赤外線画像で測る、赤外線画像で解析する
近赤外線領域には、物質由来の吸収波長があります。
例えば、メロンの糖度の検量線をあらかじめ作成し、特定波長で得た画像の濃度から、メロン切断面の糖度分布を得ることができます。
これは、撮影に使用した特定の波長が、糖分の成分に由来した吸収がなされると推定されます。
〜〜・〜〜・〜〜
■ マルチバンドイメージスキャナによる解析
現在、製造はしておりませんが、スキャニングサービスを提供している製品にマルチバンドイメージスキャナ MBS-5593があります。
このスキャナは、以下の特徴を有しています。
=====
○光学解像度:32マイロメートル( 800ppi)
○有効波長: 555nm〜930nm
※結像は、λ= 500nm 〜 1020nm まで可能です。
○階調:16bit (65536階調)
○ガンマ:専用ソフト iMeasureScan.exe を使うことで 反射率に比例した値を16bitで得ることができます。光学濃度 ( Optical Density ) 最大 4.8 まで定量可能です。OD = -1 * LOG(スキャン値/65535)
○デジタル増感:専用ソフト iMeasureScan.exe を使うこと加算平均を実施し、暗部ノイズを低減可能です。実績で、OD5.2まで識別可能。
○タイムラプス撮影:可能。専用ソフト iMeasureScan.exe を使用。
○レンタル可能なバンドパスフィルタ波長一覧。
この一覧は現在弊社に在庫のあるフィルタです。
※別途、ご注文により、λ=10nm単位での波長が選択可能です。
=====
■より高度な使い方
例)動脈と静脈を際立たせる。
血管の静脈に吸収を持つ波長(λ1)
血管の動脈に吸収を持つ波長(λ2)
どちらにも吸収を持たない波長(λ3)
これら3つの波長で得た画像を演算します。
・演算をする理由
イメージスキャナは、校正する機能(シェーディング補正)を持っているため、被写体の反射率に比例した忠実な反射画像を得ることが可能です。
紙状の平面物であれば、この機能が有効ですが、相手が立体的な対象物の場合、照明に依存した影が生じます。
この影は、1チャンネル(1波長)の画像のみを解析する場合は、材料(素材)の吸収によって黒いのか、照明光による影によって黒いのか判断がつきません。
その場合、2種類の波長で得た画像があれば、その画像同士で演算することで、光源による影の影響をキャンセルする(校正する)ことが可能となります。
« イメージスキャナー開発現状とカラー化技術 1991.4.16 講演資料 | トップページ | シェーディング補正機能の魅力 »
「製品サポート」カテゴリの記事
- 赤外線画像で測る、赤外線画像で解析する(2019.03.15)
- PhotoDigitizerの主走査倍率精度の決め方(2018.11.16)
- 画像計測用のイメージスキャナ PhotoDigitizer が新モデルに生まれ変わります。(2018.11.15)
- 大型アナログ図面の高精度デジタイズ CADデータ化 にお悩みの方はぜひご相談ください。(2018.11.09)
- スキャナを濃度計にしたり タイムラプス撮影するソフトウェアが GTX-980 DS-G20000 に対応しました。(2018.09.28)
« イメージスキャナー開発現状とカラー化技術 1991.4.16 講演資料 | トップページ | シェーディング補正機能の魅力 »
コメント