蛍光色素のデータベース
GELSCANは、蛍光色素でラベルしたタンパク質やDNAを可視化するためのイメージャーです。
蛍光色素の励起波長や蛍光波長を調べるために、頻繁に使わせて頂いているデータベースがあるのでご紹介します。
invitrogen Fluorescence Spectra Viewer
http://probes.invitrogen.com/servlets/spectraviewer
(このblogの「リンク集」にも掲載しました。ご利用ください。)
良く知られている蛍光色素 SYPRO Ruby(さいぷろるびー)のメーカー、インビトロジェン(invitrogen)のホームページで提供するデータベースです。java形式(?)のため、通常のインターネット用のブラウザソフトから操作できます。
Fluorophoreの欄のプルダウンメニューから、調べたい蛍光色素の名称を選択します。
次のグラフは、FITCの蛍光色素です。
この間、ノーベル賞を得た下村先生のクラゲの色素GFPもあるので探してみてください。^^)

二次元電気泳動ゲル、SDS-Page電気泳動ゲルの蛍光色素の可視化は、従来、レーザー光源とPMT(フォトマルチプライアチューブ)の組み合わせから構成される高価なイメージャーで行われていました。
レーザー光源やPMTは寿命があります。導入時の費用もさることながらメンテナンスコストもかかります。
GELSCANは、光源にLED、検出センサにCCDを用いました。非常に安価であるだけでなく、LED寿命が非常に長いため実質的にメンテナンスコストがかかりません(消耗部品が無い)。また、電源投入後にすぐ使用可能となる点も魅力です。
レーザー+PMT以外の手段としては、イルミネータと呼ばれる紫外線もしくはBlueLEDによるイルミネータ(バックライト光)で蛍光色素を励起し、デジタルカメラもしくは、CCD カメラで画像化する方法も普及しています。
以上、3つの手段は、センサの画素配列に注目すると3種類に整理できます。
[1]レーザー+PMT方式:センサが点。
[2]イメージスキャナ(GELSCAN)方式:センサがライン配列。
[3]イルミネータ+デジカメ方式:センサが2次元配列。
DNA研究はこの[3]の方法:バックライト+デジカメ方式が普及しているようです。従来、EtBr(エチジウムブロマイド)で染色して、ポラロイド写真撮影さ
れてきました。学生向けの研究では、このEtBr励起の波長が肉眼に有害な水銀紫外線(253.7nm)であることと、EtBrが人体に有害(DNA損傷)のため、代替蛍光色素としてSYBR
Greenなどの青色励起の蛍光色素が使われるようになってきています。
[3]の方法の課題は、照明装置の照明ムラが発生し、得られる画像データの定量性(繰り返し再現性)に課題がありま す。また、専用の暗室が必要となる。作業者がピント調整、ズーム調整などの作業時に光源を見つめ続けることとなること。その作業中、ゲルの蛍光色素を励起し続けることとなり、蛍光色素が劣化する。などが課題です。
何故照明ムラが発生するのか。次のような状況が似ていると思います。
手元に友人から貰った写真があるとします。
この写真をコピーしたいとき、あなたならどうしますか?
デジカメで接写してみます。次のような課題が発生します。
・照明ムラ:場所によって明るさが異なる。
・明るさ:色がくすんで見える。鮮やかさが無い。色温度と呼ばれますが、要するに3原色R,G,Bの明るさのバランスが良くない、撮影する度に明るさが異なる。
・歪み:撮影するカメラの角度によって、写真が歪む。
特に照明ムラが致命的であると言えます。2次元センサの場合は、テカリを発生しないように照明装置をレイアウト(光源を斜めにして遠ざける)すると照明ムラが大きくなる。照明を均一にしようと撮影方向と同じ方向から照射すると、テカリが発生する。
写真をコピーしたいとき、もっとも安心できる方法は、イメージスキャナを使うことです。
・照明ムラ→内蔵する白基準板により自動的に校正される。(シェーディング補正)。また、1次元配列センサに対して、45度入射で照明するため、テカリが発生しない。
・明るさ→シェーディング補正により繰り返し再現性が有る。
・歪み→ガラスの上に乗せるため、□や○が正確に寸法どおり取り込み可能。
以上の理由から、イルミネータ+デジカメ方式に対しては、ぜひイメージスキャナ方式を推奨致します。
これは、蛍光色素に限らず、CBB(クマシーブリリアントブルー)や銀染色などの可視染色でも同様です。
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デジカメに固定三脚とスカートをかぶせて自作した電気泳動ゲル用撮影装置の記事を見つけました。^^):
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