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2017年10月 2日 (月)

写真の寿命はどんな考え方で求めているのか?

写真の寿命はどんな考え方で求めているのか?
具体的にどんな仕組みで 『写真寿命60年』 って言ってるのか調べてみましょう。


<寿命推測>

屋内耐光性(年)
=積算照度(klx・hr)÷ [ 0.250(klx)×12(hr)×365(day/year) ]
JAITA CP-3901A  より。


参考:EPSONのページ( ÷の後に[ ]が抜けている誤記があります。)

http://www.epson.jp/products/largeprinter/note/taikousei.htm

この考え方(式の意味するところ)は、以下の劣化メカニズムを仮定している。

【 仮説1:写真の劣化は、そこに照射される 光量 [ ルックス lx ] と 照射される 時間 の積(かけ算)で決まる。】

具体的には、
・写真が置かれる場所の照度は 250ルックスである。
・1日の照射時間は 12時間である。
・1年は、365日である。
ちなみに、実際には、どんなに光量を強くしても、60年なんていう寿命評価はとんでも無い時間がかかるので、 実験時の環境温度をわざと上げて、加速試験を行う。 同じ 積算光量(ルックスx時間)でも、評価時の環境温度が高いと劣化が加速される。

ここで、更に仮説を使う。

【 仮説2:劣化モードは、絶対温度の逆数(1/K)にて対数座標にプロットした時に、直線的に乗る。 】
これがいわゆる、加速試験の原理ですね。「アレニウス(Arrhenius)プロット」というグラフを作り、求める。

・・・
□アレニウス(Arrhenius )プロット 実例。

Jeitacp3901a

つまり、「228日間」 光を照射した実験結果を根拠にして、
「60年寿命」と売り文句を言うことにするわけだね。
たった、1年弱の実験結果を根拠にして、60年先のことを言っているってわけ。

おまけ)

【 仮説1:写真の劣化は、そこに照射される 光量と 照射される時間 の積(かけ算)で決まる。】
この考えは実は、結構重要でして、例えば、250ルックスの部屋に重要文化財を12時間晒した時に、受ける積算光量は、
250x12 =3000 [ルックス・時間]です。
もし、200日開館している美術館なら、
年間で、60万 [ルックス・時間]
・・・
ここでいきなり、スキャナの話題に。。(^^)
一方、イメージスキャナで作品をスキャンすると、
光源光量を 1万ルックスと仮定して、
注目箇所を数秒で通過するので、
10秒間、1万ルックスが照射されるとして、10/3600 時間、つまり、1/360 時間。
だから、
1万ルックス x 10秒 = 1万 /360 
= 28 [ルックス・時間]
何を言いたいかというと、
1万ルックスでスキャンするのと、
250ルックスで、7分間 展示しているのと、
同じダメージ
28 [ルックス・時間] です。
ってことなんですね。
劣化モードが、仮説1に従うとした場合。

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