スキャナは濃度計になるか? その4
以前、スキャナは濃度計になるか? というテーマで
反射率、透過率の検証をしたことがあります。
久々に今回はその続き、 その4 です。
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スキャナは濃度計になるか?
その3 2010年8月23日 (月)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/--ta.html
その2 2009年1月17日 (土)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/2-96f1.html
その1 2009年1月17日 (土)
http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-c1f3.html
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ISO等で濃度の計測法が定義されています。
45度円錐の照明にて垂直反射光を計測する。
垂直照射光にて、45度円錐反射を計測する。
垂直照明光にて、透過光を積分球で捉えて計測する。
など照明とセンサの幾何学的な配置が定義されています。
イメージスキャナはこのいずれの幾何学配置にも属しません。
ただ、濃度計と同等の、黒基準、白基準補正のキャリブレーションを内蔵しています。
イメージスキャナでは、この機能をシェーディング補正と呼んでいます。
シェーディング補正機能を持たない、カメラ撮影では以下の変動要因があり、測定値に誤差が生じます。
(1)光源の照射強度
(2)レンズの絞り、カメラの感度、シャッター速度
(3)光源の照明ムラ(場所による)
(4)レンズの周辺減光
(5)センサの画素毎の感度ムラ
~~~
一般的に濃度計は、その計測法の原理から、1点のみを計測する仕組みです。そのため、濃度ムラを面状に解析したいとき、点群として計測表示する以外なく、細かく観察したいときには、膨大な計測時間がかかります。
その点、イメージスキャナは、高い光学解像度にて、一度に面状のムラを可視化することが可能です。ただし、濃度計と異なる「癖」を留意して使う必要があります。
〜〜〜
今回は、白の中に黒がある場合。(雪の中のカラス)
もしくは、真っ黒の中に、白がある場合。(闇夜の白うさぎ)
で生じる現象(問題点)を考えます。
今回の考察は、ガラス表面で生じる表面反射の影響です。
図をご覧ください。(詳しい解説は後ほど改めて。)
補足)
その3で書いた文章を再録します。
「
イメージスキャナの分光感度は、濃度計のそれとは異なるため、色について評価する場合は、対象の分光特性に依存する可能性がある。
また、照明の照射角度/センサへの受光角度、いわゆるジオメトリは、濃度計においては、0/0か、0/45度などと定義されているが、イメージスキャナの場合は、ジオメトリが異なる。よって試料が拡散(散光)する特性があるかどうかに依存する可能性がある。
」
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