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2010年9月21日 (火)

イメージスキャナの解像度を測定する

ES-10000GのMTFを計測しました。
s/n:FVR0003828

設定解像度:2400ppi

24bitカラー

Gamma:1.0

iMeasureScan 1.33J使用

測定方法:ナイフエッジで光学解像度 MTF を測る 参照。

Fig.1 : 主走査方向のMTF
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/es10000g_m.png

Fig.2 副走査方向のMTF
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/es10000g_s.png

■20cycle/mmでのデフォーカス
Fig.3 20cycle/mmでのデフォーカス 主走査方向
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/es10000g_mtf_20cymm_m.png

Fig.4 20cycle/mmでのデフォーカス 副走査方向
http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/es10000g_mtf_20cymm_s.png

■補足:

Fig.3,Fig.4の横軸は、ES-10000Gの焦点設定値です。

+1.0mmとは、ES-10000Gのレンズセンサユニットが、ガラス面よりも+1mm上に浮き上がった状態でスキャンしていることになります。

同様に、-1mmとは、下に1mm潜った状態でスキャンしていることになります。

Fig.4の副走査方向のデフォーカスのグラフから、Green<Blue<Redの順に焦点位置がシフトしており、Greenにピントを合わせると、Redは、それよりもさらに1.5mm「上に」浮いた場所に最適焦点位置があることになります。(%1)

一般的な画像は、主走査方向と副走査方向の複合的な解像度になるので、副走査方向だけの解像度では判断できませんが、いわゆる物体側での色収差を見ていることになります。

%1)Green<Blue<Redの順に焦点位置がシフト
Fig.4のX軸は、ES-10000Gの焦点位置設定値。ES-10000Gは、-2.0mm 〜 +6.0mmまで0.1mmピッチで焦点位置を設定できる。
Fig.4より、Red = -1.0mmの時のMTFが最も大きい。
同じく、Green = 0.5mmの時のMTFが最も大きい。
よって、焦点位置設定値を+0.5mmにした時、Greenは、ガラス表面に最もピントが来ている。その時、Redの最適焦点位置は、ガラスから「浮いた方向」に+1.5mmの高さが最もピントが合致している、ということになる。
そもそもレンズとはプリズムであり、波長の長い光ほど、屈折しにくいという常識から、Redが最もガラスから離れた位置で結像する、という現状は納得できる。

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コメント

いちのせ様
スキャナカメラの色ズレに悩まされていますが、
最近メカ精度だけではないような気がしています。
もしかして、このRGBの焦点シフトで物体側での色収差が
影響している可能性もあるのでしょうか?

それと、ご報告です。
私ごとですが、SWCビオゴンが異方性にひっかかりました。慰めにきてください。(涙)

YAKUさん
raspyさんがAha!対策したセンサの反転の問題ではないですよね?
EPSONは何故か奇数回反射ミラーにすることが多く、本体に組み込まれているセンサの向きのままで、本体のキャリッジの移動方向に動かすと、ラインセンサのRGBの離れている画素数分の倍、色ズレが発生します。
これが原因である場合、センサを180度回転するか、移動方向を逆にすると、解決します。
異方性の件、困りましたね。
ES-10000Gを使いますか!

raspyさんも見ているので、駆動方向は合っていると思います。かなり拡大した時の色ズレです。
しかし、おすすめのES-10000Gのセンサーは
異方性がないのですか?

YAKUさん
flickerの
「Fatal problem of SWC」
のフルサイズをダウンロードしました。
5009983079_92979561f8_o.jpg
この画像の中にその現象はありますか?

YAKUさん
>おすすめのES-10000Gのセンサーは
異方性がないのですか?

恐らく、製品仕様に「オンチップマイクロレンズ搭載」と無ければ、他のセンサでも大丈夫だと思います。
GT-F500には書いてあります。

あと、YAKUさんのblogの絵のことですが、異方性の原因は、「カマボコ状のレンズ」がセンサに乗っているため、と思われます。
断面が半円の「面内」で光量ムラが発生していると思われます。


いちのせ様
現象とは色ズレのほうですか?
これは異方性のサンプルとして出しています。
色ズレはこの場合風による被写体の動きも大きいので、
見分けるのが難しいと思います。
むしろThe image has improved it. の方が
解り易いと思います。

スパムにかかってしまいました。
私のブログの「最初の画像」のページの
ムラが取れた写真です。

YAKUさん
>The image has improved it.
わかりました。

懸案の色ズレとは、ミツトヨのダイヤルゲージの20や→II←の辺りですかね?

