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2020年11月19日 (木)

正射投影と中心投影

正射投影と中心投影

Kenzan2

投影法とは、立体物をどのように2次元の図絵に落とし込むか?

その手法のことです。

風景写真や地図などは、投影法の事例です。

 

身近な投影法に、中心投影法と正射投影法があります。

 

1.中心投影 central projection

 

光の直線性を利用したピンホールカメラの原理です。

穴を通じて、被写体の像を1枚のフィルム上に納めることができます。

この時の2次元画像を中心投影画像、といいます。

 

カメラ撮影は、レンズを使いますが、投影法としてはピンホールカメラと等価で、中心投影画像となります。

 

近くのものは大きく、遠いものは小さく写ります。

作画手法の「パース」とは、この代表的な中心投影の作図手法です。

「最後の晩餐」などが有名です。

 

 

2.正射投影 orthographic projection

 

正射投影とは、立体像を無限遠からの平行光の投影画像として得る2次元画像のことです。

図面の基本である三面図(正面図・平面図・右側面図)は、正射投影の作図法です。

国土地理院の地図は、この正射投影図として作成されます。

英語表記の最初の文字 ortho を用いて、オルソ画像とも呼ばれます。

 

 

3.正射投影と中心投影の合いの子

 

一般的な縮小系のイメージスキャナの画像は、センサ配列方向が中心投影画像です。

また、機械的にセンサが移動してスキャンする方向が、正射投影画像となります。

試しに、腕時計や卓球のボールなどをスキャンしてみてください。

円形になる筈のスキャン画像が、楕円になります。

機械的にセンサが移動してスキャンする方向が、被写体の正確な寸法です。

49

上の写真では、上下方向が、正射投影、左右方向が中心投影です。
地球儀ビー玉部分を拡大してみましょう。

20201120-140517

※上下方向に対して、左右方向が数パーセント縮んでいることが見て取れます。
 近づいた所(日本)は大きく、遠いところ(アフリカ)は小さくなります。
 そのため、例えば凹凸がある掛け軸などを撮影すると、
 左右の輪郭が波を打ったり、原図では直線であるはずが、波を打ったように写ります。

4.正射投影画像を得られる撮影装置

 

非常に薄型のUSB電源で駆動する密着センサ(CIS式)を使ったイメージスキャナは、正射投影画像を生成します。

しかし、焦点深度がわずか0.2mmなので、書類スキャナとして使えますが非接触スキャナとしては利用できません。

Faxの読み取り部にも、これと同じ結像レンズ系が用いられています。

 

一方、テレセントリックレンズを使ったオルソスキャナも、正射投影画像となります。

かつ、非接触式の大型イメージスキャナに搭載可能です。

 

以上の投影法の特徴を実際に撮影する被写体の特性毎にまとめると表の様になります。

20201119-160830

■ オルソスキャナの特徴

https://www.imeasure.co.jp/ortho/

 

[1]非接触式のイメージスキャナなのでガラス板やアクリルカバーなどが付いたまま額から作品を外さずにスキャンできます。

他にも実際にスキャン作業の経験値が上がるにつれて、テレセントリックレンズを搭載したイメージスキャナ「オルソスキャナ」のメリットが見えてきました。

 

[2]被写体〜レンズ間距離が変わっても倍率が変わらない (ア)

 

 → 分割撮影した画像の接合が非常に楽。
 通常のカメラ撮影では、左右のレンズ倍率が一致しないため、重複して撮影した接合部で画素数が一致しません。

 

[3]被写体〜レンズ間距離が変わっても倍率が変わらない (イ)

 

 → 被写界深度(ピントの合う範囲)を超えた作品でもピント位置を数ミリづつ変えて撮影(フォーカスブラケット撮影)した画像を簡単にレイヤー合成して、全焦点画像を生成できる。

 

[4]スキャン全域で、照明光と撮影光軸の位置関係が一定

 

 → Optical Variable (オプティカルバリアブル) な被写体に適してる。
(金箔やホログラム印刷など、入射光の角度と撮影光軸の角度の幾何学的配置関係に依存して色、明るさなど見え方が変わる被写体)

※ ここで重要な点は、金箔の見え方のコントロールは、照明角度による調整であり、後処理の画像処理で変えていません。
 照明角度による調整を行った後、白基準板による校正(シェーディング補正)をスキャン毎に行います。
 その結果、染料や絵の具、顔料などの(拡散性の)色再現は、金箔の見え方のコントロールによる影響を受けません。

※ 金箔屏風は、緑、青、胡粉の白など様々な色で色彩が描かれています。それらの色の忠実な色再現には一切影響することなく、純粋に金箔部分の”見え”のみをコントロールすることができる。それがオルソスキャナのみがこなすことができる、重要な特徴です。

■ サンプル画像(全てオルソスキャナによる画像です)

 

【巨大画像の高解像度撮影】

地図 79.5cm×108cm

光学解像度 800ppi

https://www.imeasure.co.jp/ortho/viewer/viewer.html?img=dzi/map&reso=800

 

 

【ガラス板付き・平面光沢】

昆虫標本の箱(高さ6.2cm)を上からガラスケースのまま撮影しています。

総画素数は、3.2億画素。

光学解像度:800ppi

https://www.imeasure.co.jp/ortho/viewer/viewer.html?img=dzi/ageha&reso=800

 

【立体物撮影】

土器

寸法 右下に(デジタル)ものさしがあります。

光学解像度 300ppi

https://www.imeasure.co.jp/ortho/viewer/viewer.html?img=dzi/doki&reso=300

 

【分割撮影・接合】

掛け軸 128cm×45.5cm

光学解像度 800ppi

総画素数 7.6億画素

https://www.imeasure.co.jp/ortho/viewer/viewer.html?img=dzi/koinotakinobori&reso=800

この画像は、4回分割撮影した画像を接合しています。継ぎ接ぎの境界が3本あります。

しかし66LPIの絹本(絹糸で織った布)の継ぎ目は、1pixel精度で繋がっており継ぎ目は見つけられません。

 

【全焦点画像・フォーカスブラケット撮影・深度合成】

土器

https://www.imeasure.co.jp/ortho/viewer/viewer.html?img=dzi/doki3&reso=300

昆虫標本

https://www.imeasure.co.jp/ortho/viewer/viewer.html?img=dzi/ageha&reso=800

 

【Optical Variable 金箔・ホログラム印刷】

刀剣

光学解像度 400ppi

https://www.imeasure.co.jp/ortho/viewer/viewer.html?img=dzi/yukigiri&reso=400

 

【技術レポート】

金箔撮影のポイント ~金箔屏風に適した撮影システムとは~

https://www.imeasure.co.jp/report/gold-leaf.html

 


以上

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