イメージスキャナの防水
イメージスキャナの上に水に濡れたままの対象物を載せて画像取り込みする用途があります。
埋蔵文化財の研究で使用される赤外線イメージスキャナでは、水に浸して保管してある木簡をそのままプラテンガラスの上に載せて画像を取り込みます。
生化学研究では、電気泳動法という手法を用いてDNAやタンパク質の解析を行います。アクリルアミドというゲル(トコロテンのような透明な1mmほどの厚さのシート)の一辺に電荷を付与した検査対象を付け、電界により強制移動させ、分子量による分布を造ります。一見黒色の水性インクが、紙に載せるとカラフルなインクから構成されていることが解るペーパークロマトグラフィーに似た分析技術です。
タンパク質を可視化するためには、紫外線で直接タンパク質吸収を見る手法もありますが、簡易的には、古くから毛糸の染色に使われていたクマシーブリリアントブルー(CBB)という染料で色を付け、一般的なフィルムスキャナで画像取り込みする方法があります。波長λ=595nmにタンパク質結合に依存した吸収が発生し、この濃度(吸光度)測定によりタンパク質を定量可能となります。安価でかつ高感度な方法として微細な銀粉末による銀染色という可視化手法もあります。より定量性を求める場合は、高価な蛍光色素(励起光波長と蛍光光波長が異なる)を用いて蛍光イメージャーにて、可視化します。
このゲルも酢酸を含んだ水に保管するため、スキャナに載せる際は水浸しになります。
(タンパク質を電気泳動したアクリルアミドゲルを防滴加工したスキャナに乗せるところ)
イメージスキャナのプラテンガラスに水が付くと、次のような故障が発生する場合があります。
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