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2018年6月 8日 (金)

掛け軸の絹本の線密度を調査してみよう

鯉の滝昇りの掛け軸を眺めていて 絹本(絹の布地)の縦と横のピッチが異なることに気付く。

鯉の滝昇り

Kenpon_density

いつものように(*1)、デジタルスケール(5mm)の画素数をImageJで計測して、画像解像度をキャリブレーションする。

Ken

■計測結果:

横方向は、10本で、3.92mm → 2.55本/mm

縦方向は、10本で、2.77mm → 3.61本/mm

(*1)いつものように:

毛割の密度を計測する

http://imeasure.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-c2ae.html

(■おまけ■)

カタクラ財閥の創業者の実弟であり
片倉松本(清水)工場の工場長だった 今井五助(いまいごすけ)

(婿養子に入ったから今井姓)

彼は、 日本が、ヨーロッパ(イタリア)と中国の生糸生産額を
追い越した後の課題を解決しようと思案していた。

ヨーロッパは病気が流行り、製糸業が壊滅し、
中国は、英国によるアヘン(麻薬)攻撃で国力をそぎ落とされた、

その隙を塗って日本の製糸業が、一気に世界トップに躍り出る。

その時の生産拠点のトップは、今の岡谷市、
諏訪湖の天然の水力 天竜川の河口(河岸)に工場が並んだ。

岡谷で生産された生糸は、中央線で運ばれて、八王子で集積され(八高線で富岡の生糸がやってくる)横浜の赤煉瓦倉庫を埋め尽くす。

課題とは何か。

縦糸は太くて不揃いでも良い。

でも、横糸は細く、しなやかで均質である必要がある。

縦糸の市場では、日本の生糸はトップとなったが、横糸の市場ではまだ、日本の製品の品質は悪かった。

今井五助はちょうどその時に、東京大学の生物学の先生が、
雑種交配技術を開発したことを知る。

いわゆる、種で言えば、F1だ。

その研究の素性を見抜き、今井五助は、松本平の農家に、無償で、F1蚕種を一斉に配る。

翌年から、F1蚕種は成功し、今までに無い、優れた蚕糸が生産されるようになる。

その噂を聞き、全国から、松本平に F1蚕種を購入しに買い付けにやってくるため、松本は大変賑わった。

F1蚕種の発明・採用からたった5年で日本の蚕種市場の8割を独占するようになる。

現在の、はかり資料館の建物は、軽いけど非常に高額な卵を計量するために、東京の秤の老舗が松本に支店を出した名残だ。

何故、長野県にひとつだけある、日本銀行の支店が、松本市にあるのか。

それは、今井五助の成功によるものである。

その名残が カタクラモールの名残の建物、スクラッチレンガであり、
現在、イオンの中の(ヒカリヤ)の下に残してあるレンガだ。

そのレンガの一角には、今井五助の栄誉をたたえたパネルがある。

あそこだけは、松本市民は一度は見ておくといい。

絹本(絹の糸)の縦と横を眺めていて、ふとそんなことを思い出した。

■出典:

蚕糸王国信州ものがたり (信毎選書)
2016/10/7
阿部勇 (著, 編集),‎ 高林千幸 (その他),‎ 伊坪達郎 (その他),‎ 小野和英 (その他),‎ 桂木惠 (その他),‎ 山浦直人 (その他),‎ 前川道博 (その他)

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