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2011年9月 5日 (月)

デジカメのISO感度 その2

さて、まずはフィルムのISO感度が定義された最初の記述からおさらいです。
下の図は、参考資料1.より引用しました。
ISO6によって定義されたISO感度を決めるための模式図です。


図6.15 白黒ネガフィルムの感度の求め方(ISO 6より引用)

参考資料:
1)(社)日本写真学会編: 改訂 写真工学の基礎 −銀塩写真編−, コロナ社, 1998.10.16(改訂版1刷)

横軸は、露光量。
縦軸は、フィルムの透過濃度です。
右上にまっすぐ伸びる直線(最初はJの字に曲がっています)
はフィルムの「特性曲線」と呼ばれます。
・・・

■ 対数の話
この図をじっくり読み倒す(!)前に、少し、高校の数学のおさらい。(ヤダ〜!)
私が初めてイメージスキャナのソフトウェア(EPSON TWAIN Pro)の基本設計に関わった時に、様々なユーザーと交流を持ったり、ヒアリングに行ったり、ユーザーが実際に使用している現場に赴き、使い方や、現在定期購読している雑誌や、師匠と仰ぐ人は誰か!(^^)を伺いました。
この頃に随分オドロイタのが、それぞれの業界での用語や文化の違いでした。

まず、印刷屋さんは、濃度で話をしました。
なんとイメージスキャナ(当時はドラムスキャナですね)を、フィルム濃度(%1)と印刷の網点率(%2)で操作しているのです。
何故なら当時、印刷会社でイメージスキャナを操るプロは、入力原稿が写真フィルム(いわゆるリバーサルフィルム、ポジフィルムと呼ばれる写真フィルム。報道写真などはネガフィルム)、出力物は網点印刷用フィルムだったからです。
入力濃度に対して、出力網点率を決めることが仕事。

一方、写真屋(プロカメラマン)は、EV値(%4)で話をしていました。
EV値とは、Exposure Valueの略。
シャッター速度とレンズの絞り値で決まる数字で、要するに、フィルムの単位面積にどのくらい光を貯めるのか?に関する制御値。

現在はデジカメになったので、シャッター速度は、いくらでも細かく設定できますが、
PENTAX SPF(涙。。) , NikonのFT-N(どきどき)やOLYMPUS OM-1(命!)などのマニュアル(手動)操作の一眼レフで、シャッター速度ダイヤルや、レンズ絞り値を見れば解る通り、シャッター速度は、2倍のピッチで変わる。
125分の1秒=1/125秒。1/60秒。1/30秒。。。という風に。
一方、レンズの絞り値は、F11, F8, F5.6, F4.0, F2.8, F2.0...と替わる。(%3)
このピッチは、ようするに光の量をx2.0もしくは、x1/2のピッチでコントロールするための仕掛けである。
カメラ屋は、これを、EV値と呼ぶ。
先に言ってしまうと、「2を底(てい)とした対数」値がEV値だ。

一方、フィルムの濃度とは、こっちも先に言ってしまうと、「10を底(てい)とした対数」値が、濃度値だ。(%1)

(つづく。。。)

%1)濃度
正確には、 Optical Density = -1 * log(透過率)
となり、負の符号が入っている。
OD1=1/10
OD2=1/100
OD3=1/1000
OD4=1/10000
OD5=1/100000
の透過率ってわけだ。

