二つの技術のブレークスルーがおきました。
1.タイル化とビューアーのオープンソース化
パソコンに詳しい人ほど、例えば、
【 8億画素の画像を見るための環境 】
と聞くと、、
(1)最高速のCPUを搭載して、
(2)メモリーは、32GB以上できれば、128GB積んで、
(3)ハードディスクもテラバイトのを積んで、
(4)アドビのフォトショップを購入して、
と考えますよね。
そうした巨大な画像は、作るのも大変、見るのも大変な時代が長らく続きました。
これに対して、10年前、アドビは、Zoomify
という技術で答えました。
古くは(20年前)、LivePicture というフォトショップキラーと(当時)噂された画像処理アプリが提唱し、FlashPix
が引き継いだファイル構造で、巨大な画像を、1/2,1/4,1/8と細かく事前に分割しておいて、ユーザーが見ている画面分だけを、高速に(転送)表示する構造を提唱しました。
Zoomifyのおかげで、(IEなどの)インターネットブラウザを使って、巨大な画像を高速に閲覧することが可能となりました。
ただし、Flashというプラグインを必須とするため、アドビの掌で踊る以外に選択肢がありませんでした。
近年、アドビは、セキュリティ上の懸念から、Flashの普及を実質的に諦めました。
その一方で、Europiana をはじめ人類の公共資産である文化財画像を広く共有するための活動が結実し、基幹となるソフトウェアについてもオープンソース化が加速しました。
巨大画像をタイル化するソフトウェア、および、タイル化した画像を表示するソフトウェア群が、いずれも自由に利用できるようになりました。
その成果を弊社のWebサイトで実現した画像群が、こちらです。
http://www.imeasure.co.jp/ortho/gallery.html
http://www.imeasure.co.jp/ortho/viewer/viewer.html?img=dzi/map&reso=800
例えば、地図画像は、8億画素です。
スマートフォンからも、高速に最大解像度の画像まで拡大縮小しての閲覧が可能です。
この技術の長所は、Webブラウザーの仕様に沿って動作するため、ビューアーの機材を選びません。
パソコン(Windows/MacOS/UNIX)、パッド、スマートフォンなど、インターネットを見ることのできる道具であれば、どんなツールからも閲覧することが可能です。
もちろん、ネット上に公開した画像の盗難を危惧するようであれば、博物館や美術館の決まった場所に設置したPC機材にのみで閲覧するシステムにすることも可能です。
2.HDRセンサの登場 (ハイ・ダイナミック・レンジ)
数億画素の画像を何に使うのか?
例えば、2メートル×1メートルの畳1枚分の掛け軸(例えば、伊藤若冲など)を等倍複製画を作る場合、約5億画素の画像が必要となります。
3千万画素のデジタルカメラで分割撮影したら、20ショットを接合することになるでしょうか。
苦労して接合して、最新式のインクジェットプリンタで出力し、装丁することで、複製画の商品として販売できる品質になります。
しかし、最新のデジタルカメラは、裏面照射技術の採用、C-MOSセンサのノイズ処理技術の進化により、非常にダイナミックレンジの広い画像を得ることができるようになりました。
一般にインクジェットプリンタで印刷するメディアの光学濃度は、平均で 1.5程度です。
つまり、ノイズだらけの画像や、継ぎ接ぎだらけのでも、紙に印刷している限りでは、全く問題ありません。肉眼では見分けがつかないからです。
じゃぁ。折角の、HDR画質を何に生かすのか。
それが、デジタルディスプレイによるビューアー製品が登場する必然性です。
通常のディスプレイで8bit(256階調)を表示します。
印刷物換算では、OD値で2.5を表現できることになります。
これは、最高級の印画紙で表現する階調(OD:2.3)を超えています。
以上から、
高い光学解像度で得る10億、20億、30億画素といった巨大な画像を
HDR画像品質で捉えることができる画像入力装置が もし存在するのであれば、
それを、閲覧するビューアーの登場も同時に期待される時代がやってきた。
ということになります。
それが、まさしく、
巨大な画像をHDR画像品質で捉える画像入力装置
→ オルソスキャナ
と
閲覧するビューアー
→ REALPIXEL Viewer
の登場。
ということになります。
ぜひご体験ください。
■導入事例:
(通年)安曇野ちひろ美術館
(2018/4/20のみ体験できます) イメージングカフェ(東京)
http://www.isj-imaging.org/event/imagingcafe/imagingcafe.html
特殊イメージスキャナーの世界
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