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2009年8月27日 (木)

iMeasureScanで単純加算した場合のアルゴリズム

iMeasureScanは、マルチスキャンモードを備えております。
加算モードとして、
1.加算平均
2.単純加算
の2つのモードを備えております。

センサに入射した光量に比例した量を計測したい時に使用する「Densitometer ON」モードと、
ターゲットガンマ2.2のディスプレイに表示した際に、被写体の明るさを再現するための、「Densitometer OFF」モードがあります。

処理順番は、
単純加算>>ガンマ変換>>ファイル出力
です。
これを確認するために、
簡単な実験をしました。

■方法

テストチャート:Kodak GrayScale (Q13)

Image Scanner : EPSON ES-2200
iMeasureScan : v1.32
EPSON Scan : v3.04J
Image Type : 48bit Color
Resolution : 300ppi

■結果

<凡例>
Off1:Densitometer Off/単純加算1回,
Off2:Densitometer Off/単純加算2回,
On1:Densitometer On/単純加算1回,
On2:Densitometer On/単純加算2回

Chart,    Off1,    Off2,    On1,    On2
A,    249.70 ,255.00 ,244.84 ,255.00
1,    217.44 ,255.00 ,180.39 ,255.00
2,    194.14 ,255.00 ,140.89 ,255.00
3,    173.03 ,238.02 ,109.57 ,219.45
4,    154.73 ,213.09 ,85.90 ,172.02
5,    138.14 ,190.16 ,66.85 ,134.03
6,    125.78 ,172.65 ,54.01 ,108.21
M,    112.48 ,154.99 ,42.61 ,85.35
8,    102.12 ,140.51 ,34.33 ,68.82
9,    92.27 ,127.46 ,27.71 ,55.45
10,    83.38 ,115.22 ,22.20 ,44.35
11,    75.31 ,103.89 ,17.66 ,35.35
12,    69.43 ,95.60 ,14.73 ,29.52
13,    64.56 ,88.53 ,12.41 ,24.82
14,    56.60 ,78.35 ,9.49 ,18.97
15,    51.74 ,72.06 ,7.89 ,15.81
B,    47.76 ,66.05 ,6.52 ,13.07
17,    43.00 ,59.64 ,5.22 ,10.45
18,    39.39 ,54.83 ,4.32 ,8.72
19,    37.66 ,52.02 ,3.91 ,7.78

■考察:
(1)On2 = 2 * On1 であることが確認できます。
(2)Off2で飽和するパッチが#3〜#2の間であり、
On1のデータで確認すると、109.57〜140.89の間に有ることが判ります。
つまり、反射率50%のチャートが、Off2にて、飽和しています。
(3)ガンマ変換後の値を単純加算していると仮定した場合、#6パッチ
6,    125.78 ,172.65
が、およそ飽和値(255)になるべきであるが、172どまりである。

以上から、処理は、「ガンマ変換後の値を単純加算している」とは言えない。

更に、次の確認もした。

確認:
X軸:Off1
Y軸:On1

X軸:Off2
Y軸:On2
をプロットした。
結果が次ぎのグラフです。

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/ims_multiscan_test.png

>(1)On2 = 2 * On1 である、
ことが確認できていますので、
2つのグラフがきちんと重なっているということは、いずれもガンマ変換処理が最後に掛かっている証拠でもあります。

~~~~~~~~~~~~~

■気になるグラフ

http://imeasure.cocolog-nifty.com/photos/fig/gamma2.png

1点、気になるグラフがあったので考えていました。

赤点は、Densitometer ON(つまり、ガンマ1)なので、

1回スキャンに対して2回の単純加算スキャン結果は、

倍の値(傾き2の直線)になるのは当たり前。

しかし、青点の、Densitometer OFF(つまり、ガンマ1/2.2)にて、

1回に対して2回の結果をプロットすると傾きが1.5弱の『直線』になっている。

これがどうも解せなかった。

このグラフを見ると、「ガンマ変換後の値を単純加算しているのでは?」と思うのも当然である。

そこで、シミュレーションした結果が下記である。

1回, 2回, Gamma2.2(1回), Gamma2.2(2回),比率

On1, On2, Off1, Off2,比率=Off2/Off1

0.1, 0.2, 0.351119173,0.481156505,1.370350985
0.2, 0.4, 0.481156505,0.659353291,1.370350985
0.3, 0.6, 0.578532609,0.792792731,1.370350985
0.4, 0.8, 0.659353291,0.903545431,1.370350985
0.5, 1,  0.729740053,1,1.370350985
0.6, 1.2, 0.792792731,1.086404299,1.370350985
0.7, 1.4, 0.850334928,1.165257306,1.370350985
0.8, 1.6, 0.903545431,1.238174371,1.370350985
0.9, 1.8, 0.953237548,1.306270012,1.370350985
1,  2,  1,1.370350985,1.370350985

■式:
On2= 2* On1
Off1=10^(log(On1)/2.2)
Off2=10^(log(On2)/2.2)

■問:
Off2/Off1は?

Off2=10^(log(On2)/2.2)
=10^(log(2*On1)/2.2)
=10^((log(2)+log(On1))/2.2)
=10^(log(2)/2.2+log(On1)/2.2)
=[10^{(log2)/2.2}]*[10^{log(On1)/2.2}]
=A*Off1

A=[10^{(log2)/2.2}]

 = 1.370350985

つまり、

「ガンマが掛かった画像にて、0EVと+1EVの値を比較すると、比例する。」ということであった。(!!)

ちょっとびっくり。

これはつまり次のようなことが言える。

・ガンマ値が未知のデジカメにおいて、適当なグレーパッチを2種類、撮影する。

1枚は、適正露光。

2枚目は、+1EV(F:半絞り、もしくはシャッター速度を半分)で撮影。

ここで、グレーパッチの値を比較した係数 A を使って、次の式からガンマを計算できる。

A = (+1EVで撮影したパッチの値/適正露光で撮影したパッチの値)

A=10^{(log2)/Gamma}

log(A) = log2/Gamma

Gamma = log2/logA

○計算例:

 A=1.37 であれば、

 Gamma = log2/log(1.37) = 2.2

例えば、私の簡単な実験によると、

現在販売されているデジタル(最)高級一眼レフのターゲットガンマは、

ハイライト側は、2.2くらいにしてあり、KodakのGrayScaleのMあたり(つまり反射率18%)から、暗い方は、ターゲットガンマ、1.5程度にしているように観察される。結構面倒な作業なんだけど、上記方法であればもっと簡単に概算できる。今度この実験をやってみようと思います。

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コメント

わざわざすいません……こちらでも、単純加算と加算平均で16bitスキャンして、レベル調整後の品質に大差ないことを確認しました。

raspyさん
了解しました。バグでなくて安心しました。
単純加算では、EVが2のベキ乗なので次の計算式となっています。
EV = log(加算回数)/log(2)
例えば、8回単純加算は、+3EV。

ISO感度換算であれば、加算平均の回数がそのままISO感度と逆数関係になります。
例えば、ISO 1600相当のノイズであれば、16回加算平均することで、ISO 100相当のノイズに(理屈上は)なることになります。

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