« 2021年10月 | トップページ | 2021年12月 »
先日発表されたミラーレスデジカメ、キヤノンEOS R5の「EOS VR SYSTEM」は興味深いですね。一体化した2本の魚眼レンズをミラーレスデジカメのボディーに取り付け、専用ソフトを組み込むことで、ステレオ動画撮影が可能となるシステムのようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f13089c893295737b0df5028acd6390469e5fb97
レンズ交換可能なプロ向けデジタルカメラは、一眼レフタイプとミラーレスタイプの二種類が普及しています。
ミラーレスの長所は、一眼レフに較べてレンズの終端~センサ(かつてのフィルム位置)までの距離を短く設計出来ることです。
レンズの取り付けるカメラボディーからフィルムまでの距離を専門用語でフランジバック(FB)と呼びます。
例えば、工業用検査カメラではFマウントと呼ぶ、ニコン製のカメラボディーと互換性のあるレンズが普及しています。ニコンも一眼レフタイプとミラーレスタイプを発表しており、そのフランジバックの違いは次の通りです。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/3394mmnikon-f-z.html
一眼レフ(Fマウント):46.5mm
ミラーレス(Zマウント):16mm
約3センチメートルもレンズの設計自由度が増した訳です。
ところで、カメラマニアが憧れるライカのカメラは、最初から一眼レフタイプではなく、レンズとセンサの距離を最短にできるカメラでした。その替わり、撮影構図とピント位置を決めるための仕掛けがファインダーに搭載されていました。これがレンジファインダーです。三角測量の原理で、ピントを合わせたい箇所までの距離を手動で測定して、レンズの焦点を調節します。
一方、ミラーレスと呼ばれるデジカメは、フィルム位置に置く画像センサ(C-MOS)で得た動画をリアルタイムにビューファインダーに表示します。つまり、ミラーレスデジカメを覗くと見えてる景色とは、「さっき撮影したばかりの動画放送をテレビで眺めている」ということになります。
考えてみると、スマートフォンで写真撮影する時も同じ仕掛けであることに気付きます。
~~~
ところで、先日ニコンから新しい天体望遠鏡が発表されました。
https://www.nikon-image.com/news/info/2021/1007.html
一昨年からクラウドファンディングで企画された斬新な天体望遠鏡で、フランスのUnistellerという会社の製品のOEMです。ビューファインダー部のみニコンがカスタマイズしたモデルのようです。
日本でも、このeVscopeは、昨年(2020)9月頃から入手される方が #eVscope というハッシュタグで撮影した写真を投稿する様子が観られます。
この望遠鏡の特徴は多岐に渡りますが、ミラーレスデジカメと同じく、望遠鏡を覗くと見える景色が「さっき撮影した動画放送をテレビで眺めている」仕掛けである点でしょう。
しかも、更に画期的な点は、例えば、5分間露出など、撮影したばかりの高感度画像を見ることができる点です。
それまで写真撮影した後でしか見ることが出来なかった暗い星雲などの姿が目の前に見えるのですから驚きです。しかもその場に居る人のスマートフォンにWiFiで配信され動画を共有できます。
このeVscopeの進化系は、既存のスマートフォンやミラーレスデジカメの今後の姿がどう変化していくのかを想起させます。
赤外線カメラや暗視カメラのように、裸眼では見えない被写体がリアルタイムに映し出される時代がすぐ其処にあるのでしょうね。
(初出:有料メルマガ)
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
30 | 31 |
最近のコメント