料チケットで事態を切り抜けようと試行錯誤しています。

美術館の運営にデジタルアーカイブがどのように寄与できるのか。

弊社では、デジタルアーカイブの時代の動きを『Phase-1からPhase-2へ。」と呼んでいます。

〜〜〜

■Phase-1 〜複製画の時代〜

Phase-1は、フラットベッドスキャナやデジカメを使って原画を撮影して、インクジェットプリンタやオフセット印刷などを用いて複製画を作成して、売店などで販売する時代です。

Phase-1.5と言える動きが、高精細複製画技術です。

例えば、長野県の安曇野ちひろ美術館が実施している、光に弱い作品を守るために高精細な等倍複製画を作成し、原画作品展示の代わりに複製画を展示する時代です。

海外に作品を貸し出す場合にも、作品が劣化していて輸送に堪えられない、展示会場の環境が作品展示に対して十分な環境(温度、湿度、照度)を確保できない、などの場合に有用です。

問題となるのは、A1サイズを越える作品です。キャンバスサイズでいうと100号を越える(短辺側でも1メートルを越える)作品となります。この絵画作品を高精細複製するためには、どうしても分割撮影が必須となります。

Phase-1の時代は、デジカメによる分割撮影画像を継ぎ接ぎしても、最後は等倍複製のインクジェットプリンター出力であれば、『バレない』というところに品質の上限値を設定できました。

しかし、デジタル画像をpixel等倍にて、ディスプレイで鑑賞するのには耐えられません。

〜〜〜

■Phase-2 〜まるで現物を目の前にしてルーペで拡大して見ているような錯覚〜

Phase-2は、1ピクセルの画素までディスプレイのビューアーで眺めても、一体どこで画像を繋ぎ合わせたのか判明できない品質です。

また、ベイヤー配列センサを採用したデジカメで良く見られる、「黒い細線が色ニジミや偽色を生じる」こと無く、黒い細線は真っ黒のまま表示される品質。

この時代を 弊社では、Phase-2と呼んでいます。

1メートルを越える絵画や掛け軸を非接触で高精細スキャニングするサービスを展開している企業は日本に数社しかありません。

Phase-2の品質に堪えられるサービス。かつ、必要に応じて全国どこにでも出張スキャンを行うサービス。

それが、アイメジャーの ファインアートスキャン サービスです。

弊社では、Phase-2の要求に対して、光学解像度400ppi で も通常は十分な品質を提供できると確信しています。でももし予算の余裕があれば、更に上の、800ppiをお勧めしています。原画を目の前にして見ても裸眼では到底見分けることができない超高解像度品質です。国宝級の貴重な作品の修復作業に入る前の現状把握や、恒久的なデジタルアーカイブ、このスキャニングを終えたら作品を厳重に恒久保管し、複製画のみを不特定多数閲覧者への開示作品とする場合、などに活用されています。

アーティストがオンラインライブをするように、美術館の学芸員様が、もしくは作家ご本人が、作品企画展において見どころをオンラインライブする。そんな時代がすぐ其処にきています。道具立ては全て揃いました。

〜〜〜〜

■実施事例

長野県立美術館所蔵の 東山魁夷画伯作『白馬の森』や『緑響く』をスキャニングさせて頂きました。

『白馬の森』 は、横幅2メートルを越える大型作品です。

この作品を800ppiでスキャンして 34億画素の画像として納めてあります。

34億画素とは、NHKが宣伝する8Kカメラの画素数が約3200万画素ですので、8Kカメラを使って100枚、分割撮影してそれを繋ぎ合わせた大きさです。

チケット販売入口にて、どなたでも 無料で 作品の任意の箇所を拡大して 85インチ4Kディスプレイで閲覧できる状態で 展示されています。


(留意:残念ながら現在はCOVID-19対策として、スライドショーモードで稼働しています。東山魁夷、横山大観、郷里の産んだ著名作家 池上秀畝、菱田春草 他11作品が現在デジタルビューアーによる作品紹介システムに収められています。)


アイメジャー株式会社

 

○ファインアートスキャン サービス 公式ページ


○ファインアートスキャン サービス 動画

2021年12月 5日 (日)

トモエゴゼン 東京大学 木曽観測所 の最新鋭の105cmシュミットカメラ 天体望遠鏡

トモエゴゼン

2019/10/17

長野県の木曽地方に東京大学が運用する天文台があります。直径105cmのシュミットカメラという特殊な光学系の望遠鏡でして、非常に明るい光学系のため(F3.1)短時間で広い範囲を観測できるという特徴があります。この望遠鏡のセンサが今年新たに生まれ変わったそうです。

  

天文観測用の撮影手段もデジタル化が進み、銀塩写真方式から、CCD方式となりました。銀塩方式では星から届いた光で受光部に塗布した銀(Ag)粒子をイオン化します。イオン化した銀粒子を現像して定着することで、星の像が銀粒子として可視化されます。

 

一方、CCDでは、シリコン(Si)のセンサ画素毎に光を貯め、太陽光発電と同じ原理で、光が電子を生み出します。その電子(電荷)を貯めた後、電圧に変換し、そのアナログ電圧をA/D(アナログデジタル)変換することでデジタル画像を生成します。

  

天体は非常に微弱光のため、シャッター速度:露光時間を非常に長くしないと撮影できません。しかし、CCDセンサは星から届く光で生じる電子以外にも、撮影環境の温度が高いと光とは無関係に電子が発生します。全く光が入射しなくても生じる電荷のため暗電流と呼ばれます。

 

天体用CCDセンサは、この暗電流の増加を防ぐためセンサを超低温に冷却して使用していました。具体的には、現在普及しているキャンプ用小型冷蔵庫に使われているペルチェ素子を何段にも重ねて使って、冷やします。シュミットカメラの特徴である広い範囲を観測できる性能を活かすには、センサの面積も非常に大きくなります。しかし、冷却方式では、センサの重量が増大し課題があったそうです。

  

今回登場した新しいセンサは、現在の携帯電話や動画撮影も出来るデジタルカメラで利用が始まった、裏面照射式のC-MOSセンサを搭載しました。84コものC-MOSセンサを並べることで、オリオン座の大きさの約半分の視野を一度に撮影することができるようです。

  

また、電子冷却も不要で、動画撮影も可能な特徴を活かして、1秒に2枚の画像を連続して一晩中撮影し続けることができるそうです。そのデータ量は一晩で、なんと30TB(テラバイト)に達するそうです。

  

これらの特徴を活かして、さっそく 地球接近小惑星の発見が相次いでいます。

・2019年9月27日 地球接近小惑星の発見(2019SU10)

  http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/NEWS/2019SU10/2019SU10.html

  (月までの距離の1.9倍)

・2019年3月16日地球接近小惑星の発見(2019FA)

  地球ー月間の距離(35万km)の約半分の距離を通過したようです。

  (月までの距離の0.58倍)

 

これだけでも十分に人類の安全に貢献していると想うのですが、この新しい観測装置の真の開発目的は、重力波の可視光観測なのだそうです。

天文月報 2017年1月 酒向重行氏

http://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/2017_110_01/110_01_42.pdf

ノーベル賞がやがて木曽の観測から生まれるのかも知れません。

 

(初出 有料メルマガ https://www.mag2.com/m/0001683126  第17号 2019/10/17)

 

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