200万ベクレル/平方メートルをチェルノブイリと比較する
■2011.8.25 国立環境研究所:放射線の沈着積算量の地図 ← 解説
IAEAが発表した福島県相馬郡飯舘村の土壌の汚染
200万ベクレル/平方メートルという量は、キロメートルに変換すると、
2000 GBq/km^2
チェルノブイリの被ばくの地図、
の もっとも濃い 555 GBq/km^2の更に
3.6倍である。
(※報道によりますと、IAEAは、200万Bq→2000万Bqに修正したとの報道がありました。しかし、IAEAのサイトを見ると、半減期30年のCs-137は、370万Bqとあるため、当初の数字200万Bqのまま計算は残しました。)
「当時ロシア政府はヨウ素を配布しなかった」という瑕疵があったとしても、ベラルーシの0〜14才の子どもの甲状腺がん患者数は、3年後から増えた。
飯舘村は、SPEEDIのシミュレーション http://bit.ly/ihM9KI によると、
距離(40km)の割に被ばく量が多く成っている理由が分かる。
■追記(2011.4.1)
IAEAは、福島県飯舘村の土壌から検出した、2000万ベクレル/平方メートルの放射性物質は、セシウムではなく、半減期の短い(8日)ヨウ素131であったと修正。http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E2E3E2E2E68DE2E3E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
しかし、IAEAのページを見ると、
ヨウ素131:2500万ベクレル/平方メートル
セシウム137:370万ベクレル/平方メートル
とある。
これによれば、セシウム137は、370万ベクレル/平方メートル
検出されたことになる。
370万ベクレル/平方メートルは、
避難勧告したチェルノブイリの基準 55万ベクレル/平方メートルの6.7倍だ。
■追記(2011.4.1)
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240465.html
2011年3月25日3時0分
「チェルノブイリ事故では、1平方メートルあたり55万ベクレル以上のセシウムが検出された地域は強制移住の対象となった。」
55万Bq/m^2
→
55x10x1000 Bq/m^2
55x10x G Bq/km^2
550x G Bq/km^2
つまり、チェルノブイリの時の放射線被曝地図の
最も濃い領域(555GBq/km^2)以内は、
強制移住の対象となった。
「土壌1キログラムあたり16万3千ベクレルのセシウム137が出た。
京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)によると、1平方メートルあたりに換算して326万ベクレルになるという。」
チェルノブイリに準じれば、避難すべきレベルだ。
しかも、セシウム137の半減期は、30年。
■追記(2011.4.1)
IAEAの発表を伝える日本のメディアの勘違いがあるのかも知れない。。
IAEAのページを直接調べて見る。
http://www.slideshare.net/iaea/iaea-assessment-fukushima-nuclear-accident-radiological-monitoring-and-consequences-30-march-2011
Results:
I-131:0.2~25MBq/^2
Cs-137:0.02~3.7MBq/m^2
〜〜〜〜〜
ヨウ素131:2500万ベクレル/平方メートル
セシウム137:370万ベクレル/平方メートル
3.7MBq/m^2→3.7M x M Bq/km^2
3700 GBq/km^2
/555 GBq/km^2 =
チェルノブイリ避難勧告地域の6.7倍の強度。
■追記 2011.4.2
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E2E3E2E2E68DE2E3E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
日本経済新聞 4月2日土曜日
【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)は3月31日、福島第1原発の北西約40キロにある避難区域外の福島県飯舘村の土壌からIAEAの避難基準を上回る値が検出されたとした放射性物質は、半減期の短いヨウ素131で、測定値は1平方メートル当たり約2千万ベクレルだったと修正した。
ヨウ素131の半減期は約8日。
■追記 2011.4.2
[チーム中川 :東大病院で放射線治療を担当するチームです。医師の他、原子力工学、理論物理、医学物理の専門家がスクラムを組んで、今回の原発事故に関して正しい医学的知識を提供していきます。]
http://tnakagawa.exblog.jp/15158073/
「実際に実効線量が10 mSv程度になっている方がおられる可能性があります。」「妊婦の方に対しては、万が一のことを考え、政府や関係機関が対策を検討すべき観測量に達していると思います。」
■2011.4.7追記
よみうりオンライン YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110406-OYT1T00347.htm
「福島県飯舘村は、近く村内の妊婦と乳幼児を一時、村外に避難させる方針を決めた。
村内の小中学校などの敷地内で3月28日、大気中の放射線量が
1時間あたり13・2〜17・7マイクロ・シーベルト観測。」
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IAEAが200万ベクレルを2000万ベクレルに修正しました
いよいよアウトですか?
