出張スキャン対応 非接触式大型スキャナのラインアップ 〜 4K 8K 16K 32K 48K の時代へ 〜
今週、無事出張スキャンを終えた。
4月に予定していた出張スキャンが、COVID-19の影響で延期となり、今月に行うことになった。
滞在した自治体では、連日感染者が増加し、結局3食全てコンビニ弁当という状況でした。
(左の唇に変な出来物ができた!)
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スキャンの方は順調に完了した。
このところ、出張スキャンをする度に、改造を続けている。
(1)基本形:600mm × 1000mmのスキャン。
紙でいうと、A1(594x841mm)オーバー。
光学解像度は、1200ppi, 800ppi, 400ppi, 150ppi
スキャン時間は800ppiで、4分。
400ppiで、3分でスキャンします。
会社のスタジオで受入スキャンする場合は、クリーンブース(HEPAフィルタ付き、クラス1万相当の設備)で行うので、埃を回避できる。
1回のスキャンで得られる画素数は
400ppi で、1.5億画素(0.15Gpixel)
800ppiで、6億画素(0.6Gpixel)
1200ppiで、12億画素(1.2Gpixel)
4Kとか8Kの言い方に換算すると、
400ppi で、16K (8KのTVが4枚)
800ppiで、32K (8KのTVが16枚)
1200ppiで、48K (8KのTVが36枚)
相当だ。
(2)カニさん脚付き:2.4m × 1mのスキャン。
作品をスキャナの原稿台の上で水平にミニチュアリニアガイドに沿って手動スライドして、分割スキャンする。
50cmづつ、10cm程度重なるようにスキャンして、5回に分けてスキャン。
作品をスライドする時間を含めて、凡そ800ppiで、1時間。
(3)作品床置き:3.2m × 1.3m のスキャン。
作品を床置きして(プラダン1、プラダン2、中性紙の上)
スキャナの下で作品をスライドして分割撮影します。
3.2m方向に6分割、1.3m方向に2分割、合計12分割スキャン。
およそ、400ppiで、1時間。
(4)作品床置き:3m × 2m のスキャン。
毎回、接合後の画像のサイズ(総画素数)は、記録を更新し、34億画素を超えます。
・そろそろ、会社のサッシを全て取り外さないと作品の受入が出来なくなりそうです。
(5)限界の計算値
Adobe Photoshopが今のところ制約です。
30万画素x30万画素なので、900億画素(90Gpixel)までは行ける計算です。
400ppi画像であれば、19m
800ppi画像であれば、9.5mまでとなります。
従って、床置き方式であれば、1mx19mまで(400ppi)であれば対応可能です。
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■ 分割スキャンした画像が繋がる仕組み。
生け花の剣山をデジカメで撮影すると、レンズの特性が良く判ります。
右が、一般的なデジカメ、
左が、テレセントリックレンズを使ったシステム=オルソスキャナ
この二つの画像を見るだけで、デジカメで分割撮影した画像が、原理的に繋がる訳がない、
ということが誰でも判る。
だから、無理矢理画像を歪ませて、接続するPhotoshopの技「パペットワープ」をやるしかない。
その現場を学芸員にはお見せできないだろう。
持ち帰ってから納品までに時間が掛かる理由もそれだ。
・・・
https://www.imeasure.co.jp/report/photomerge.html
テレセントリックレンズを使ったシステムは、400ppi、800ppi、と光学解像度をどんどん上げていっても、分割撮影した画像が、簡単に繋がる。
「フォトマージ」だけで簡単に繋がる。「パペットワープ」は不要だ。
例えば、、
山谷に折れ曲がっていて、
手で押さえ付けたり触れることのできないような
貴重な古地図であっても、簡単に繋がる。
このテレセントリックレンズシステムを採用した大型スキャナ=オルソスキャナは、
現在、
・群馬県 株式会社シン技術コンサル、 https://www.shin-eng.co.jp/cultural/sios/
・東京都 凸版印刷株式会社
・京都市 京都国立博物館、
・長野県松本市 アイメジャー株式会社、 https://www.imeasure.co.jp/product/ortho.html
に常設されている。
全て、アイメジャー株式会社製の日本国産の非接触式のイメージスキャナです。
弊社は出張スキャンにも対応しているので、
(長野県のCOVID-19往来条件に掛からない範囲で、)
全国何処へでも行きますので、お声掛けください。
→ アイメジャーの出張スキャン スキャニングサービス
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■技術資料:
テレセントリックレンズのシステムの詳細は、日本デジタルアーカイブ学会で発表した論文をご覧ください。
https://www.imeasure.co.jp/pdf/B31_DigitalArchiveSociety.pdf
学会のページには、研究大会で私が発表したパワポ資料も置いてありました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsda/2/2/2_91/_article/-char/ja/
以上
追記)
>デジカメで分割撮影した画像が、原理的に繋がる訳がない、
1つだけ解があります。
以前は、日立製作所がやっていた DIS (Digital Imaging System)、
最近は、Googleが美術館に無料で貸し出すシステム、Google Art Project 用のカメラ、
そして、Canonの綴りプロジェクトのカメラシステム。
カメラを三脚の上、1箇所に固定して、水平θ、上下Φの首振り回転だけで、撮影を続けて画像接合する方法。
天体望遠鏡で言えば、経緯台。
これであれば、人間が作品を観察する視点と同様の画像を接合できる。
ただし、これらの方式の欠点は金箔などの鏡面反射に準じた作品の複製の場合に問題が生じる。
具体的には、照明が現場で確定できない。
大型スキャナのメーカーでさえも、照明装置のデザインを見る限り、この問題をきちんと考察しているところは無さそうです。
弊社のオルソスキャナは、照明系の制御が自由自在です。
特に金箔を含む作品の複製に威力を発揮します。
詳細は、お問合せください。
以上
追記2)
金箔撮影のポイントを整理してみました。
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