そうです!
これは、1号機でも同じように出ます。
それで、2号機のトラックレール精度を
改善したのですが、効果はありませんでした。
あとはギアをこれから乗せかえる予定です。
大金をたたいて、特注ギアを注文しました。

YAKUさん
仮説1:レンズの色収差
検証:色ズレは光軸対称となるので、光軸に対して垂直な平面に描かれた線画が光軸の左右で、色ズレのセンスが逆になる。

仮説2:副走査駆動系の送り精度誤差
検証:同じく、光軸に対して垂直な平面に描かれた真円の主走査方向と副走査方向の直径比率が1.0からずれている。

で画像を見る限り、
ミツトヨのダイヤルゲージの→II←
が、左から、
Cyan, Magenta, Yellowになっています。
つまり、補色ですから、Red/Green/Blueの順です。
光軸を中心に左側でも同じ順番なら、仮説1は×ですね。

もう少し考えてみました。

RGBのライン間距離が主走査画素ピッチのN倍、
副走査駆動誤差による倍率がK、
とすると、色ズレは、
(K-1)N pixel
となりますよね。

例えば、
N=4
K=1.1なら、
色ズレは、+0.4 pixel
さらに、R~Bは倍となり、0.8 pixel
6ラインCCDなら、一番左と一番右のラインは、更に倍離れているかも知れないので、1.6pixel

YAKUさん画像のmitsutoyoダイヤルゲージの色ズレは、色チャンネル間で、縦線の重心を見比べてみると、2〜3pixelの間でしょうか。

K(真円度)を知りたいですね。

YAKUさん
あともう一つ。
RGBのどちらの色が時刻として先にスキャンしているか、この情報も必要です。
YAKUさんの屋久島の港の遠景写真を見ると、右から左に移動している車が、右から、Red,Green,Blueの虹色になっています。なので、レンズの結像側でみると、RedのセンサがBlueよりも先に通過していることになります。
この情報も分かれば、あとは、真円度のセンス(>1か、<1)との兼ね合いで、色ズレの順番を推定できます。

実に深いですね!
私の能力では色ズレの原因を推察するすべがなく、
困っていました。
真円率は駆動方向が、現在-2%です。
特注ギアを付けると計算上は+-0%になる予定です。

駆動方向で見るとBGRの順になっています。

追伸
屋久島の港の遠景写真は1号機のもので
これはRGBの順に駆動します。

こちらから聞いておいてなんなんですが、
所要で出かけなくてはなりません。
明日楽しみに残りを読ませていただきます。
本日はありがとうございました。

いちのせ様
昨日の続きですが、ちなみに1号機F500の真円度は+0.5%です。
もしかして、
ギアを特注に変えて真円度Kが1.0になれば、
色ズレが取れる可能性があるのでしょうか?

YAKUさん
K=1.1(+10%の送り誤差)で見積もっても1.6pixel程度であり、実測の2~3pixelにはほど遠いですね。
ましてや計算上、2%や、0.5%の精度でギアが出来ているとすれば、送り精度の設計誤差が色ズレの主要因とは思えませんね。
まだ違う要因がありそうです。

YAKUさん
ハッセルプラナー 80mmやBiogon38mmのMTFを計測してみたいですね。
お時間の有るときに、白黒コントラストのシンプルなチャートを撮影してみてください。
チャートは、白紙にラシャ紙を貼り付けてまっすぐな白黒の1本の境界を作り、境界に陰が無いようにしっかり貼り付けて、境界の直線が水平から数度傾くようにして撮影します。
画像サイズが300pixel四方もあれば計算できるようです。
Biogon38mmが光軸中心で?cycle/mmの光学解像度があるのか計測できます。

いちのせさん
この色ズレはコントラストの高いところに出やすいようです。
例えば、白っぽいところに黒文字があるとその境目に出ます。
raspyさんは機械精度的誤差ではないかと思っているようですが、
私はなんだか光学的な問題ではないかと疑っています。
機械精度だとすると、この2号機で、もう限界ですね!
あとは精密機器メーカーの領域だと思われます。

書き落としました。今、2号機は完全分解中です。
ハッセルレンズのMTFの件は少し時間がかかります。
いずれ、必ずテズトデータを撮ってみます。

YAKUさん
んー。後は、
仮説3:副走査駆動系の送りムラ
でしょうか、

ミツトヨのダイヤルゲージの→II←
に相当する自作テストチャートをスキャン領域全面に配置してスキャンしてみると局所的に発生している現象なのかどうか解ると思います。
「精密機器メーカーの領域」とは、要するに期待する精度を検出する評価方法を持っているかどうかかと思います。案外安価な答えがあるかも知れませんよ。
MTFデータ気長にお待ちします。


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