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2019年3月16日 (土)

シェーディング補正機能の魅力

シェーディング補正機能の魅力

http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2011/…/post-2818.html
相変わらず この記事が 閲覧トップだ。
何故なんだろうか。

■双眼鏡という視力拡大装置

裸眼の視力1の眼は、角度分解能1’(分)

つまり、1度の1/60を分解できる。

両眼で、110度を一度に見ていると仮定して、
注目箇所に眼の最も解像度の高い場所を向けたとしたら、
裸眼は、一度に

110度*60=6600画素
を眺めていることになる。

だから、8K放送のマイクロLEDのディスプレイが、
体育館のステージ長くらいの幅で映像を映していると
視力的には、恐らく、本物のステージを目の前にしているのとさして変わらない印象を受けることになる。

欲を言えば、もう2倍(16K)まで欲しいけど。

〜〜・〜〜・〜〜

観光地に行くと、眺めの良いところに有料の双眼鏡が置いてある。
どんなに視力の良い人でも、視力2だから、角度1度を120分割するのがやっとってことだ。
そこで、特定の方位を双眼鏡で拡大して眺めると、裸眼では見えない映像を見ることができる。
これは、空間分解能を上げる道具であると言える。

■濃度拡大装置
Photoshop のレベル補正、ImageJのBrightness/Contrast

次に、階調の話。

素朴な疑問:

 肉眼は 一度に どのくらいの範囲で 明暗(輝度差)を 見分けている のか?

こないだライカのデジカメが、ラティチュード13絞りと発表して、
ISO感度を見ると、50〜50000と書いてあった。

つまり、1000倍の感度設定範囲がある時に、13段と言っているわけで、
2^13=8192の輝度差を撮影できるセンサを使って、13段撮影可能カメラと言っている。
ってことは、適正露光で、8192/1000=8.2倍程度の輝度差を一度に撮れれば由としている。

と考えられる。3絞り分だね。
OD=-LOG(1/8)=0.9 つまり、濃度0.9くらいを最も黒いと見る。
これは、新聞のカラー写真程度だ。(光学濃度0.9)

一般的には、裸眼は、5ビット程度、つまり、32階調程度を一度に見ていると言われる。
最も明るい所に、裸眼の絞り(虹彩)を合わせた時に、
1/32を黒として認識する、ということになる。

反射率 1/32=3.1% ってのは、光学濃度で 1.5。
この1.5というインキ濃度は、一般的な印刷物の濃度である。
印画紙の最大濃度で、2.3くらい。
インクジェットプリンタが頑張って、2.0くらい。
オフセット印刷物の一般的な濃度が、1.5

以上をまとめると、だいたい、普段の裸眼で、階調 32くらいを見ている。
~~・~~・~~
これに対して、8bitのスキャナで、256階調。
16bitのスキャナで、65536階調。を得ることができる。

そこで、丁度さっきの空間分解能(視力)を補助する双眼鏡のように、
階調を見分ける能力を補助する「階調ズーム」の機能を使うと、
裸眼では見えない微妙な濃度差を裸眼でも見分けることができるようになる。

それが、

Photoshop のレベル補正

ImageJのBrightness/Contrast、ですね。

いわゆるヒストグラムを部分拡大する機能だ。

~~・~~・~~
しかし、ここに落とし穴がある。
例えば、再生紙を作る製紙メーカーが、仕上がった紙の濃度ムラを計測しようとする。
紙の反射率が、A4紙、A3紙、A2紙の全面で、反射率が均一かどうかを調べようとするときに、16bitのカメラを使って撮影した画像のヒストグラムを拡大して、ムラを顕在化しようとする。

その時に見えてくるのは、実は、照明装置の照明ムラだ。
そこで、シェーディング補正が重要な機能になる。

(A)光源の照明ムラ。
(B)レンズの周辺減光のムラ。
(C)センサの画素ごとの感度ムラ。
これらを全て較正(キャリブレーション)する。

すると、シェーディング補正した後の、16bit画像は、
計測したい対象物の微妙な反射率のムラが見事に可視化できる。

そうやって、いままで、高額な濃度測定機を使って、
1箇所づつ、点で濃度を計測していても、
うまく見えなかった微妙なムラが、
いとも簡単に2次元の画像として可視化できる。

これが、シェーディング補正を使った16bitスキャナが持つ、「濃度ズーム」の威力だ。この能力を知ったアナリスト(分析屋)は、イメージスキャナの持つ魅力に惹かれる。

(了)

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