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2008年1月14日 (月)

iMeasureScan その4:マルチスキャン機能(デジタル増感) 応用編 ガラス乾板

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iMeasure Scanの特徴


 さてこのマルチスキャン(デジタル増感)を何に使うのか。

バイオ系研究では、蛍光スキャナにこの機能を利用して、微弱な蛍光画像を可視化しました。(%1)

一般用途で考えられるのが、露出を失敗した写真の再生です。

手元に昭和中期(30年代?)と思われるガラス乾板がありました。

ネガ写真ですので、フォトショップのレベル補正にて、諧調反転(ネガ⇒ポジ)、ガンマ3にてネガポジ変換しました。(フォトショップのレベル補正は、負のガンマを入れることができないので面倒です。)

写真向かって右側は、失敗してガラス乾板を光にさらしてしまったようです。

ここのOD値を測定します。

オリジナル(ネガのまま)の16bit画像をImageJで開いて計測します。過露光領域は、平均値(Mean)が31.349でした。OD値(光学的濃度)は下式で求めます。

OD = -1 * LOG ( Mean / (2^16 -1)) 

OD = 3.3

昨日の発言で、このスキャナ(ES-2200)は、OD2.5までは滑らか、OD3.0~3.5はノイジーであることが分かっています。

このOD値3.3の領域をマルチスキャンして増感します。

今回は、加算平均では、仕上がりも30程度の値になってしまうので、iMeasureScanのマルチスキャンのもうひとつのオプションである単純加算を行います。

65535/30=2000ですので、2000回が単純加算の目安です。

現仕様では、加算回数の最大は256回なので、次の条件でスキャンします。

・16bitグレースケール

・マルチスキャン:単純加算、加算回数256回

・解像度:300ppi

スキャンした結果、過露光領域の値を調べました。

ImageJにて過露光領域の平均値(Mean)は10164となりました。OD値換算すると OD:0.8相当の明るさになりました。

画像を諧調反転(ネガポジ変換)して、先の適正露光の領域の画像と合成する作業に入ります。

ガラス乾板は乳剤面をスキャナ側にしてスキャンしていますので、最終仕上げ前に左右ミラー反転します。

(乳剤面を上にしてスキャンすれば反転不要ですが、焦点調節機能をES-2200は、0mm/2.5mmしかもって居ないため、フォトショップ側で左右ミラー反転します。)

最終結果が以下です。

注記:

・下右から2番目の少年は高価そうなぞうりを手に持っているので、調べてみると、みなさん裸足で記念撮影に臨んでいるようです。雰囲気はまさに「三丁目の夕日」風ですね。ところで真ん中のキリンビールは何なんだろうか。

【補足】

(%1)iMeasureScanを用いて取り込んだサンプル画像

(2)マルチスキャン(デジタル増感)機能応用事例 その2:
    
GELSCAN スキャン時間:75秒
    
http://www.imeasure.co.jp/fig/GELSCANx1_level.jpg

    GELSCAN 加算処理:32回 スキャン時間:80分
    
http://www.imeasure.co.jp/fig/GELSCANx32_level.jpg

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