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2009年9月15日 (火)

ダゲレオタイプ写真は『ポジ』か?

長野県松本市の美術館で9月27日まで行われいる展覧会
『絵画と写真の交差 印象派誕生の軌跡』
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/artmuse/p3/p3-html/p3-kikaku03.html
行ってきました。

~~~~~

http://event.yomiuri.co.jp/jaam/shows/s_063.cfm
2009年10月24日(土)〜12月20日(日)  名古屋市美術館

で引き続き開かれるようです。

~~~~~

1時間程度あれば十分かなと思ってたら、ものすごいボリュームがあり、結局2時間半ほど屯しておりました。

番号は今回の企画展用に美術館が付けた番号です。
印象に残った展示品リストをメモがわりに。

■P2-14 J.C.ビュットル ダゲレオタイプ写真からの彫版(1855年)東京富士美術館所蔵
今回の展示会で私は初めて知ったのですが、1839年に発明された写真技法は2つあった。
1つは、フランス、 ダゲレオ(Daguerreo)により発明されたダゲレオタイプ(Daguerreotype)。
もう1つは、イギリス、タルボット(Talbot)により発明されたカロタイプ(calotype)。
ダゲレオタイプは、銀板に1枚だけ制作されるポジ。
カロタイプは、撮影した原板は、ネガのため、何枚も複製ができる。

ダゲレオタイプ写真が何故ポジなのか、考えていた。
「銀板上に焼き付けられたポジティブ画像」「ダゲレオタイプに使う銀板は不透明であるから、感光面側から像を鑑賞する形となり、左右が反転した像を見ることとなる。」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%B2%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97)
つまり、
光沢鏡面上の銀板の金属表面に、光が当たったところだけ、Ag(銀)を析出させる。
光が当たらなかった場所は、(金属)鏡面のまま。
光が当たった場所は、Agの粒が光を散乱させ『拡散光』となる。

ここで、照明が鏡面反射しない角度で観察をすると、拡散光の部分は白く見える。

なので ダゲレオタイプはポジ。

何故こんなことを考えていたかというと、
「ダゲレオタイプ写真からの彫版」が「ネガ状態」で展示されていたからだった。
髪の毛は白く、顔は黒い。

こんなものが商品として流通していたとは思えない。なんか変だなあ。。

と気になってずっと眺めながら、上記のようなことを考えていた。
「何故タゲレオタイプはポジなのか。」と

そして気づいた。
これは、間接照明された壁の光を使って、「光沢鏡面反射」で観察すべき作品なのだ。見る角度を変えて、照明で白くなっている壁がが、作品に反射して写り込むようにのぞき込むと、ほら!見事に顔が白く、髪の毛が黒くなり、まるでそこに写真があるように浮かび上がった。

恐らく、
「接触などによって銀板上に定着した像が壊されやすいのもダゲレオタイプの欠点の一つである。ガラスなどで保護するなどの対策が必要となる。」
ということで、その対策として、「ダゲレオタイプ写真からの彫版」は生まれたのでしょう。
銀板に写真を撮り。
けがき針で直接、光の当たらなかった鏡面を像に沿ってなぞりながら削る。
最後に、露光で付着した銀を全て拭き取って、できあがり。(たぶん。。)

日本のような直接照明部屋ではなく、壁が間接照明されていたからこそ生まれた技法なのかも知れません。

美術館は、これに気づいていなかったようなのでそこに居らした職員に伝えた。
一生懸命ご自分でも検証した後、メモされていた。
さて、あと2週間で展示方法を変えるかどうか。
どなたか確認してみてください。お願い。

そういえば、思い出したけど、白黒ネガのガラス乾板も乳剤面側から観察して、背景を黒布にすると、露光した銀が光を拡散し、露光しなかった透明ガラス部は背景の黒に見える。するとネガのガラス乾板なのにポジに見えます。

ガラス乾板を手にしたらぜひ一度トライしてみて下さい。

結局、「ネガ」か「ポジ」かは、照明(観察)条件とセットなわけですね。

■3-2-9 シャルル=エミール・ジャック(Charles-Emile JACQUE) 森の中の羊飼いと羊の群れ (1865〜70頃)北海道立帯広美術館所蔵
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.jp/hk-obimu/index1.html
フランス19世紀のバルビゾン派
19世紀にパリが近代化されはじめ、田舎のバルビゾンを描く作家が生まれた。とのこと。

■P3-1-62 オシッピー山の落雷(1889年)
落雷を写真に撮った作品。作者不詳。
落雷を撮影しようと思いついた人、エライなあ。
稲妻の形に初めて写真を見た人はビックリしたろうなあ。

■5-2《漁師の娘》(1872年)東京富士美術館所蔵
ものすごく精緻で滑らかな絵画。
「揶揄された」印象派に対し、当時の絵画の王道を行く堂々の作品。
まるで写真を見ているよう。
ーーーーー
http://www.fujibi.or.jp/collection/work_detail.php?id=1267
http://www.fujibi.or.jp/collection/image.php?path=picture/01267p.jpg&mw=385&mh=503
「この時代のアカデミズム絵画を代表する画家であるウィリアム・ブーグローは、マネや印象派の画家たちの絵画を拒否した保守派の人物としても有名で、"ブーグロー風"という言葉が印象主義の反意語として用いられもした。」
ーーーーー

ブーグローは印象派を否定しつつも、30年前に発明された「モノクロ写真」がやがて自分たちの牙城を崩す恐怖におののきながら、でも、フルカラーは我々の独断場だもんね、と胸を張っていたのかなあ。

印象派は、写真の登場でやがて、フルカラー写真の時代到来を予感し、「じゃ、我々絵画には何ができるのか?」を模索し始めたということなのかなあ。

ブーグローの思いは、1995年のカシオのデジカメQV-10登場時の銀塩カメラ派に似ているような。

■P6-13 リュミエール兄弟作、庭で働くリユミエールの家族、(1902年頃)東京富士美術館所蔵
1907年、世界で初めて、カラー写真を販売した。
その原板が展示されていた。青、赤、黄色の3原色に染めたデンプンで可視化。
非常に制限された照明用の蛍光灯を透かして見ると、わずかに乾板に色と像が観察された。
これには感動した。

■P7-3 エドワード・スタイケン(Edward Steichen)作、暮れなずむフラットアイアン・ビル(1906年)東京富士美術館所蔵
これは、もう写真を使った芸術として完璧な作品でした。
しばらく佇んで見ていました。

そこで調べてみました。。

-----エドワード・スタイケン:
http://www.artphoto-site.com/story33.html
大戦後の1947年にニューヨーク近代美術館の写真部長に就任し、同館の写真部門の基礎を作るとともに、数多くの展覧会を 企画しアート写真の普及に貢献しました。
-----
やっぱなあ、と感じた力作でした。

 

■P7-5 ルイス・ハイン 発電所の機械工(1921年)東京富士美術館所蔵
これもいい。

以上 もしこれから見に行く方に参考になればと、メモでした。

それにしても、「東京富士美術館所蔵」があまりにも多いので、この美術館を見に行こうと調べて見たら。。。そっかあ。金在るわけだわ。

ーーーーー

リストをWebでみっけた。たぶん、松本の前に帯広でやっていたようですね。

http://komma.jp/archives/paintphoto_obihiro.pdf

そういえば、

4 - 10 クロード・モネ 睡蓮

は、松本には来てなかったじゃん!

見たかったなあ。

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