福島県相馬郡飯舘村にはもう人は住めないのか
おしまいだ.
投稿: タケ | 2011年4月 1日 (金) 12時34分
タケさん コメントありがとうございます。IAEAがケタ間違えるとは、、唖然。
今後の計測を見守りたいですね。ヨウ素131であれば、8日で半減するはずですが、セシウムが主成分だと厳しいように思います。
タケさんは、福島から遠いでしょう!(^^;)、私は知人が居るので心配です。
投稿: いちのせ | 2011年4月 1日 (金) 17時58分
御明察の通り西日本在住者です
悪ふざけが過ぎましたすみません
実は放射能についてはあまり心配してないんですよね 根拠はないのですが
たとえ福島県に在住していたとしてもです
政府の言ってることがすべて正しいとは思わないけど
なにか重大なことを隠しているとは見ていない
チェルノブイリで問題になったのは
ヨウ素131によるこどもの甲状腺がん
その割に,ヨウ素は半減期が短いからと
半減期の長いセシウムを重視される意図がわかりません
チェルノブイリでは,その半減期の短いヨウ素131が
問題を引き起こしたのだから比較するとしたら
ヨウ素131も含まれるべきではないでしょうか?
それなりに根拠のあることでも,これを政府がやったら
「情報操作だ」と言われる
政府の担当者は結構つらいものがあると思う
つまり,考え方で放射能の危険性にたいする認識は
変わる その程度のものだと思う
もともと発がん物質は世の中に蔓延しているわけです
今回の放射能よりも
C型肝炎ウィルスによる肝臓がんの発症率の方がたぶん高い
投稿: タケ | 2011年4月 8日 (金) 08時42分
タケさん
コメントありがとうございます。
タケさんが教えてくれた1000万シーベルト/m^2で一度記事を修正したのですが、チェルノブイリの被曝強度をいつの時点で計測したかが不明なため「低く見積もった場合このくらい」という数値に変更しました。
理由は、原子炉から吐き出される元素の比率は大きく変わらない、を前提に、記事の主旨から見て、どちらの元素で比較した方が目的にかなうかを考えました。
計測は、チェルノブイリで事故処理が進み、後に(少なくともヨウ素131の半減期8日の8倍の2ヶ月程度以降)なってからだろうと推定し、半減期の長いセシウム137で比較した方が「チェルノブイリの規模と比較する」記事の観点から妥当と思った次第です。
>放射能の危険性にたいする認識
私がここで記事を書く時の、発がん性物質に対する考え方は、自分のリスクというよりも、
・現在胎児を宿している女性。
の観点に立つというものです。
生活基盤が20km圏近くに有る方で幼い子どもを抱える親の立場に立てば、タケさんのおっしゃる「その程度のもの」という感想を私は持ちません。
何故なら、親の判断次第で今、目の前の子どもや未来の子どもをより安全である(可能性)の高い環境に避難させることができるわけですから。
現在、避難所に避難中で、生活基盤を奪われて収入が途絶えながらも結婚したばかりの若い未来の父親が身ごもった妻を見守っているとします。その方の苦渋(判断)は並大抵ではないと思います。
年間被曝量を10ミリシーベルトを超えないようにする、
というのが今の時点での妊婦さんなど安全を重視したい観点からは最低限の基準かと思います。
「決められない」政府よりも福島県飯舘村の自治体の判断で避難を開始したようで、まだ良かったと思っています。
1マイクロシーベルト/時を超えれば、(半減期30年のセシウム137が主成分であれば)、1年住むと9ミリシーベルト/年被曝するわけですから、「1マイクロシーベルト/時」は一つの目安だと思います。飯舘村はそれを超えました。
投稿: いちのせ | 2011年4月11日 (月) 08時36分