反射防止膜
■イメージスキャナによるスキャン画像の不具合:その1 ガラス表面反射によるゴースト
現象:
急激なコントラスト変化のある原稿において、主走査方向の左右両端部分にてゴーストが発生する。
副走査方向、及びレンズ光軸中央付近では出にくい。
原因:
イメージスキャナでは、原稿~センサまでの間に2つの透明ガラスを使う。
1枚目は、原稿台ガラス(プラテンガラス)、もう1枚は、ラインセンサのカバーガラスである。
屈折率が大きく変化する界面では表面反射が発生する。
空気とガラスの界面では表面反射が4%あるので、無視できない。(※1)
対策:
反射防止膜をガラス表面に形成する。
いわゆる真空蒸着の手法。その界面に反射波が入射波の位相をキャンセルするように多層膜コーティングをする。
他:
フィルムスキャナとフラットベッドスキャナの大きな違いは、この1枚目のガラス(プラテンガラス)が無いことによるゴーストの発生を抑えることができる点である。
反射防止膜のプラスチックフィルムでの連続製法の記事がありました。ちょっと古い。
残念ながら、スキャナには転用できないですね。
モスアイ(蛾の目)型の無反射フィルムは、液晶TVなどの表面に移りこむ外部の光源などの表面反射を防止するため、空気⇒ガラス界面での反射防止。
スキャナの場合は、ガラス板内部での表面反射が原因のため。
s-----
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12612/17739620
http://www.mrc.co.jp/press/p08/080116.html
連続製造可能なモスアイ(蛾の目)型の無反射フィルム製造プロセスの開発に成功
三菱レイヨン株式会社 |
財団法人神奈川科学技術アカデミー(KAST、所在地:神奈川県川崎市)
KAST・重点研究室・益田グループ(グループリーダー:益田秀樹 首都大学東京 教授)
2010年量産化を目処。
構造:
フィルムの表面に百ナノ(ナノは10億分の1)メートルスケールで規則的な突起配列を有する構造を持つフィルムです。
特徴:
(1)外光の映りこみがほとんど無い。反射率は0.1%以下
(2)蓮の葉の表面と類似の構造を持つため、水をはじく効果があり、本フィルムに水がかかっても濡れないという特徴
(3)再生医療分野においても、この突起構造は細胞が平坦に吸着することを抑制する
http://www.mrc.co.jp/press/p08/images/080116_01.jpg
http://www.mrc.co.jp/press/p08/images/080116_04.jpg
e-----
s-----
(※1)ガラスと空気界面での表面反射率
http://www.nsg-ntr.com/NTR-NEWS/ntrnews18.htm
2.ガラスの光学特性(表面反射率と内部透過率について)
屈折率naの空気中で、屈折率ngの平滑なガラス面に
垂直に入射する光がガラス表面で反射する反射率ρsは、
ρs =(ng-na)^2 / (ng+na)^2
ng:ガラス屈折率
と表されます。
e-----
na=1、
ng=1.5とおけば、表面反射率は 4%となりますね。
例えば、ポジフィルムのスキャニングにて、OD値3.0の濃度の隣が透明に抜けている写真の時、
その境界部分では、100%の光がガラス表面を2回表面反射して、0.04^2=0.0016の値がゴーストとなる。
OD値3.0の濃い領域は、1/1000=0.001なので、0.0016のゴーストは無視できなくなる。
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