%2)網点率
現在、出回っている印刷物は殆どが「オフセット印刷」と呼ばれる印刷方法で印刷されています。
女性誌や写真雑誌のように、ぱっと見に、本物の写真のように綺麗に見えますが、仕掛けは、新聞に掲載される写真と同じ原理なのです。
網点印刷と呼ばれます。
これは、一定間隔の格子上の点をどのくらいの大きさのインクサイズで埋め尽くすかで見かけ写真のように見せる印刷技術。
方眼紙(って最近みないなあ。。若い人知らないか、碁盤がいいか。)や碁盤の目のを全部マジックで塗りつぶすと 網点率100%。
半分塗りつぶすと、網点率50%。全く塗らないと網点率0%ってわけ。
これを遠くから眺めて、格子の間隔を肉眼では空間分解できない程細かくすると、まるで写真のように見える。
どのくらい細かいかというと、日本のオフセット印刷物は、0.145mmのピッチで印刷される。( = 25.4mm/175 , 25.4 mm = 1インチなので、175 LPI , Line Per Inch 、日本語では175線と呼ぶ。ぢつは、サンドペーパーの#番号と同じ単位系だ。)
新聞は、60~90LPIくらい。
ちなみに海外は、133 LPIが多い。日本の印刷職人は、拘りがスゴイから、美術書籍などは、300 LPIとかでも印刷しちゃう。すごい。

「線数メーター」って名刺大の透明フィルムをいつも持ち歩いて印刷物を見る度にそれで線数を測って見るとオモシロイよ。

3.11以降は、「線数メーター」と言うと違う意味で受け取られるだろうけど。。

%3)レンズの開口面積は、半径の2乗で変わるので、F2.0のレンズの2倍暗いレンズは、平方根(2)=1.414倍となる。
人世人世に人、見頃。。ひとよひとよにひとみごろ。。0.141421356..

%4)EV値

Adobe Photoshopは、それまで搭載していた トーンカーブとレベル補正に加えて、露出補正をCS(x?)から搭載した。この露出の数字はEV値だ。0.1 EV 刻み。= 2^0.1= 7.18% 刻み。

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コメント

175線などのスクリーン線数は公称であって、175線といっても実際には170線だったり180線だったりします。また、墨版や黄版は線数が高くなっていたり低くなっていたりと、175線と違うことが多いです。

昔のドラムスキャナ屋さん(今は絶滅?)は網点濃度から色が想像できますからね。ドットゲイン、50%付近でのトーンジャンプなど一筋縄ではいかないそうですし……と昔を思い出しました。

ダックさん ありがとうございます。
>実際には170線だったり180線だったりします。
今現在のことですか? CTP ? イメージセッター?

raspyさん@スキャナカメラ教祖様^^) ども。「ドットゲイン」も最初は理解不能でしたね。EVもガンマ値も濃度も網点率もドットゲインも、全部理解できないとプログラマーに仕様を出せないので、苦労した。^^)→ DTPの夜明け

1000線スクリーンのB倍ポスターを印刷してみたいです。
高精細印刷なら、あれと相性が良さそう!

>>実際には170線だったり180線だったりします。
>今現在のことですか? CTP ? イメージセッター?
CTPやイメージセッターだからということではなく、RIPの都合と言った方がいいのだと思います。
設定で線数をちょうど175線とかに出来るものもありますが、1色物限定です。
カラーの場合はモアレを出さないために線数を調節してスクリーニングしているのです。
なので、高精細でも同じです。

ダックさん さっそくありがとうございます。リッパーでなんでも有りなんですね。FMは最近使いものになってるのでしょうか?ご存じでしたら教えてください。

YAKUさん
「1000線スクリーンのB倍ポスター」!!
http://aaatoyo.com/dictionary/size.htm
B0サイズ 1030×1456mm
→40.55 x 57.3 inch^2
・・
1000LPIなら、2000ppi投入。
W=81,100
H=114,646
pixelくださいね。^^)
93億画素スキャナカメラ作らないと!
大目に見て1000ppiとして、23億ね。

失礼しました。
1000線は多過ぎましたね!

5.7億なら250線B0くらいですね。(500 ppi 40x50 inch^2で5億pixel)175LPI(=350ppi)なら、 B-1(ビーマイナスイチ!)ですね。

ちょっと調べたら、高精細の定義は300線以上なので、
この場合は、サイズをB全にした方が良いかも?です。

Excellent publish. I'm struggling with a few these issues.

Thanks iphone 5-san!
I will keep to write this issue.
Please comment again.
Best Regards,

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