ガラス乾板のスキャンやネガフィルムのスキャン
ガラス乾板のスキャンやネガフィルムのスキャン
何度も同じ画像を繰り返しスキャンする目的
弊社が関わった 国宝屏風を撮影したガラス乾板のスキャニングについて
https://watsunagi.jp/craft/7449/2/
「
スキャニングは右隻全体を2400ppiで1回、消失部分のみを1200ppiで1回、さらに4800ppiで7回行い、それらのデータを重ねて画像をクリアにする処理を施し、原寸大の印刷に耐える高解像度の白黒画像データを制作しました。
」
ガラス乾板スキャニング:アイメジャー株式会社
このことについて質問を頂きました。
要点のみ回答します。不明点ございましたら、直接ご質問ください。
ーーーーー
・ネガ画像は、最暗部がネガポジ変換後にハイライト側になります。
・一般的なスキャナやデジカメでは、フォトダイオードの電荷コンデンサ部は1万フォトン(光子)程度で飽和します。
・物理的に不可避なノイズである光ショットノイズは入射フォトン数の平方根で決まるので、1回スキャンでは、s/n比は、100:1となります。これは、OD値(Optical Density=光学的濃度)換算では、2.0です。
・ネガ画像のOD値は、2.6前後あるので、例えば、16回スキャンして加算することができれば、 16万フォトン相当となり、平方根で400:1 つまり、OD値で2.6程度までが 滑らかな画像(ノイズのない)で得ることが(原理的に)可能となります。
・アナログ時代は、この手法をコンポジット法と呼んでいました。 例えば、非常に微量な光で撮影した木星惑星写真などを同じ撮影条件で何枚も撮影し、そのフィルムを印画紙に焼き付ける際に、多重露光しました。
・デジタル時代は加算平均とか、高解像度画素から低解像度画素を得る際に、高速化と高S/Nを両立する技として、アナログ電荷を加算する「ビニング」処理があり、これらも同じ原理です。
・詳細はこちらをご覧ください。
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_bd38.html
以上
追記)
デジタル方式での多重露光や加算平均処理は、フィルムスキャナドライバの時代に既に実施されていました。
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